土鍋の熱により米の甘みに
鯛の旨みが染み込む
土鍋を使った魚の炊き込みご飯を、東京・代々木の割烹『高瀬』の高瀬亘さん(53歳)に学ぶ。
「米は洗った後、30分浸水させておきます。土鍋ご飯は沸騰してから弱火に7分かけて、15分蒸らす方法は共通です。蒸す間に米の余分な水分が抜けて、魚の旨みも染み込みます。もし二重蓋の炊飯用土鍋がなければ、普通の土鍋でも構いません。蓋の隙間から蒸気が出て内部の圧力が弱まらないよう蓋の周囲全体に濡らした布巾を巻きつけてから炊くといいですね」
まず作るのは、目にも悦ばしく豪華な鯛の姿飯である。
「鯛の皮は伸縮するので、それを避けるために金串や竹串で皮に穴を開け、針打ちをします。その後、鯛全体に塩を振りかけてしばらく置き、魚特有の臭みを取ります」
下処理した鯛は、一尾丸ごと洗った米の上にのせて炊く。
「骨やカマも入ると、より旨みが出ます。鯛を直火で加熱するのではなく、米の上に置いて土鍋の遠赤外線効果により炊き上げるので、身質もふっくら仕上がります」
【材料(4人分)】
【手順】
●高瀬
東京都渋谷区代々木1-27-5 市川ビル1階
電話 03・5371・8872
営業時間 11時30分~14時、17時~22時(最終注文)
日曜休、祝日休 24席
※この記事は『サライ』2018年12月号の「魚料理大全」特集より転載しました。本文中の年齢・肩書き等は掲載時のものです(取材・文/鳥海美奈子 撮影/多賀谷敏雄)。