30~40代のプレ更年期や、40~50代の更年期の女性は「なんとなくの不調」「ちょっとした違和感」を抱くことが多くなります。なかでも就寝中の大量の寝汗は、更年期のつらい症状として挙げられる不調のひとつです。
実は、その不調には漢方薬が役立つことをご存知でしたか?
私の悩みにも漢方薬が役立つのか知りたい! 根本解消する方法が知りたい!
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。

今回は「更年期の寝汗」の原因や対処法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇純子さんに教えてもらいました。

Q.寒い朝なのにパジャマがぐっしょりぬれる寝汗…これって大丈夫?

寛子さん、53歳からご質問をいただきました。

「朝起きたら汗びっしょりで目が覚めたんです。布団の外は雪が降りそうな気候でものすごく寒いんですよね、なのに自分一人だけパジャマや下着がぐっしょりとぬれていたんです。とくに体がほてっているという感じでもないのですが、初めての状態で体を冷やさないために急いでシャワーを浴びたのですが、これは受診が必要な症状でしょうか?」

ご質問ありがとうございます。寒いのに寝汗が出ているという症状は、驚きますよね。

きちんと適切な治療やセルフケアを行えば、更年期の寝汗の症状の緩和をめざせます。
まずは、更年期の寝汗の原因をしっかり把握して対処してみましょう。

更年期の寝汗の原因

更年期の寝汗の主な原因は以下の3つです。

1.自律神経の乱れ

エストロゲンが減少することによって、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れてしまい、体温調整ができなくなることで寝汗が起こります。

2.ストレス

様々な要因により、心身に負荷がかかっている状態だと、副腎皮質ホルモンが増加します。
血流や心拍数をアップさせる交感神経が優位な状態になると寝汗へとつながります。

ストレスの要因は仕事、家庭問題など多種多様ですが、とくに慢性的に続くストレスは心身に大きな影響を及ぼすので注意が必要です。

3.睡眠不足

寝汗による不快感で夜中に何度も目が覚めてしまうことがあり、慢性的な睡眠不足につながるおそれがあります。
また、睡眠サイクルの乱れから、深い眠りの時間の減少が危惧されますので注意が必要です。

ホルモンバランスの崩れが原因で起こる寝汗は一度診療を。

寝汗の原因が更年期のホルモンバランスの影響ではなく、甲状腺機能亢進症、膠原病や悪性腫瘍など、何らかの疾患の場合があります。
一般的に、更年期症状の疑いがある場合は、まずは婦人科を受診します。

かかりつけ医がいるなら内科の医師に相談してもいいでしょう。
もし寝汗の原因が更年期症状だった場合、ホルモン補充療法や、生活習慣の改善などを行い、不調を緩和していきます。

更年期の寝汗を改善するセルフケア

更年期の寝汗の改善には、生活習慣の改善も有効です。代表的な5つの方法についてご紹介します。

1.腹式呼吸をする

腹式呼吸を行うと、副交感神経が優位になり筋肉の緊張が解けて身体をリラックスさせることができます。
眠る前に横になった状態で鼻から息を吸い込み、ゆっくりと鼻または口から空気をはき出します。
からだが大きな風船になるイメージをもち、息を吸うとお腹が膨らみ、息をはくとお腹がへこんで腹式呼吸ができ、リラックスしてきます。

2.イソフラボンを摂取する

女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンは積極的に摂取しましょう。大豆イソフラボンは、納豆、豆腐、豆乳など、一般的な大豆製品に多く含まれています。

食事バランスを見直し、主食、主菜、副菜など、まんべんなく様々な栄養を摂取できる食事を心がけてみましょう。

3.ツボを押す

三陰交(さんいんこう): 足の内側、内くるぶしから指4本分上にあるツボです。
婦人科系の疾患で用いられるツボで、全身の気血の流れを改善します。
更年期などでホルモンバランスが乱れている場合、押した際に痛みを感じることがあります。痛みを感じる場合は、ゆっくりと息を吐きながら優しく押してみましょう。

4.ハーブティを飲む

リラックス作用を高めるために、ハーブティを飲むのも効果的です。
特に香りの高いカモミールティー・セントジョンズワートティー・オレンジピールティーはカフェインレスで安眠を促す効果が期待できます。

5.漢方薬を試す

「更年期の寝汗を根本から改善したい」
「いろいろと試したが症状が改善しない」

そんな方には、医薬品として効果が認められている漢方薬がおすすめです。

漢方薬は自然にある植物や鉱物などの「生薬」を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。

また、漢方薬が目指すのは苦痛を和らげるための対症療法ではなく、根本的な解決です。
体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。

「バランスの取れた食事や運動などを毎日続けるのは苦手」という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

漢方薬での解消をするには「ホルモンバランスの乱れやストレスによる自律神経の乱れを整える」「消化吸収機能を高め、心と体を元気にする」といった作用が期待できるものを使用しましょう。

更年期の寝汗対策におすすめの漢方薬

・加味逍遙散(かみしょうようさん):緊張を緩め、精神の高ぶりを抑えます。のぼせ感がある方に適しています。
・柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):たまった熱を冷まし、動悸を改善します。不眠傾向の方にも向いています。

ただし、漢方薬はご自身の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることがあります。
購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師等にご相談ください。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、医薬品の漢方薬がおすすめ。スマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。

AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」サービスでは、漢方のプロが体質に合った漢方を見極めてくれます。お手頃価格で自宅まで郵送してくれるため、手軽で便利です。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0233&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=241221

更年期の寝汗と上手に付き合うために

更年期の寝汗は、女性ホルモンのバランスの変化によるものや、ストレスによるものなど、様々なことがらが原因となります。
更年期は誰にでもやって来るもの。
しっかりとした睡眠を確保できるように、上記のセルフケアを活用して快適にお過ごしください。

この記事の監修者

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0233&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=241221

 

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