30~40代のプレ更年期や、40~50代の更年期の女性は「なんとなくの不調」「ちょっとした違和感」を抱くことが多くなります。なかでも多くの方が困っている悩みは痩せにくい症状です。

実は、その不調には漢方薬が役立つことをご存知でしたか?

私の悩みにも漢方薬が役立つのか知りたい!  根本解消する方法が知りたい!
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。

今回は「痩せにくい体」の原因や対処法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇純子さんに教えてもらいました。

これって更年期のせい? 頑張ってダイエットしても痩せない……!

舞衣さん 45歳からご質問をいただきました。

「最近、明らかに痩せにくくなってきていて、とても焦っています。以前は少し食事制限して運動するだけで痩せたのに、ここ数年は一旦太るとなかなか体型を戻せず……。

いくら頑張っても効果が感じづらくなってしまい、ダイエットのモチベーションが低下。食事管理アプリもジム通いも面倒になってやめてしまいました。

これって更年期? それともただの加齢? なぜ痩せにくくなるんでしょうか」

ご質問ありがとうございます。頑張ってもなかなか痩せないと、ダイエットも続ける気になりませんよね。

しかし、きちんと適切な治療やセルフケアを行えば、痩せにくい体質の緩和をめざせます。まずは、痩せにくい原因をしっかり把握して対処しましょう。

更年期に痩せにくくなる理由

まずは、痩せにくくなる理由についてみていきましょう。

1.脂質の代謝が低下する

脂質の代謝低下は更年期に痩せにくくなる主な理由のひとつです。

女性は更年期を迎えると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に低下します。脂質代謝はエストロゲン濃度に関係していて、血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が増加する原因になることも。

また、脂質の代謝が低下すると、脂質異常症のリスクも上昇します。

2.筋肉量が減る

筋肉量が減ると、基礎代謝量が低下し、エネルギーを消費しにくい体になってしまい、痩せにくくなります。

もともと女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、ダイエットなどで栄養が偏り、タンパク質などの必要栄養素が不足していることも原因です。

そして、更年期を迎えると、老化にともなってさらに筋肉量が減り、悪循環になります。

3.更年期の不調で活動量が減る

外出の機会が減り、活動が消極的になってしまうと、運動不足に陥って太りやすくなってしまいます。

更年期の不調は肉体面・精神面に渡るものです。疲れやすくなったり、頭痛やめまいがしたり、気分が憂鬱で外に出たくないという理由で外に出る機会を減らしてしまうと、その結果さらに活動量が減り、エネルギーを消費しづらい悪循環に陥ります。

痩せやすい体に変える方法

ここからは、痩せやすい体に変える3つのポイントをご紹介します。

1.運動を継続する

運動は一時的ではなく、継続的に行うことで、脂肪を燃焼しエネルギーを消費しやすい体になります。

まずは軽いストレッチを行い、ウォーキングやジョギング、水泳などを行いましょう。脂肪代謝の促進だけでなく、体力維持にもつながり、生活習慣病の予防にもなります。

いきなり激しい運動を始めるのではなく、無理のない範囲で徐々に行うことが重要です。慣れてきたら週3~4回程度、一週間の運動量の合計が140~160分くらいが理想です(※1)。

2.食事を見直す

食事は糖分や油分を控えめにし、主食、主菜、副菜を3:2:1の割合で、バランスを意識して摂取しましょう(※2)。

また、食事時間と内容も重要です。朝食、昼食はしっかりとエネルギー源を摂り、夕食は控えめにして、エネルギー消費や胃腸の消化負担を考えながら食べましょう。

更年期世代におすすめのメニューは和食です。主食のご飯、汁物の味噌汁、主菜に魚、副菜におひたしという伝統的な日本食は、カロリー控えめで栄養バランスもとれています。

デザートには旬のフルーツ、飲み物は乳製品を摂るとさらにバランスがよくなります。

3.漢方薬を飲む

運動や食事に気を遣ってもなかなか痩せにくいという場合は、漢方薬を試すのもおすすめです。

漢方薬は、「水太り」「脂肪太り」「ストレス太り」などの症状に効果が認められていて、病院のダイエット外来でも処方されています。

漢方薬は自然にある植物や鉱物などの「生薬」を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。

また漢方薬が目指すのは苦痛を和らげるための対症療法ではなく、根本的な解決です。体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。

「バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手」という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

漢方薬で痩せやすい体質をめざす場合、「代謝を上げて、運動の効率をよくする」「水分の循環をよくして、水太りを改善する」「余分な脂肪を便と一緒に排出する」「自律神経を整えてストレス過食を防ぐ」といった作用を持つ漢方薬を選びましょう。

ダイエットにおすすめの漢方薬

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):体の余分な熱をとり除いて脂肪燃焼を促し、血流や水分の巡りを改善して、肥満や便秘に効果を発揮します。

大柴胡湯(だいさいことう):自律神経を整えてイライラなどによるストレス過食を防ぎ、肥満を改善します。

ただし、漢方薬を選ぶ際にはご自身の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることがあります。

購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師にご相談ください。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、医薬品の漢方薬がおすすめ。スマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。

AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」サービスでは、漢方のプロが体質に合った漢方を見極めてくれます。お手頃価格で自宅まで郵送してくれるため、手軽で便利です。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0219

更年期の変化を受け止め、生活習慣を改善しよう

更年期は女性ホルモンの分泌が低下し、体に様々な変化が起こる時期です。脂質代謝の低下のために痩せにくいと感じるのもそのひとつ。

筋肉量や活動量の低下を防ぐために、意識的に運動習慣を作り、食事の栄養バランスにも気を配って、体の不調に対処しましょう。

【参考】
(※1)更年期ラボ「運動でケア|更年期症状の対策・改善法」 https://ko-nenkilab.jp/countermeasure/exersize.html

(※2)更年期ラボ「食事・食生活でケア|更年期症状の対策・改善法」 https://ko-nenkilab.jp/countermeasure/meal.html

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0219

イラスト:lely

 

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