写真・文/矢崎海里
わかさぎは頭からしっぽ、そして骨まで丸ごと食べられる魚です。
骨の健康維持に必要なカルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を助ける栄養素なども含まれており、不足しがちな栄養素を効率よく補えます。
つくだ煮などの加工品は通年手に入りますが、生のわかさぎは旬の時期しか手に入らないため、ぜひいろいろな食べ方で楽しんでみませんか。
今回はわかさぎの栄養を上手に取れる減塩レシピをご紹介します。
わかさぎの柳川風
【材料】(1人分)
わかさぎ 10尾
ごぼう 1/2本
溶き卵 1個分
水 100cc
顆粒和風だし 小さじ1/2
サラダ油 小さじ1
青ねぎ(小口切り) 適量
【作り方】
1.わかさぎは流水で洗い、水気をきる。ごぼうはささがきにする。
2.鍋にサラダ油を熱して、わかさぎを焼き目がつくまで焼く。
3.1と水、顆粒和風だしを加えてふたをして弱火で5分ほど煮込む。
4.溶き卵を回しいれ、再度ふたをして卵に火が通るまで加熱する。
どじょうとごぼうを煮込んで卵でとじた柳川鍋という料理があります。
今回はその柳川鍋を、わかさぎでアレンジしたレシピをご紹介しています。
ふっくらとしたわかさぎの身と、卵のコク、ごぼうの風味が合わさって、顆粒だしのみの味付けでもおいしく食べられます。
おかずとしてはもちろん、丼ぶりにしたり、そばやうどんと合わせるのもおすすめです。
わかさぎは丸ごと食べられて、内臓を取り除くなどの下処理も不要。
骨も食べられるので、カルシウムが多く含まれています。
わかさぎ10尾(約100g)に含まれるカルシウムは450mg。
一日のカルシウム推奨量の半分以上が補えます。
ほかにもわかさぎは、ビタミンDを多く含んでいるのが特徴です。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、同じくビタミンDを多く含む卵と組み合わせて、カルシウムを効率よく吸収できます。
食塩相当量:1.4g
わかさぎの海苔揚げ
【材料】(1人分)
わかさぎ 10尾
焼き海苔 1/3枚
天ぷら粉 大さじ1
醤油 小さじ1/2
冷水 大さじ1
揚げ油 適量
【作り方】
1.わかさぎは流水で洗い、水気をきる。焼き海苔は10等分にして、わかさぎに巻く。
2.ボウルにてんぷら粉、醤油、冷水を入れて混ぜ合わせ、1を入れて絡める。
3.170℃の揚げ油で返しながら数分揚げる。
4.油を切ってうつわに盛り付けて完成。
わかさぎは、から揚げや天ぷらなどの揚げ物調理が定番です。
青海苔を混ぜた衣で揚げるのもいいですが、今回は焼き海苔を巻いてアレンジしました。
食べたときに青海苔より海苔の風味を感じることができ、少ない味付けでも満足感があります。
わかさぎはほかにも鉄や亜鉛、リンなどのミネラルが含まれています。
なかでもリンはわかさぎ10尾(約100g)あたり、一日の目安量のうち1/3以上含まれていて、カルシウムと合わせて骨の形成などに関与します。
食塩相当量:1.0g
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わかさぎと同じく丸ごと食べられるしらすにも、カルシウムやビタミンD、リンが豊富に含まれています。
カルシウム以外の栄養素もうまく取り入れて、丈夫な骨を保ちましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。