「あれ? なんて漢字だったけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第89回は、「瓢虫」をご紹介します。季節も暖かくなり、この虫を見かける機会も増えてきました。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「瓢虫」はなんと読む?
「瓢虫」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「ひょうちゅう」ではなく……
正解は……
「てんとうむし」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「甲虫目テントウムシ科の昆虫の総称、背面は黒に橙色の紋、橙色に黒色の紋などさまざまな模様のものがある」と説明されています。日本に約170種おり、葉を食べてしまう害虫と、他の虫や菌を退治してくれる益虫に分類できます。
また、「てんとうむし」は「瓢虫」の他にも「天道虫」と書くことができます。これは、文字通り「お天道様の虫」という意味です。この虫には、葉や枝に止まると、その先まで上がっていって、もう行き場がなくなると太陽に向かって飛び立つ習性があります。ここから「お天道様(神様)のお使い」として名付けられたとされています。
「瓢虫」の漢字の由来とは?
「瓢虫」を構成する漢字を見ていきましょう。「瓢虫」の「瓢(ひょう)」は、「ひょうたん」を意味する漢字です。これはてんとうむしの形がひょうたんに似ていることに由来していると考えられています。頭と胴体のバランスが、ひょうたんに見えるということですね。
「紅娘」も「てんとうむし」?
「てんとうむし」の漢字表記は「瓢虫」と「天道虫」の他に、もう一つあります。それが「紅娘」です。これも「瓢虫」の由来と同様、その見た目から名付けられました。
「紅娘」の字は「紅く小さいこと」を表しています。「娘」は「小さい女の子」といったニュアンスです。赤い色をしたその様子が、「小さい女の子(虫)が紅い服を羽織っているように見えた」ことから、「紅娘」と付けられたとされています。
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いかがでしたか? 今回の「瓢虫」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 春の暖かな季節の訪れを感じさせてくれる「瓢虫」。お出かけの際にはいつもより少し目線を下げて、小さな春を探してみてはいかがでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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