写真・文/矢崎海里
立春も過ぎ春の味覚も少しずつ店頭に並んできましたが、まだまだ寒い日が続きますね。
冬は寒暖差が激しく、血圧が上がりやすい季節と言われています。
血圧の変動が大きいと心臓や血管にも負担がかかるため、特に注意が必要です。
今回はなぜ冬に血圧が上がりやすいのかを解説し、高血圧を防ぐ食事ポイントとおすすめレシピをご紹介していきます。
なぜ冬は血圧が上がりやすい?
冬は寒さから血圧の変動が大きくなりやすい季節です。
急な寒さを感じると血圧が急上昇し、脳卒中や心筋梗塞の原因となることも。
・朝布団から出たとき
・暖かい部屋からトイレや脱衣所、浴室に移動したとき
・暖かい室内から寒い屋外に出たとき
などは血圧が急上昇しやすいシーンのため注意が必要です。
室内全体を温める、浴室暖房を活用する、トイレの便座を温めておくなどの対策をして、温度差を減らすことが大切です。
また屋外に出るときは、少しの時間でもしっかりと防寒対策をしましょう。
高血圧を防ぐ食事ポイント
高血圧の原因としてよく知られているのが塩分の過剰摂取です。
寒さから鍋や麺類など塩分の多い食事を口にする機会も多く、冬場の高血圧原因のひとつとも言われています。
今回は塩分の過剰摂取以外の食事ポイントをご紹介していきます。
・カリウム
カリウムには余分な塩分を体外に排出するはたらきがあります。
野菜類やいも類、魚介類、豆類、きのこ類など幅広い食品に多く含まれています。
水に溶けやすいため、生で食べられる野菜や果物は効率よくカリウムを補えます。
・DHA、EPA
不飽和脂肪酸であるDHA、EPAは高血圧や動脈硬化のリスクを減らす効果があるとして注目されています。
DHA、EPAは青背魚などに多く含まれています。
高たんぱく・低脂質の魚や、カリウムが補える大豆を主菜に取り入れるのがおすすめです。
ここからは上記食材を取り入れた、高血圧予防におすすめのレシピをご紹介します。
さわらと彩り野菜のハーブ焼き
【材料】(2人分)
さわら 2切れ
トマト 1個
里芋 2個
かぼちゃ 1/8個
人参 1/4本
レモン 1/4個
ローズマリー 3本
バジル 6枚
ガーリックパウダー 小さじ1
胡椒 少々
塩 小さじ1/4
オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
1.さわらは水気を拭き取り、食べやすい大きさに切る。
2.トマトは半月切りに、かぼちゃは食べやすい大きさに切る。里芋、人参は輪切りに、レモンはいちょう切りにする。
3.耐熱容器に野菜とさわらを交互に重ねていく。レモンを散らす。
4.ローズマリーとバジルをのせる。塩・胡椒・ガーリックパウダーを振り、オリーブオイルを回しかける。
5.190度に予熱したオーブンで15分焼いたら完成。
彩り鮮やかな野菜と、旬のさわらのオーブン焼きレシピです。
ハーブはローズマリーとバジルを使用しましたが、ローリエやタイム、ディルなどお好みのもので作ってみてください。
ハーブやレモンの香りで、少ない塩分でもおいしく食べられます。
カリウムを多く含む野菜やいも類に加え、さわらもカリウムを多く含んでいます。
DHAやEPAも補うことができます。
さわらは寒い季節~春にかけて旬を迎え、高たんぱく低脂質なのでぜひいろいろな調理法で取り入れてみてください。
1食分で1日のカリウム摂取目標量のうち、1/3以上を補うことができます。
エネルギー:314kcal
食塩相当量:1.0g
カリウム:1266mg
* * *
今回は高血圧予防の食事ポイントとしてカリウム・DHA・EPAをご紹介しました。
塩分を控えた食事を中心に取り入れることが大切です。
連載している「管理栄養士が教える減塩レシピ」もぜひ参考にしてみてくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。