世界遺産に指定されているフランスの「ラスコー壁画」を最新テクノロジーを駆使して復元・展示する展覧会が、東京・上野の国立科学博物館で開催されています。(~2017年2月19日まで)
フランス南西部のラスコー洞窟に残された、2万年前のクロマニョン人が描いた壁画は、色彩の豊かさや技法、600頭ともいわれる描かれた動物の数と大きさなどが素晴らしく、1979年に世界遺産に登録されました。
洞窟は現在非公開ですが、フランス政府公認のもとに制作された展覧会が世界各国を巡回しており、各地で人気を博しています。
本展はその日本巡回展で、日本独自のコンテンツが加えられています。
本展の見どころを、国立科学博物館人類研究部人類研究グループ長の海部陽介さんにうかがいました。
「2万年前の人類の意外な凄さを、フランスの洞窟に描かれた壁画を通じて体感いただく展覧会です。当時の動物をモチーフにした絵の技術や迫力はもちろんのこと、意図的にデフォルメされた構図や、“トリ人間”が登場する謎の場面などをお楽しみください。
他にも驚くほど優美で繊細な動物の彫刻や、暗黒の洞窟に入るためのランプ、高度な手作業による石器などがフランスからやってきます。展示を通して作者のクロマニョン人の正体に思いを馳せるとともに、芸術の起源についてもぜひ考えていただきたいです」
1ミリ以下の精度で再現した実物大の洞窟は迫力満点。ぜひ会場でご見学ください。
【特別展「世界遺産 ラスコー展~クロマニョン人が残した洞窟壁画~」】
■会期/2016年11月1日(火)~2017年2月19日(日)
■会場/国立科学博物館
■住所/東京都台東区上野公園7-20
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般・大学生1600(1400)円 小・中・高校生600(500)円 ( )内は20名以上の団体料金 ※障がい者手帳所持者とその介護者1名は無料、金曜日限定のペア得ナイト券2000円あり(会場での当日販売のみ)
■開館時間/9時から17時まで、金曜日は20時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日/月曜日(ただし12月26日、1月2日、1月9日、2月13日は開館)、12月28日~1月1日、1月10日(火)
■アクセス/JR上野駅公園口より徒歩約5分、京成線京成上野駅より徒歩約10分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅より徒歩約10分
展覧会公式サイトはこちら
取材・文/池田充枝
1989年「サライ」