更年期をすぎると、多くの人が体に脂肪をため込んだオジサン・オバサン体型になっていきます。
鏡に映った自分を見て「ダイエットしないとなぁ、運動不足だなぁ」と嘆いている人も多いことでしょう。
しかし、こうした体型の変化を単なる食べすぎや運動不足と理解していては、昔のような若々しい体型を取り戻すことはできません。
そこには、加齢に伴う体質の変化、とりわけ性ホルモンの分泌量の変化が大きく関係しているのです。
それでは、更年期以降の体内環境に合った方法で若々しい身体を取り戻すためには、どうすればよいのでしょうか。
日常生活の中で取り入れられる健康法を、藤田紘一郎氏の著書『50歳から若返るための1分間「腸」健康法~老化を防ぐ決め手は“腸活”です』(ワニブックス)からご紹介します。
■50歳から体質が変わってしまう理由
そもそも、筋肉と脂肪は同じ間葉系幹細胞からつくられています。そこに男性ホルモンの刺激が加わることにより、筋肉の割合が増えるのです。
ちなみに、これは女性も同じ。女性の体内でも男性ホルモンは分泌され、その働きによって引き締まった体をつくりだしています。
しかし、更年期をすぎると体の主目的は子孫を残すことから、健康で長生きすることにシフトチェンジ。そのため性ホルモンの分泌量が減り、筋肉の割合も低下して締まりのない体つきになっていく、というわけです。
つまり、締まりのない体型は性ホルモンが枯れていることの証しともいえるのです。
しかし、あきらめるのはまだ早計。老いをコントロールする力は誰にでも身につけられる、と藤田氏はいいます。
体内環境を整えることで性ホルモンの枯渇を食い止め、引き締まった若々しい体を手に入れることができるのです。
■性ホルモンが天然の若返り剤に!
とりわけ、男性らしさ、女性らしさを保った若々しい体型には、やはり性ホルモンが欠かせません。
40代までは生殖活動をつかさどり、性的魅力をつくりだしていた性ホルモンですが、50歳をすぎると若々しさを生み出す“天然の若返り剤”として働いてくれるのです。まだまだ、枯れさせるわけにはいきません。
性ホルモン分泌を増やす方法は、主にに2つ。性ホルモンの原料となるコレステロールを摂取すること、そして体内でコレステロールを作り出す肝臓の機能を高めることです。
じつは、体内のコレステロールのうち食事からとる分は2割程度。残りの8割は肝臓で合成されます。そのため、肝臓の機能を高めることが性ホルモン分泌に直結します。
少し遠回りにも感じますが、体内環境が良好な人は見た目も若々しいもの。内臓の機能を高めることが、健康で若々しくいられるもっとも有効な方法なのです。
【レバーの串焼きや枝豆を選ぶべし。次ページに続きます】