最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第47回目は、「穿る」をご紹介します。「耳を穿る」や「過去を穿る」など文章で用いられることが多いため、漢字単体だと馴染みがないかもしれません…。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「穿る」はなんと読む?
「穿る」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「穿つ(うがつ)」と同じ漢字ですが……
正解は……
「ほじる(ほじくる)」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「つついて穴をあけたり、穴の中からかきだしたりすること」と説明されています。身近な表現では、「耳を穿る(ほじる)」「鼻を穿る(ほじる)」などが該当します。
また、「ほじる(ほじくる)」のもう一つの意味は、「細かいことまで取り上げて追及すること」です。「過去の話を穿(ほじ)って聞かれた」というように使われます。
■「穿る」の漢字の由来とは?
「穿」という漢字を詳しく見ていきましょう。「穿」は、「穴」と「牙」の二つを組み合わせて作られた会意文字です。そのため「穿る」は、漢字の通り「“牙”で“穴”を掘ること」を意味します。
■他の訓読み 「穿つ」「穿く」は何と読む?
「穿」には、「ほじる」の他に複数の訓読みが存在します。「雨垂れが石を穿つ」における「穿つ」は、「うがつ」です。他にも「ズボンを穿く」における「穿く」は、「はく」と読みます。
ちなみに、「穿く」と「履く」の違いをご存知でしょうか?「穿く」が、ズボンやスカートなど「足を通して下半身に衣類を身に着ける」という意味であるのに対して、「履く」は靴やスリッパなど「足先を保護する物をつけること」を意味します。
「ほじる」・「うがつ」・「はく」… と「穿」の訓読みは、送り仮名一つで大きく異なるのですね。
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いかがでしたか? 今回の「穿る」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 常用漢字ではないため、日常生活ではあまり見かけないかもしれません。しかし、そのような漢字だからこそさらっと読み書きできたら、自信に繋がりますね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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