近年、ダイエットの代名詞となった「糖質制限」。
コロナ禍で増えてしまった体重をどうにかしたいけど、「糖質ってそもそもよくわからない」と思っている人も多いのではないでしょうか。
「糖質」という文字からは「甘いもの」というイメージを持ちがちですが、実際は少し違います。
そもそも糖質とは、どんなもの?
糖質を説明する上で重要なワードは、「甘いもの」ではなく「炭水化物」です。
ごはんやパン、めん類などの炭水化物は、「糖質」と「食物繊維」から構成されているものの総称を指します。
炭水化物は主に、体を動かすためのエネルギーとして使われています。
ごはんやパンなど、いわゆる主食以外にも、いも類やまめ類、果物などにも糖質が多く含まれるので、実は無意識のうちに多くの糖質を摂取しているんです。
糖質といっても種類はざまざまあり、食品中の糖質は主に下記のように分けられます。
- 単糖類:ブドウ糖、果糖、ガラクトース
- 少糖類:[1]二糖類(ショ糖、乳糖、麦芽糖)[2]オリゴ糖
- 多糖類:でんぷん、デキストリン
- 糖アルコール:エリスリトール、キシリトール
この単糖類、二糖類とは、糖質の分子の数によって分類され、いちばん小さな単位は糖類が一種類だけの「単糖類」。
この単糖の数が2つだと「二糖類」、単糖の数が3〜10が 少糖類。それ以上が「多糖類」になります。
二糖以上のものは、単糖に分解して体に吸収されるので、単糖類は一番早くエネルギーとして使うことができるといえます。
スポーツ選手が、試合前にブドウ糖などが含まれるものを食べるのは、吸収の速さからなんです。
逆に多糖類など糖類の数が多いものは、分解するのに時間がかかり、単糖類に比べると吸収がゆっくりになります。
単糖類で有名なのがブドウ糖と果糖。二糖類には麦芽糖、乳糖、ショ糖など。いわゆる「砂糖」の主成分はショ糖になります。
なじみのある食材でいうと、下記のようになります。
- 単糖類……ブドウ糖、はちみつ、果物など
- 二糖類……砂糖、水あめなど
- 多糖類……でんぷん(ご飯、いも類、豆類)など
糖質は本当に悪者なのか
では、なぜ「糖質はダイエットの敵」と悪者扱いされているのでしょうか。
糖質は体のエネルギー源ですが、余分に摂って使われなかった分は、分解され中性脂肪になり、皮下脂肪として蓄えられます。
エネルギー源となる糖が足りない場合に使われるので、ある程度の蓄積は問題ないのですが、蓄積が増えていくと肥満につながり、場合によっては糖尿病などの生活習慣病にもなりかねません。
人間の体に糖質は必要な栄養素ですが、どんなものでも、とり過ぎはやはりよくないのです。
ただ、健康体であればむやみに糖質を避ける必要はありません。
覚えておいてほしいのは、糖質の多い食べ物をとるときは、「ビタミンB1を含む食材を一緒にとること」です。
糖質と一緒にとりたいビタミンB1
栄養素は摂っただけで、本来の役割を果たせるわけではありません。
糖質の場合、ビタミンB1と一緒に摂ることで糖質が代謝され、エネルギーへと変わります。
ですから、どんなときでも、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB1が必要ということになります。
甘いお菓子や清涼飲料水、インスタント食品などは糖質が多いのに、ビタミンB1の含有量が少ないものがほとんどなので、糖質をとりすぎるとビタミンB1不足になる場合があります。
ビタミンB1は糖質の代謝以外にも、脳や神経の働きを正常にするために必要な栄養素です。
さらに、アルコールの分解にもビタミンB1は必要なんです。
ビタミンB1は、豚モモやヒレ肉、玄米ご飯や全粒粉・ふすま入りのパン、大豆などにも多く含まれます。
含有量は微量でも、多くの野菜にはビタミンB1が含まれるので、日常的に野菜をきちんととることも大切です。
もちろん糖質のとりすぎはよくないですが、糖質を減らすということよりも、きちんとビタミンB1を摂取することも覚えておきましょう。
編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士
株式会社おいしい健康
「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」という理念のもと、ITを活用したヘルスケア事業や生活メディア事業を展開しています。主なサービスとして、病気の予防・管理、ダイエットなどを目的とした管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービス「おいしい健康」を運営。社内には、サービスの監修や向上にあたる管理栄養士が複数在籍しており、食や健康に関する情報をエビデンスに基づき正確にわかりやすく発信しています。
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