歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして… 。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。
脳の方は、そろそろ錆びつき始めていて、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳とってきちゃって、なかなか思い出せなくて… 。」なんて言い訳するようでは、サライ世代の沽券に関わる? そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。
「脳トレ漢字」第26回目は、「開眼」をご紹介します。眼以外の他の全てが完成した後に仏像や仏画の眼を描き入れる行為のことです。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「開眼」はなんと読む?
「開眼」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「開眼供養」といった形で目にすることは多そうですが……
正解は……
「かいげん」です。
『小学館デジタル大辞泉』では次の二つの意味が紹介されています。
1:新作の仏像・仏画を供養し、目を点じて魂を迎え入れること。また、その儀式。
2:真理を悟ること。特に、技術・芸能の道で真髄を悟り、極致を窮めること。
「開眼供養」という場合は、1の意味になります。
ちなみに「手術などで目が見えるようになること」という意味の「開眼」は、「かいがん」です。上述した1、2の意味を持った「開眼」(かいげん)とは別の言葉になります。
■「開眼」の漢字の由来とは?
「開眼」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「開」は「あける、解き放つこと」を、「眼」は文字通り「まなこ」を指します。このことから、「まなこ」を「あける」、即ち「開眼」は「真実の道理を悟ること」「物事の本質を悟ること」を意味します。
■「かいげん」と「かいがん」の違い
上にも記したように、「開眼」には「かいげん」と「かいがん」という二つの読み方があります。読み間違えることがないように、その違いをご紹介します。
開眼(かいげん)…… 新しくできた仏像や仏画に眼を入れて仏の霊を迎えること/物事のコツを掴むこと
開眼(かいがん)…… 目が見えること/物事のコツを掴むこと
もともと、「かいがん」という読みは「かいげん」を読み誤ったものでした。しかし、今では「かいがん」にも「物事のコツを掴む」という意味が含まれていますよ。
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いかがでしたか? 今回の「開眼」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか?
「かいがん」と「かいげん」は、現在では混同して用いられることが多々あります。文脈から意味を推測して、正しく使い分けたいですね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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