ネバネバ食材として知られ、広く料理に使われているオクラ。
暑さに強く、この時期に旬を迎える野菜です。
旬以外はフィリピンやタイからの輸入物が多いですが、国内では鹿児島や沖縄など、暖かい地域で主に栽培されています。
食卓の彩りになるだけではなく、食物繊維やビタミンも豊富。
今回は旬のオクラを使ったレシピを2品ご紹介します。
調理の前に オクラの下処理
オクラの表面には、チクチクする産毛が無数に生えています。
この処理をしないと、食べたときに口に刺さってしまうことがあるため、調理の前に行いましょう。
まず、オクラに塩をまぶし、まな板にこすりつけます。
その後塩をよく洗い流すことで、オクラの産毛を取ることができます。
ねばねばねぎとろ丼
【材料】(1人分)
まぐろたたき 30g
ひきわり納豆 1パック
オクラ 2本
いりごま 少々
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1/4
ごはん 1膳
青ねぎ 少々
【作り方】
1.オクラは下処理をし、よく洗い、へたとがく(へたの周りの固い部分)を取る。5mm程度の輪切りにする。青ねぎは小口切りにする。
2.1にいりごま、めんつゆを加え、和える。ひきわり納豆はたれと合わせておく。
3.丼にごはんを盛り、まぐろたたき、オクラ、納豆をのせ、青ねぎをのせたら完成。
新鮮なオクラは生でも食べられるのをご存じですか。
鮮やかな緑でハリがあるものが鮮度のよい証です。
青臭さが気になる方は、さっと湯通ししましょう。
ネバネバ食材納豆と合わせることで食欲がない時でも食べやすく、消化を助けます。
オクラのネバネバ成分は、水溶性食物繊維であるペクチンと、多糖類であるムチンです。
ペクチンは茹でると水に流れ出てしまうので、茹でる際は短時間にしましょう。
中に水が入らないよう丸ごと茹で、へたやがく (へたの周りの固い部分) は茹でた後取るのがポイントです。
水溶性食物繊維は便通を整えるほか、糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑えるはたらきもあります。
一方ムチンは、ネバネバで胃を保護する効果があります。
夏バテ気味で胃腸の調子が悪いときにも、胃の負担を和らげてくれます。
ムチンは加熱に弱い成分なので、新鮮な国産が出回る旬の時期には、生で食べるのがおすすめです。
食塩相当量:0.7g
オクラととうもろこしの南蛮漬け
【材料】(1人分)
オクラ 3本
とうもろこし 5cm
★酢 大さじ3
★砂糖 大さじ1
★醤油 小さじ1
★赤唐辛子 1本
ごま油 小さじ1
【作り方】
1.オクラは下処理をし、よく洗い、へたとがくを取る。とうもろこしは皮をむき、2.5cm幅の輪切りにする。赤唐辛子は種を取り輪切りにする。
2.鍋に★の材料を入れ、沸騰させたら火を止め、容器に入れる。
3.フライパンにごま油を熱し、オクラ、とうもろこしを軽く焦げ目が付くまで焼く。
4.焼けたら熱いうちに2のたれに漬け、冷蔵庫で冷やしたら完成。
夏野菜の焼き浸しは、さっぱりとした酢をベースに、赤唐辛子でぴりりと辛味を出しました。
オクラととうもろこし、どちらも色鮮やかで、食卓を彩る夏野菜です。
お酢は減塩を助け、食欲を増進させるだけではなく、血糖値の上昇を緩やかにする作用もあります。
先ほどご紹介した水溶性食物繊維、ペクチンも同様のはたらきがあるため、お酢と合わせることでさらに効果アップが期待できます。
食塩相当量:0.5g
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国産が安く出回るこの時期。
鮮度のよいものを見分け、栄養を逃さず調理したいですね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。