新着記事

時代を超えて大きな説得力を持つ言葉の数々|『倉本聰の言葉 ドラマの中の名言』

時代を超えて大きな説得力を持つ「倉本聰の言葉 ドラマの中の名言」

【ASD(自閉症スペクトラム)と子育て実態調査】ASD理解ギャップ編|ASDに対する認知・理解の実態とそのギャップについて

その特性が正しく理解されていない「ASD(自閉症スペクトラム)」と子育ての実態

大人女子の半数が「イボに悩んだ」経験あり! 30歳以上の女性が選んだ対処法と理想の対策

(1)ビル・エヴァンス『自己との対話』(ヴァーヴ) 演奏:ビル・エヴァンス(ピアノ) 録音:1963年2月6、9日、5月20日 最初の試みを「3台」で考えたところがじつに大胆。バラードの「ラウンド・ミッドナイト」などはピアノ3台では少々賑やかすぎる感じも受けますが、どうせやるなら狙いは明確に出そうということでしょう。なお、このアルバムはエヴァンス初のグラミー賞受賞作品となりました。

ビル・エヴァンスが3人いる!? 「自己との対話」という挑戦【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道48】

【瞑想に興味のある女性1,053人に聞きました!】実際に瞑想したことがある?、ない?

瞑想に興味がある女性1,053人に聞いた「瞑想と出会ったきっかけ」

50歳以上は対策が必要⁉ 免疫力を上げるために効果的なこと

味噌カレー牛乳ラーメン

【管理栄養士が教える減塩レシピ】 食事にも牛乳を取り入れて上手に減塩!「じゃがいもとアスパラのグラタン」「味噌カレー牛乳ラーメン」

毎週月曜日更新!「ニャンコ先生の開運星占い」(3/30~4/5)射手座~魚座編

毎週月曜日更新!「ニャンコ先生の開運星占い」(3/30~4/5)獅子座~蠍座編

毎週月曜日更新!「ニャンコ先生の開運星占い」(3/30~4/5)牡羊座~蟹座編

通販別冊『大人の逸品』最新号はこちら

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号(クリックで試し読み)

ピックアップ記事

  1. 荒川豊蔵資料館蔵の志野筍絵茶碗 銘「随縁」(荒川豊蔵、1961年)。豊蔵が「再発見」した「美濃桃山陶」の陶片である「筍」と文様が共通する。

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

サライ7月号付録「筋トレチューブ」トレーニング動画公開中!

旅行

エジプト:悠久の街と、私のなかの悠久(角田光代の旅行コラム 第12回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。木曜日は「旅行」をテーマに、角田光代さんが執筆します。

文・写真/角田光代(作家)

大学を卒業した1989年、女友だちとエジプトを旅した。二人でツアーに参加したのだ。エジプトに行きたい、というのは彼女の希望で、私はどこかに行けるならどこでもよかった。そもそもエジプトに何があるのかわからない。ピラミッドくらいは知っているが、じゃあピラミッドとはなんなのかと訊かれても答えられない。無知すぎて、興味の持ちようがないのだった。

私たちが参加したのは、最少催行人数が決まっていて、添乗員さんがついて、観光バスで移動するような、典型的なツアーだった。ひとりで参加していた男性もいたし、4人で参加していた若者グループもいた。

この旅行の記憶はひどく曖昧だ。でもたぶん、もっとも一般的な日程だったのだと思う。ルクソールをまわってアスワンに行って、カイロに戻ってくるような。移動はバス、プロペラ機、夜行列車と多様だった。

記憶が曖昧なのは、自動的にあちこちに運んでもらうツアー旅行だったからだろうけれど、もっとも大きな理由は、私の興味の問題ではなかろうか。22歳の私はエジプト的なものになんの興味も持っていなかった。ルクソール神殿もアブ・シンベル大神殿も、たいした違いはなく思えた。そもそも興味がないからびっくりしたり目を見張ったりするようなこともなく、添乗員さんの説明も聞いたって頭に入らなかったのだろう。

私が興味があったのは、遺跡よりも街だった。バスの窓から見る、喫茶店のテラスにたむろして水パイプをふかす男の人たちや、ロバで荷を運ぶ少年だった。それとバザール。バザールは、観光客向けだとわかっていても楽しかった。

20年後の2009年、雑誌の仕事でナイル川クルーズに参加することになった。アスワンからルクソールを船で2泊3日かけてゆっくりゆっくりと進み、ルクソールからカイロまでは飛行機で飛ぶ。ルートは違えど、見るのは20年前とほぼ変わらない。

2009年に訪れた、ルクソールの西岸にあるハトシェプスト女王葬祭殿。ハトシェプストは3500年前ごろに活躍したエジプト初の女王。(撮影:角田光代)

じつは今も私は遺跡のたぐいはほとんど興味がなく、どの地を旅しても、わざわざ遺跡を見に行くことはまれだ。20代のときにこの嗜好はもう決定されていたのだと、ある感慨を持って思う。私はいまだに、遺跡史跡より、市場やごくふつうの街なかのほうがずっと好きだ。

それでも、20年後に案内してもらう神殿や、ルクソールは断然おもしろい。古代の人々の死生観、宗教観に思いをはせ、壁のレリーフの説明に2000年前と今とを重ね合わせる。そうしたものに興味を持つことができ、さらにあれこれ考えを広げられるのが、加齢のいいところである。

ライオンの体に人間の顔を持つ聖獣、スフィンクス。これは、ギザの大スフィンクスではなく、ミニチュア版。(撮影:角田光代)

ところで、おそらく以前訪れた有名な遺跡巡りや街歩きをしながら、無意識に20年前の記憶とすりあわせようとしている自分に気づいて、私は笑い出したくなった。今から2000年、3000年も昔に造られ、修復されたり発見されたり移動したりということもあったにしても、それでもやっぱりとてつもなく長い時間存在するものを前に、20年など、一瞬すぎないか。そこに変化を探す私って、卑小すぎないか。そんなふうに思ったのである。

しかしながら、どーんと目の前にある、「時間」そのもの、というような光景に比べれば、私の生きる時間もまた、取るにたらない小さなものだ。そう考えるとさらに感慨も深まる。

旅のラスト、カイロに行って私は驚いた。記憶は曖昧ながら、20年前の街に若い女性の姿はたくさんは見られなかった。よく見かけるのは男性連れ、子ども連れの女性で、みな民族衣装を着てスカーフで顔を隠していた。ところがなんと多くの女性たちが街にあふれているのだろう。民族衣装の人もいるが、若い人たちはジーンズ姿も多い。これはたしかに大きな変化に思えた。

つい目がいってしまう山羊と少年がいる風景。こちらは20年前とまったく変わらない。(撮影:角田光代)

仕事の旅だったので、食事はいつも通訳兼ガイドさんのおすすめレストランに行っていたのだが、最後の日、私は彼に「食べたいものがある」とリクエストをした。街のどこでも見かける国民食コシャリを、庶民的な店で食べたかったのである。「えっ、そんなものを食べたいの?」とガイドさんに不思議がられながらも、食堂に連れていってもらった。

テーブルにクロスの掛かったレストランより、屋台の食べものを好むのは、20代のはじめからそうだ。たかだか30年だが、私のその部分は変わらず、この先も変わる気がしない。

文・写真/角田光代(かくた・みつよ)
昭和42年、神奈川県生まれ。作家。平成2年、『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。近著に『私はあなたの記憶の中に』(小学館刊)など。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 日産 スカイライン2000GT-R|そのクルマはいつまでもココロ…
  2. ブリヤート共和国:日本の教科書にも旅行ガイドブックにも載っていな…
  3. トヨタ1600GT|そのミステリアスな存在は、気になって仕方ない…
  4. 地域密着型の企業スポーツで地域経済を活性化したい!(川合俊一の暮…
  5. プロレス体験でストレスを受け流す!「闘う本能」を呼び起こす!!(…
PAGE TOP