新着記事

姫革細工の長財布|華やかさと気品を添える、和モダン柄の美しい財布

コリン・フェルナンド、世話好きの配管工の彼の愛車は、1929年生まれのFORDだ

1929年生まれのFORDが愛車!|ニュージーランドはクラッシックカーを愛す

緑内障の要介護者、半数は自覚症状が出てから診断

中途失明の原因1位「緑内障」|約5割が「見え方の異常」から眼科受診で判明

今のうちに足元を固め、できることを始めよう|資産を運用する【今からはじめるリタイアメントプランニング】

老後の資金を増やす!|リスクを考えながら資産を運用するポイント【今からはじめるリタイアメントプランニング】

富士山ナイフ ―Fuji Knife―|意匠と機能が見事に融合したジャパニーズナイフの逸品

『サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン』(エマーシー) 演奏:サラ・ヴォーン(ヴォーカル)、クリフォード・ブラウン(トランペット)、ハービー・マン(フルート)、ポール・クイニシェット(テナー・サックス)、ジミー・ジョーンズ(ピアノ)、ジョー・ベンジャミン(ベース)ロイ・ヘインズ(ドラムス)、アーニー・ウィルキンス(指揮) 録音:1954年12月18日

「編集」に隠された真実~なぜジャズのアルバムには同じ曲が何曲も入っているのか?〜「別テイク」の正しい聴き方(3)【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道20】

35%の人が旅行先でケガや病気をした経験がある一方で、「病院の場所を事前に確認する」のは13人に1人だけ!現地治療費の最高額は「500万円」!!

現地治療費の最高額は「500万円」!|3人に1人が旅行先でケガや病気をした経験がある

定年後のお金の不安を解消する3つの答え|『「定年後」の‟お金の不安“をなくす 貯金がなくても安心老後をすごす方法』

老後の不安を解消する3つの答え|「定年後」の‟お金の不安“をなくす 貯金がなくても安心老後をすごす方法

村松時計店の銀製時計|新天皇陛下と令和に捧げる、時代を超えた純銀時計

【管理栄養士が教える減塩レシピ】|これひとつで味が決まる!だしの効いた「煎り酒」で減塩に挑戦

【管理栄養士が教える減塩レシピ】これひとつで味が決まる!だしの効いた「煎り酒」の作り方

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号(クリックで試し読み)

サライ7月号付録「筋トレチューブ」トレーニング動画公開中!

通販別冊『大人の逸品』最新号はこちら

ピックアップ記事

  1. ゆったりした船上にラウンジのようなソファが設えてあり、最大8人が乗れる。風を感じながら航走する爽快感を分かち合える。
  2. 美しい海に囲まれたラロトンガ島。ここムリビーチは島を代表するビーチで、遠浅のラグーンに、白い砂浜が広がる。
  3. ファストバックはリアのデザインが特徴的。セダンは伸びやかなデザインでありながら「塊感」があり、走る姿も美しいと想像させるものに仕上がっている。

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

旅行

タイ:会いたい、でも会いたくない(角田光代の旅行コラム 最終回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。木曜日は「旅行」をテーマに、角田光代さんが執筆します。

文・写真/角田光代(作家)

一度訪れた国を再訪する、ということが年齢を重ねてから増えた。それとは異なり、若き日から「同じ場所を旅しない」という自分内ルールを無視して何度も何度も訪れ、いまだにくり返し旅している国がある。タイだ。

はじめてタイを旅したのが1991年、すっかり取り憑かれたようにタイが好きになってしまい、以後、ラオスに行くのにもマレーシアに行くのにもわざわざタイの国境を通過する旅程を組んだ。一時期、パスポートにタイの(しかもあらゆる場所のイミグレーションの)出入国スタンプが多いので、「タイに何かあるんですか」と税関で訊かれたことがある。もちろん荷物も入念に調べられた。何か輸出入しているのかと思われたのだろう。「いいえ、ただ好きなんです」と答えたら、職員は不審な顔をしていたが、好きだから行く、これ以上シンプルな渡航の理由があるだろうか。いちばん最近では2016年にパンガン島とバンコクを旅した。とはいえ前年にも、そのまた前年にも旅している。

27年も旅していると、刻々と街が変わっていくのを物理的に見ることができる。バンコクを走るスカイトレインの工事がはじまったときは、「きっと半永久的に完成の日はこないのではないか」と思ったが、もちろんすぐにスカイトレインは開通し、さらには地下鉄まで走るようになった。あれよあれよという間に物乞いはいなくなり、近代的なビルが建ち並び、街は近未来のような変貌を遂げていく。

1999年末に開通した高架式の鉄道スカイトレイン(BTS)。バンコク中心部の繁華街を走る。(撮影:角田光代)

変わったなあと思いながら街を歩いていると、不思議に、変わらない部分ばかりが目につく。ひしめく露天商や、路地のにおい、寝そべる犬と人なつこい野良猫、それから、困っている人を見過ごせないタイの人たち。道を尋ねた24歳の私を目的地まで送ってくれたのと同じように、48歳の私の訊いた目的地を、いっしょに探して歩いてくれる人がいる。

漢字の看板が連なるバンコクのチャイナタウン。この街の雰囲気は以前と変わらない。

1991年、私は旅の途中でタオ島という小さな島に行った。いまだに私のなかで、パラダイスと同義の島だ。この島での滞在が、現在の私の内で支柱のようなものになっている。この島だけは再訪できずにいる。この27年、数え切れないくらいタイに行っているというのに、その思い出のパラダイスにだけは行くことができない。

旅好きの人から、ごくまれにタオ島の話を聞く。24年前は電気も通っていない、商店も数えるほどしかない島だったのだが、今は電気も水道もあり、豪華リゾートホテルがあり、商店街もあり、コンビニエンスストアや日本料理店まであるという。本当に変わったのだなあと、そういう話を聞くたびに思う。そして、その変化を見るのがこわくなる。

発展しないでほしい、というのではない、私の知っている姿のままでいてほしい、というのが正直な思いだが、これもまた、とんでもなく勝手な旅人の感傷だということもまた、わかっている。

2016年に訪れたパンガン島は、じつはこのタオ島の隣にある。フェリーで1時間もせずに行くことができる。タオ島に行けないかわりに、ここ最近、私はこの島を訪れている。タオ島に行きたい、でも知らない島みたいになっていたら、と思うとこわくて行けない、でも行きたい、ならば、その手前の島に行こう、というわけなのだが、人が聞いたら意味不明の旅だろう。

パンガン島の静かな海。パンガン島はタイの南西部、タイ湾に浮かぶ大きな島。

元ヒッピーだったとおぼしき知人の外国人は、40年前にパンガン島を訪れたことがあるという。彼によれば、その当時パンガン島には4軒のゲストハウスしかなかったらしい。パンガン島はいまだにひなびた島だが、しかし今では無数の、超高級から格安まで取りそろえての宿泊施設があるし、道は舗装されていて、レストランが並ぶ一角があり、コンビニエンスストアだって数軒ある。もし私が40年前を知っていたら、今のパンガン島に複雑な思いを抱いただろうか。でもきっと、どんなに街の様相が変われど、この島独特のゆったりした時間の流れ方は、きっと変わっていないだろうと思う。

「ずいぶん変わったけれど、本質的なところは変わっていない」ということを、ほんの少し先のタオ島まで行けば、私は確信できるのだと思う。でも、行けない。はたしてこの先、行けるときがくるのか、私自身にもよくわからない。しかしこの気持ち、30年後の初恋の人に会いたいけれど会いたくない、という気持ちとまったく同じだと思う。

文・写真/角田光代(かくた・みつよ)
昭和42年、神奈川県生まれ。作家。平成2年、『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。近著に『私はあなたの記憶の中に』(小学館刊)など。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 日産 スカイライン2000GT-R|そのクルマはいつまでもココロ…
  2. ブリヤート共和国:日本の教科書にも旅行ガイドブックにも載っていな…
  3. トヨタ1600GT|そのミステリアスな存在は、気になって仕方ない…
  4. 地域密着型の企業スポーツで地域経済を活性化したい!(川合俊一の暮…
  5. プロレス体験でストレスを受け流す!「闘う本能」を呼び起こす!!(…
PAGE TOP