今年後半、多くの注目を集めた県のひとつが群馬県です。製糸技術の革新に成功し、絹産業の発展とともに日本の近代化を進めたことから世界遺産登録が決まった「富岡製糸場と絹産業遺産群」。そして「ゆるキャラグランプリ」で見事優勝を果たした群馬県のマスコット「ぐんまちゃん」!
そんな群馬県は温泉大国でもあります。群馬を代表する温泉地といえば、草津温泉。自然湧出量は日本一、毎分3万リットル以上の湯が湧き出ています。
温泉街の中心には「湯畑」、周りには瓦を敷き詰めた歩道や足湯、温泉饅頭の店などがあり、温泉情緒が漂います。
泉質はpH値2前後という強酸性の湯。殺菌作用が高いことから皮膚病などに効用が高く、昔から万病に効くと、湯治場として栄えました。そんな草津では高温で酸性の強い温泉に入るための独特の入浴法・時間湯という、時間を区切って入る方法が編み出されました。
湯畑前にある「熱(あつ)の湯」では、水を使わずに湯の温度を下げる伝統の湯もみショーを見学することができます。天下の名湯といわれる温泉、一度は訪ねてほしいところです。
来年3月末までは湯畑イルミネーションが開催中。幻想的な光の演出も楽しめます(写真提供:ビジュアルぐんま)。
群馬の観光情報
http://gtia.jp/
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。