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伊香保温泉|365段の石段が続く情緒が漂う温泉街【魅惑の温泉案内 第78回】

群馬県渋川市に位置する伊香保温泉は、草津温泉とともに県を代表する温泉で、万葉集にもその名が記される歴史ある温泉です。昨今、昔ながらの温泉情緒が薄れるところが多いなか、約400年前に造られた石段が温泉街を貫き、何ともいえぬ風情を醸し出しています。

石段の途中には湯元から流れる源泉を分岐させる小満口(こまぐち)という窓があり、流れゆく温泉を見ることができます。石段街には名物の温泉饅頭の店や射的場、土産物店などが並び、下駄に浴衣姿の温泉客の目を愉しませます。途中には足湯や共同浴場がありますので、ちょっと休憩もいいですね。365段の石段を上れば伊香保神社が待ち受けます。温泉の恵みに感謝し、健康を祈願しましょう。

伊香保温泉には2つの異なる泉質の湯が湧きます。古くから湧く「黄金(こがね)の湯」は、硫酸塩泉で茶褐色。血行を促し、神経痛などに効能があり、また子宝の湯としても知られています。もうひとつは近年掘削された「白銀の湯」で、こちらは無色透明の単純温泉。メタケイ酸が豊富でなめらかな温泉です。与謝野晶子や徳富蘆花が愛した上州の名湯、独特の情緒をゆっくり楽しんでみたいものです。

01_伊香保温泉

写真提供:PIXTA

取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。

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