九州と同じほどの面積で、東シナ海の南に位置する台湾は、大きな魅力を秘めた旅先だ。特に開府400年に沸く台南に注目。多様な文化を探訪する旅に出かけたい。

台南には媽祖(まそ)という道教の女神を祀る「天后宮」と呼ばれる廟がある。媽祖はもともと中国沿岸部を中心に、船乗りや漁師の守護神として信仰を集め、のちに万能の神として民間信仰の対象となった。台南に移住してきた中国・福建省の開拓民とともに、その信仰が全土に広がり、台湾でもっとも親しまれる神とされている。歴代の皇帝からも信奉され、清朝時代の1684年に「天后」と封じられた。天后のほか天妃 、天上聖母とも呼ばれる。

媽祖廟では熱心に祈願する老若男女が後を絶たない。旧暦3月23日の媽祖の生誕日(2024年は5月1日)には、爆竹を鳴らし、媽祖を乗せた神轎(神輿)を担ぎ、盛大な媽祖祭りが行なわれる。

安平開台天后宮

安平にある1668年に創建された台南で最古の媽祖廟で、安平地区では最大の廟。さながら竜宮城のような豪華な造りの外観がひときわ目を引き、屋根の両端には一対の龍が置かれ廟を護っている。
正殿には媽祖のほか、様々な王や将軍なども祀られている。4年に一度、平安を祈る媽祖の巡礼が行なわれる。次回は2026年。

住所:安平区国勝路33号
電話:06・2238695
開館時間:5時~22時
定休日:無休
料金:無料

正統鹿耳門聖母廟

社殿は北京の紫禁城を彷彿させる宮殿建築。近くにある「鹿耳門天后宮」とともに鄭成功が建てた媽祖廟とする伝承がある。媽祖を護る巨大な像、千里眼と順風耳が立つ広場では、毎週木曜に夜市が開催される。

住所:安南区城安路160号
電話:06・2577547
開館時間:5時~21時
定休日:無休
料金:無料

大天后宮

国家一級古跡に指定され、台湾の媽祖廟のなかでも最高位とされる。創建は1684年。黄金に輝く媽祖の像や、縁結びの神・月下老人も祀られ、若い男女に人気である。
現在の建物は1830年に再建。媽祖の生誕を祝う祭りの時に用いられる神輿が展示される。願い事をしながら神輿を潜ると願いが叶うと伝わる。

住所:中西区永福路二段227巷18号
電話:06・2211178
開館時間:6時~21時
定休日:無休
料金:無料

※この記事は『サライ』本誌2024年1月号別冊付録より転載しました。

【完全保存版 別冊付録】台湾の古都「台南」を旅する

72ページ総力取材。完全保存版別冊付録。
『サライ』2024年1月号【別冊付録】は『台湾の古都「台南」を旅する』。

 

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