創立150年を迎える東京国立博物館は、日本で最も長い歴史を誇る博物館。数多くの美術品を収蔵する東京国立博物館の中でも、質量ともに最も充実しているのが絵画。そこで、世界に誇る国宝名画を紹介します。
久隅守景『納涼図屛風』
郷愁を誘う田園風俗画に才能を発揮した狩野派の異端児
美術史家の山下裕二さんが「田園詩人になった元エリート」と呼ぶ異端の画家が久隅守景(くすみもりかげ)である。江戸時代の狩野派(かのうは)を代表する探幽(たんゆう)に師事し、その姪を妻としたほどだが訳あって江戸を離れ加賀地方に隠棲(いんせい)。彼の地で描き出したのが守景の代表作である本図。質素な農家の家族3人が、満月のもと夕顔棚(ゆうがおだな)の下で夕涼みをしながら寛ぐ何気ない夕景を描写している。
何よりの見所は親子3人の体を象(かたど)る繊細に描き分けられた墨の線だ。薄手の襦袢(じゅばん)をはおる父親の腕は抑揚のある力強い線なのに対し、母親の体は均質にして繊細な実にエレガントな線で描写。その対比も素晴らしい。かように幸せな家族の姿を見事に描き出した守景だが、隠棲の訳が実は家庭崩壊によるものと知れば、さらにしみじみとした感慨が増すことだろう。
「サライ美術館」×「東京国立博物館」限定通信販売
風雅な高級紙製ランチョンマットを10枚セットでご用意した。商品は、今回の特別展で公開される「国宝」の中から『サライ』が厳選した作品を用いた全3種類。どの商品も東京国立博物館から提供された公式画像データを、原画の
魅力を損なわないようランチョンマットに適した形にリデザイン。それを大日本印刷の技術を用いて再現性を高め、受注を受けるごとに、丁寧に印刷している。
用紙は、上品でしなやかな風合いの「タント紙」。上質さを求められる写真集や名鑑などに用いられている紙で、高級感あふれる仕上がりになっている。
まさにハレの日や特別な日の宴には恰好の品。食卓や折敷(おしき)に敷くだけで料理に華やぎを添えられる。