はかなくも余韻あふれる風味豊かなモンブランクリームは和栗の真骨頂。
その質に魅せられ、個性を際立たせる各地のモンブラン喫茶をご案内。
自然栽培で育った日本栗のできたてを絞る
和栗や 谷中本店(東京・千駄木)
日本一の栗の名産地・茨城県笠間市の岩間にある自社農園と、その周辺で採れる日本栗のみを使ったモンブランを味わえる、栗の専門店。従来、秋限定で登場することが多い日本栗のメニューを一年中、さらには“つくりたて”のデザートスタイルで提供する先駆け的存在でもある。
標高約90mm 直径約80mm
新栗の季節だけの限定商品が、自社農園の栽培品種「人丸(ひとまる)」の新栗による特別なモンブランだ。「人丸」は他品種に比べ、香り豊かで濃厚な味わいがあり、口に入れた瞬間、モンブランクリームがほろりとほどけ、栗独特の豊潤な香りが鼻に抜ける。そして、上品な甘さがじわじわと口の中に広がり、舌の上を転がる独特の粒々感も心地よく、その余韻がいつまでも続くようだ。生クリームの間に忍ばせたメレンゲのサクサクさがアクセントとなり、これもできたてで、絞りたてだからこそ。
笠間の名産と合わせて
栗のみならず、ほとんどの素材を笠間周辺の農家や生産地から調達。茨城産の茎ほうじ茶、笠間の酒蔵、磯蔵酒造の純米酒とのセットメニューもある。日本酒とともに味わうモンブランもまた格別。
和栗や 谷中本店
東京都台東区谷中3-9-14
営業時間:11時〜18時(最終注文は17時)
定休日:月曜
交通:東京メトロ千代田線千駄木駅より徒歩約5分 14席。
http://www.waguriya.com
取材・文/永田さち子 撮影/泉 健太
※この記事は『サライ』2022年10月号より転載しました。