岩手県久慈市は、世界でも有数の琥珀の産地だ。琥珀とは数千万年から数億年前に、地上に繁茂していた樹木の樹脂が化石化したもので、樹木を由来とする唯一の宝石である。
「琥珀は約250色はあると言われるほど色彩が豊かで、宝石の中では軽量。肌触りに冷たい印象はなく、ぬくもりを感じるからと世界中に愛好家が多い石です」と語るのは、国内の商業用琥珀の取扱量日本一を誇る「久慈琥珀」の浜渡氏。生成の過程で古代の昆虫や植物などが自然に入り込んだものもあり、学術的にも重要な資料となるとか。
商業用として流通する琥珀には世界3大産地と呼ばれる地域があり、久慈とともにドミニカ共和国やバルト海が挙げられる。海外の2つの産地の琥珀は約2500万年~4500万年前の樹脂の化石であるのに対して、久慈産は約8500万年前のものだという。
恐竜が大地を闊歩していたかもしれぬ時代の琥珀を、御念珠に仕立てたのが本品だ。樹脂の化石である琥珀は、殺生をしないという理由からも古くから仏具として用いられてきた歴史があり、触れたときに感じるやわらかなぬくもりは、まことに心安らぐ品である。
【今日の逸品】
久慈の琥珀の御念珠
久慈琥珀
54,000円~(消費税8%込み)