写真はイメージです

厚生労働省が行う日本の基幹統計調査が「国民生活基礎調査」だ。最新版(2022年)の結果を見ると、同居家族の介護をしているのが、「配偶者」(22.9%)が最も多く、次に「子」(16.2%)だった。

義夫さん(68歳)は定年退職後、「この3年間、認知症防止のために、スキマ仕事を3つかけもちしている」という。目的は2歳年下の妻に介護をさせないため。また、この8年間、妻とは別居しているが関係は良好とのこと。

「社長にかわいがられており、傲慢だった」

義夫さんは、60歳で定年退職するまで、医療系の精密機器会社に勤務していた。

「営業で全国各地の学会に行き、医師や医院経営者に機器を売り込んでいました。ほとんど家におらず、妻に家事も育児も丸投げでした」

営業の成績はトップを維持していたので、部長職で役職定年もなかったという。

「社内の独自のポジションを作ってしまっていたんです。営業のエースが会社を引っ張っていくという時代の流れもあり、若い頃はずいぶん傲慢でした。また、私は大学でアメフトをやっていたので、体が大きい。押しも強かったと思います。お医者さんや大学教授はスポーツに対して憧れを持っている人が多く、ずいぶんひいきをしてもらいました」

社内でも別格扱いされて、1万人以上の従業員がいるが、社長との距離も近かった。

「私のアメフト部の先輩が社長と同郷かつ高校の寮で同室だったので、とても仲が良かったのです。先輩が私に“私人としての社長”を紹介してくれたんです」

勤務していた会社は、創業家が後を継ぐのではなく、社内からの生え抜きか銀行出身者が代表になることが多かった。

「だから、規模が大きい会社の社長とはいえ、“やんごとない人”という感じはなかったんです。社長と最初に会ったのは、ガンコオヤジがやっている、新宿の場末のおでん屋でした」

当時、義夫さんは30代前半だったという。会社の若手社員が、勤務する会社の代表と、安い飲み屋に同席するのは画期的でもある。

「とはいえ、私が気を付けたのは、意気投合もしなければ、踏み込んだ話もしないこと。社長は視座も高く視野も広い、別格の人です。近づこうとも、取り入ろうとも思っていませんでした。それは、私の父が社員200人規模の中小企業を経営しており、父が重用する人がどういう人かを感覚的に知っていたからでしょう」

権力がある人が警戒を解くのは、相手を崇めず、自分の身の丈を知っており、寡黙で聡明な人だという。

「あとは根性がある人。努力を怠らず、好奇心があり、自制を知っており、飾らない。私はその条件を満たしていると思います。経営者というのは超人的な能力を持っている。相手を見るだけで、その人の弱いところを見抜く。そういう力がないと上にいけないんです」

加えて、「経営者は宇宙と交信できる人だ」という。

「理屈じゃなく、本能的に行動できる。経営者が“やれ”と言ったことは絶対なんですよ。時代の先を読み、行動するからイノベーションを起こし、利益を得る。スマホだって、アップルのスティーブ・ジョブスが“ボタンをなくせ”と言い続けなければ、生まれませんでしたから」

【現役時代、家で夕飯を食べた記憶がない……次のページに続きます】

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