取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

日本では婚姻届を役所に提出し、受理されると夫婦と認められる。夫婦となり、パートナーのことを家族だと受け入れられるものの、パートナーの両親やきょうだい、連れ子などを含め、「みんなと家族になった」とすんなり受け入れられる人もいれば、違和感を持つ人もいるという。また、ずっと家族として生活していたものの、分かり合えない関係のまま離れてしまった人もいる。家族について戸惑った経験がある人たちに、家族だと改めて感じられたきっかけを聞いた。

株式会社ReReでは、シングルマザーの恋愛に関する現状・ニーズを把握するためのアンケート調査(実施日:2025年1月11日〜2025年9月7日、有効回答数:母子家庭になってから異性との交際経験があるシングルマザー計100人(20代16人・30代50人・40代30人・50代4人)、WEBアンケート)を実施。この調査によると、シングルマザーの出会いの場選びで最も重視するのは「子どもがいることを受け入れてくれる男性と出会えること(60人)」が最多となった。次に、子どもに彼氏を会わせた時期を聞いたところ、1位は「会わせたことはない(35人)」と回答しており、2位「1ヶ月以内(17人)」、3位「6ヶ月以内(14人)」とは大きく差が開いていた。

今回お話を伺った愛子さん(仮名・44歳)は、小学生のときに母親が再婚。再婚を告げられる前から義父となる男性とは交流があり、関係は良好だった。しかし、3人で新たに暮らし始めることよりも、今まで一緒だった祖父母と離れることが嫌だった。「おじいちゃんおばあちゃんと一緒に5人で暮らせないの?」と愛子さんが母親と義父に伝えたことで、愛子さんはそのまま祖父母の家で暮らし、義父と母親が別の家で暮らすことになった。【~その1~はこちら

自分の思いと周囲からの同情にギャップがあった

自転車で5分ほどの距離のところに母親と義父は新居を構え、母親は朝に愛子さんが暮らす祖父母の家に来て一緒に朝食を取り、仕事へ。そして、仕事が終わると再び祖父母の家で過ごし、食事後にしばらくしてから義父の家に帰るような生活をするようになった。その間も義父とも定期的に交流があったという。

「義父も一緒に祖父母の家で晩御飯を食べることもありましたし、週末には私が母親と義父の家で泊まることもありました。2人が結婚する前から続いていた3人で遊びに出かけることもありました。

本当にただ一緒に暮らしていなかっただけで、関係は良好なままでした。私も全然寂しくなかったし、祖父母と義父も仲は良さそうに見えました」

愛子さんが中学生になっても同じような生活が続いた。夜は一緒に過ごす頻度は減っていたが、それでも母親も義父も愛子さんと一緒に過ごす時間を必ず取ってくれていた。愛子さんは幸せだったが、同居していない家族を見て、周囲は同情の目を向けてきたそう。

「傍から見たら、子どもよりも新しい男性を選んだ母親、そして一緒に暮らさない薄情な義父、そんな余った子どもの面倒を老いてもなお見続けている祖父母、といった状態に見えたんでしょうね。『かわいそう』とか、『大丈夫?』と同情や心配をされる度に、自分はかわいそうな状況なんだって自覚させられる感じがしました」

愛子さんがいくら「仲良くしている」と伝えても、その姿がより同情を買ってしまい、次第に口をつむぐようになったという。

【同居してわかった義父の新たな一面次ページに続きます】

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