一昔前であれば、「海外での結婚式と言えば、芸能人など特別な人がするもの」というイメージが強かった時代もありました。しかし、近年では「リゾ婚」とも呼ばれ、時と共に、海外挙式はより身近な存在となっている印象です。
とはいえ、いざ我が子が「海外で結婚式を挙げる」となると、海外に不慣れであれば身構えてしまうかもしれません。しかし、ほとんどの場合、国内で打ち合わせが完了し、国内挙式よりゲストが少ないので、親としては気を遣わなくてすむこともあります。
海外での結婚式は、通常の国内挙式よりも、両家で過ごす時間が長いものです。海外での開放感と結婚式の特別な雰囲気が相まって、感動的なひとときを過ごすことができるでしょう。
本記事では、最近の海外挙式事情やそれにまつわるご祝儀問題についてご紹介します。
目次
海外での結婚式とは
海外挙式の費用
海外挙式の服装
海外挙式のご祝儀問題
最後に
海外での結婚式とは
海外での結婚式は、家族やごく親しい人を招いて、ゆったりした時間が過ごせる特別なものです。
海外挙式をされる方は、純粋に海外での結婚式を楽しみたいのも理由の一つですが、「両家同士の絆を深めたい」ことに重きを置かれる人が多い印象です。そのような人には、両家で共に過ごす時間が長い、海外挙式はピッタリのイベントと言えるでしょう。
海外挙式は、大きく分けると以下の3つのエリアが人気とされています。
1:ハワイ、グアム、バリなどのビーチリゾートエリア
2:のんびりと自然を感じるオセアニア
3:歴史を感じる教会や古城が人気のヨーロッパ
海外での結婚式は、国内と異なり、気軽にフェアや下見に行くことができません。だからこそ、信頼できるプロデュース会社にお願いすることが大切になります。
日本における海外挙式のはじまり
日本における海外挙式の始まりは、1973年にハワイのホノルルで、日本のブライダル衣装店が第一号店を設立したのが始まりだと言われてます。
日本政府が海外渡航の自由化を認めたのが1964年と言われており、それが一般人の海外旅行の幕開けでした。そこからわずか約10年の間に、リゾートウエディングを定着させる動きがあったことは、海外旅行ブームの先駆けと言えるでしょう。
招待客はどうする
海外での結婚式の場合、基本的には家族や親族、ごく親しい友人を招いての「少人数婚」になります。エリアによっては、両親と新郎新婦のみ、というケースも珍しくありません。
海外挙式は日数や費用面でも、ゲスト側の負担が大きくなるものです。ゲストを招待する場合、新郎新婦はもちろん親からも手厚くお礼を伝えましょう。
海外挙式は、本当に大切な人たちのみを招いての空間が叶います。国内挙式であれば、微妙な距離感の知人や職場の人など、義務感から招待しなければならないこともあるでしょう。海外挙式だと、断り方に気を揉むことなく、結婚式準備に集中できるのもメリットの一つです。
海外挙式の費用
海外挙式の費用は、以下の点を総合して考える必要があります。
・渡航費
・挙式にまつわる費用
・ゲストの旅費を負担
・ゲストからご祝儀
特に、「ゲストの渡航費や宿泊費を負担するのか否か」「ゲストからご祝儀をいただくか否か」によって、大きく金額は異なるでしょう。ゲストからのご祝儀については、後述とさせていただき、ここでは海外挙式の費用についてご紹介します。
国内よりもリーズナブル?
会場により差はありますが、一般的な国内の結婚式場であれば、式にかかる総額は「300万円前後」と言われています。
海外での結婚式は、内容やエリアにもよるので一概には言えませんが、多くは「200万円前後」で収まるケースがほとんどです。一見、海外挙式は国内挙式より低価格に見えます。しかし、国内挙式のように、大勢のゲストを招待することが難しいため「ゲストからのご祝儀を結婚式費用に充てる」ことはできません。
このことから「海外挙式は全体の費用は低めでも、新郎新婦の自己負担額は、国内挙式より増える傾向にある」と言えます。
場所により差はある
海外挙式は、エリアにより金額が異なります。例えば、人気のハワイは物価も高く、相場は「200万~250万円」程と言われています。同じリゾート地でも、グアムやバリであれば、ハワイに比べると滞在日数も少なく、物価も低いことから、やや費用は抑えられる傾向にあります。
アメリカ本土やヨーロッパの場合、旅行代金は高くつきますが、両親と新郎新婦のみ、もしくは新郎新婦のみのケースが多いようです。このことからゲスト関連の費用は抑えられるので、全体的な費用は意外と「150万~200万円」程に収まるケースが一般的と言われています。
海外挙式の服装
日本での結婚式の親の正装と言えば、「父親はモーニング・母親は黒留袖」のイメージが強いものです。しかし、海外での結婚式となれば、話は別になります。海外挙式に参加する両親やゲストは、非日常の空間を楽しむ意味を込めて、
・ハワイならアロハシャツやムームー
・バリ島であればバリニーズ衣装
のように、現地の正装を選ぶ方が多い印象です。現地の正装を取り入れる場合、ゲスト側で足並みを揃えると統一感が出るでしょう。
とはいえ、ゲストにそれぞれ衣装の手配をお願いするのは、負担をかけることになります。厳密な決まりはありませんが、暗黙の了解で、新郎新婦が事前にゲストの衣装を手配することが多いです。ゲストに渡航費を全額自己負担でお願いしている場合、なおさら主催者側が衣装を手配しておき、記念にプレゼントすると喜ばれるでしょう。
海外挙式のご祝儀問題
海外挙式において、ご祝儀は「新郎新婦がゲストの渡航費を負担するか否か」によって、以下のように決められます。
1:ゲストの旅費負担なし…ご祝儀は辞退
2:ゲストの旅費負担あり(一部でも)…ご祝儀は受け取る
一般的な国内挙式では、遠方からのゲストには交通費にあたる「お車代」を渡すのが一般的です。しかし、海外挙式の場合は全員が遠方からの参加で、渡航費も高額になります。ゲストの旅費を全額・一部負担するかどうかは悩ましい問題です。
いずれにせよ、招待時にゲストには「渡航費・ご祝儀」を説明しておくことが大切です。そうすることで、後々のトラブルを防ぐことができます。
海外挙式は素晴らしい思い出となりますが、ゲストにとっては気になる点も多く、負担がかかります。仮にゲストが身内である親族だったとしても、わざわざ来てくれる方々には、負担が少なくすむよう配慮したいものです。
ご祝儀をいただいたら
一般的に、ゲストに旅費を全額負担していただく場合、ご祝儀は辞退します。事前にそのように伝えていても、親しい親族であれば、中にはご祝儀を包んでくれることもあるかもしれません。
その場合はありがたく頂戴し、後日いただいた金額の「3分の1もしくは半額」程度の内祝いを贈ります。ご祝儀に関しては、親族間でルールがあるケースが多い印象です。新郎新婦に任せきりにせず、親が率先して対応するよう心がけましょう。
最後に
非日常な空間でアットホームな結婚式が叶う海外挙式は、一人ひとりと濃厚な時間を過ごすことができます。特に、子どもがすでに家を出ている場合、ゆっくり親子で向き合える貴重な時間となるでしょう。
海外での結婚式は挙式だけでなく、その前後も旅行を楽しめます。家族で思い出を作りたい人にはおすすめです。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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