以前であれば、結婚は「家同士の結びつき」というような考え方が主流でした。しかし、最近では「個人と個人のもの」という認識が主流になりつつあります。とはいえ、子どもたちの問題だけではない部分が存在するのも事実です。特に「結婚式場選び」は、両家の意見を取り入れて、進めていく必要があります。
式場選びの段階で、親子や相手の親といざこざが起こると、後々の関係性に悪影響を及ぼすことになるでしょう。式場選びの基本は子どもたちに任せますが、後悔しないためにも、親として「式場選びのポイント」をある程度把握することが大切です。
本記事では、結婚式場の選び方や、親子で話しておきたいポイントをご紹介します。
目次
結婚式場の選び方
式場選びで後悔しないために
式場を反対されたケース
親子でブライダルフェアに参加する
最後に
結婚式場の選び方
結婚式を挙げることが決まれば、初めの一歩として「会場探し」が始まります。親世代の結婚式場に対するイメージは、「ホテルや神社が一般的」と認識されている方も多いでしょう。しかし、近年は、さまざまな結婚式のスタイルが存在するため、会場の選択肢も増えています。
新郎新婦が結婚式場選びの主導権を握るとはいえ、親が全く関わらないのは少々疑問が残ります。親としては、子どもたちに任せつつも、ゲストに不便がない会場選びをするよう、助言をすることが大切です。
式場を決める流れ
1:式のイメージを決める
式場選びに取り掛かる際、まずは「どのような結婚式を挙げたいのか」を新郎新婦で決めていきましょう。
例えば、
・ホテルで盛大な結婚式
・神社での和婚
・少人数のアットホームな式
のように、理想の結婚式のイメージを固めていきます。親の希望がある場合、この段階で親子で話し合いができていると、後からのトラブルを回避できるでしょう。
2:おおよそのゲストの人数を決める
次に、おおよそのゲストの人数を決めていきます。その理由は、初期段階で大体のゲストの人数を決めておかないと、どれほど理想の会場でも、収容不可能なケースもあるからです。
親としては「親戚をどこまで呼ぶか」など、大体の目安の人数をイメージしておきましょう。
3:譲れない条件を決める
大体の希望の形式や規模が決まれば、次は「譲れないポイント」を決めていきます。「自然豊かな庭で挙式したい」や「絶対、このブランドのドレスが着たい」というような、新郎新婦目線の希望も大切です。しかし、それだけではなく、ゲスト目線で会場を選ぶことを忘れてはいけません。
具体的には、
・遠方からのゲストが多い場合、アクセスの良い会場が望ましい
・高齢のゲストが出席予定であれば、バリアフリー完備の施設であること
など、総合的に判断して会場探しを進めていきます。大体の希望ポイントが決まったら、あとはあてはまる会場を探していきましょう。
式場は、いつ頃決めるか?
結婚式場探しを始めるタイミングは、個人の状況により異なりますが、一般的には「6か月~1年」前が目安といわれています。しかし、人気の会場であれば、1年以上前からおさえられていることも珍しくありません。
一般的に、人気が高い時期は、
・春や秋の気候の良いシーズン
・日曜日より土曜日(一般的な人にとって、次の日が休みのため)
というように、季節や曜日によって異なります。希望を叶えるためには、早めに会場を押さえておきましょう。
急遽、結婚式を挙げることが決まるケースもあるかもしれません。その場合、式場に空きさえあれば、最低1か月前でも結婚式を挙げることは可能です。
式場選びで後悔しないために
結婚式場選びは、必ずしも、楽しいことばかりではないかもしれません。残念ながら、両家間・親子間で揉めてしまうケースも存在します。そうならないためにも、事前に両家の意向を確認し、共有しておくことが重要です。
親としては、式場を客観視することが大切です。人生経験が豊富な親ならではの視点で、主に以下の4つのポイントを確認しましょう。
立地条件
自分たちはもちろん、ゲストにとっても不便な立地ではないかが重要です。アクセスが悪いと、年配・遠方からのゲストから不満が出るかもしれません。
しかし、中には「アクセスの悪さをカバーするサービス」を提供している会場も存在します。新郎新婦が、立地条件の悪い会場を強く希望している場合、「駐車場の有無」や「駅から送迎サービスがあるか」など確認しておきましょう。
スタッフの雰囲気
ウエディングプランナーは、当日まで密に付き合っていくパートナーです。新郎新婦はもちろん、親も何かと顔を合わせたり、連絡を取り合う機会があるかもしれません。
案内時に、成約に必死すぎる姿勢だったり、合わないと感じたなら、今後も違和感を覚えるでしょう。ウエディングプランナーだけでなく、他のスタッフの接客態度も確認しておくと、その会場全体の雰囲気を把握できます。
予算
「子どものために」と、結婚資金を用意していた親御さんは多いでしょう。結婚式の予算は、親として関わっておきたい重要なポイントです。
結婚式にかかる費用は、「後から高額になる」というイメージが強い方もいらっしゃるのではないでしょうか? 見積りを出してもらうなら、一見費用を安く見せるための「基本プランだけの価格」ではなく、後から追加になりそうな項目込みで依頼しましょう。
よくある、後から追加になりそうなものの例として
・料理
・新郎新婦の衣装代
・親族の美容・衣装代
・引き出物
・持ち込み料
が挙げられます。初期段階で見積りに入っていれば、だんだん高額になってくるストレスを感じることもありません。見積もりをもらう場合、それぞれの項目を具体的に確認することが大切です。
料理・飲み物の質
会場によって、披露宴で提供される料理は、フレンチやイタリアン、創作系などさまざまな種類が存在します。
多くの会場では、3つほどコースのレベルがあり、中身は値段と比例します。可能であれば、実際に試食して吟味するのも良いでしょう。ゲストの顔ぶれを思い浮かべながら、満足できるものかを見定めます。
親が式場を反対したケース
以前と比べると、結婚式に対して、柔軟な考え方を持つ親が増えている印象です。とはいえ、式場選びには、ある程度親の意見を反映させることが、うまくいく秘訣かもしれません。
親として、子どもたちが気に入った式場を否定することは、避けたいものです。しかし、事前の話し合いができておらず、子どもたちが契約した式場がキャンセルとなった事例もあります。このような事態を避けるためにも、日頃の親子の会話が大切です。
ここでは実際に、親が式場に反対したケースを2つご紹介します。
1:親子で好みが分かれた
「新郎新婦としては、カジュアルな野外での結婚式を希望していたが、親は格式の高いホテルでの結婚式を希望していた」など、結婚式の多様化の時代ゆえの、意見の相違もあります。
しきたりにこだわる方にとって、「カジュアルなパーティーは論外」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、子どもたちのやりたいことを真っ向から否定するのは、あまり好ましくありません。
親子で意見が分かれた場合、パーティーを二部制にしたり、日を分けて後日行なったりと、何らかの手段があります。お互いが相手の意見を打ち負かすのではなく、歩み寄って意見をすり合わせることが大切です。
2:新郎側の親は「式は新郎の地元で挙げるもの」と考えていた
新郎新婦それぞれの地元が遠く、その中間で結婚式を挙げることはよくあることです。しかし、しきたりを重んじる方の中には、「結婚式は嫁ぎ先で行なうべき」と考える方もらっしゃいます。
中には、式場を決めた後で「親関係の招待客も多いので、新郎の地元で挙式してほしい」と親の強い要望を受け、泣く泣く式場をキャンセルされた方もいらっしゃいました。
親として強い要望がある場合、式場を絞る段階で、希望を伝えておきましょう。必ずしも、親の意見は反映されないかもしれません。しかし、後から意見するのは、子どもに不信感を与えてしまいかねないので、注意が必要です。
親子でブライダルフェアに参加する
会場の候補がいくつか決まり、そこでブライダルフェアがあれば、親子で参加するのもおすすめです。
「ブライダルフェアに親も参加するなんて大袈裟では?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、親子でフェアに参加することは、決して珍しいことではありません。その場で気になることをすぐに解決できる、良い機会です。ネット上では分からない、実際の雰囲気を確認することもできます。機会があれば、是非親子で参加してみてはいかがでしょうか?
最後に
結婚式の主役は新郎新婦とはいえ、「両家が一つの家族となる儀式」と捉える方もいらっしゃるでしょう。結婚式は両家で行なうものだからこそ、会場選びの段階で、両家を交えて話し合いができると理想的です。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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