近年、家族のみで行なう結婚式を希望する方が増えています。家族婚を選択される方は「結婚式は、豪華であればあるほど良い」というわけではなく、「シンプルなものでも、身近な家族と思い出を分かち合うこと」に重きを置かれている印象です。

家族婚を行なうことが決定した親御さんの中には、「親戚を招待しないなんて……」と今までの結婚式との違いを、不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、家族婚はメリットの多い結婚式スタイルです。アットホームな結婚式で、きっと親子共々、思い出深い結婚式となるでしょう。

本記事では、近年増加傾向にある「家族のみの結婚式」事情をご紹介します。

目次
家族のみの結婚式とは?
家族のみの結婚式の費用
家族のみの結婚式は盛り上がらない?
家族婚を避けた方が良いケース
最後に

家族のみの結婚式とは?

「家族のみの結婚式」に明確な定義は存在しませんが、一般的には両家の親、兄弟姉妹を招いて行なわれる結婚式を指します。

家族婚が選ばれる理由はさまざまですが、

・新郎新婦が目立つことが嫌いだから
・海外や国内で旅行を兼ねて挙式したいから
・家族と水入らずでゆっくり楽しみたいから
・費用を抑えたいから

などの理由で選ばれることがほとんどです。

「他のゲストがいないのは、寂しいのでは?」と思われることもあるでしょう。しかし、結婚式の規模が小さくなる分、家族同士の密な時間を過ごせることが、家族婚の魅力です。

家族婚が増えている理由

かつては、結婚式において「会場が格式高いホテルだから、すごい」や「たくさんのゲストを招待して、交友関係の広さをアピール」というような、世間体を気にする風潮がありました。しかし、最近の結婚式は、「見栄を張るものではなく、ゲストに感謝を伝えるもの」と認識している方が増加傾向にあります。

それ故、新郎新婦の家族は、基本的には結婚式当日「主催者側の人間」となります。ゲストへの挨拶回りや、ゲストを優先し、新郎新婦と接することは演出以外ではあまりないのが現実です。

これを踏まえて、家族と充分に交流できる「家族婚」の選択肢が増えてきたことが伺えます。大切な家族と自然体で過ごせる家族婚が増えてきたのは、「人目を気にするより、自分らしさを重視する」というような社会の変化が、結婚式にも反映されている印象です。

家族のみの結婚式を希望していても、家族が円満でなければ楽しい会にはなりません。家族婚で皆がリラックスして楽しめることは、それだけで幸せなことといえるでしょう。

家族のみの結婚式の費用

家族婚を選択される方の中には「低予算で結婚式が挙げられるから、家族婚を選んだ」という方もいらっしゃいます。

確かに、一般的な結婚式と比較すると、全体の費用は抑えられる傾向にあります。しかし、その分ゲストからいただくご祝儀が少ないので、自己負担の割合が少ないわけではありません。

相場より高いか安いかは内容による

家族婚は、「結婚式で何を重要視するのか」によって、費用は大幅に変動するものです。

例えば、新婚旅行を兼ねて海外で豪華な結婚式を挙げれば、予算は大体「150万から250万円前後」かかります。その場合、大規模な結婚式を挙げるのと、自己負担的には同じくらいになることもあるでしょう。結婚式を挙げる国にもよりますが、人気のハワイやヨーロッパあたりだと、さらに高額になることもあります。

しかし、国内の近場の式場で行なう場合、「式と食事会のみ」であれば、30万円前後からできる会場もあります。費用が浮いた分、衣装にこだわったり、料理をグレードアップするなど、内容を充実させることができるのは嬉しいポイントです。

家族のみの結婚式は盛り上がらない?

ネットで「家族のみの結婚式」と検索すると、中には「家族挙式 気まずい」や「家族婚 後悔」などの声がチラホラ聞こえてきます。せっかくの結婚式で、そのような感情を抱くのは親子共に避けたいものです。しかし、「家族内に誰一人、おしゃべりな人がいない」や逆に「しゃべりすぎてしまう人が多い」など、家族の性格によっては工夫が必要な場面もあります。

ここでは、家族婚を「ただの食事会」にしないためのポイントをご紹介します。

メリハリのある進行を

家族婚とはいえ、結婚式ならではの演出を省きすぎると「ただの食事会」になる可能性は高くなります。家族だけとはいえ、せっかくの結婚式なら、その空間ならではの雰囲気を楽しみたいものです。

ケーキカットやムービー、子どもから親への手紙など、定番の演出だけでも充分ですが、家族だけの利点を生かして、

・親から子どもへの手紙
・両家の親からのサプライズ余興

など、親から子どもへの演出を組み込むのもおすすめです。

親しい友人を招待するケースも

中には、「大人数を招いての結婚式は抵抗があるけれど、家族だけも寂しい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。その場合、新郎新婦のごく親しい友人2、3人を招くこともあります。そのような親しい友人であれば、親も面識がある場合が多いので、場が盛り上がるでしょう。

家族婚を避けた方が良いケース

メリットの多い家族婚ですが、中には家族婚が不向きな場合もあります。ここでは、家族婚を避けた方が良いケースをご紹介します。

両家の親同士が不仲である

結婚に際して、両家で仲良くできるのは理想的ですが、それぞれの事情があることもあります。両家の親同士の仲があまり良くない場合、家族婚は避けたほうが良いでしょう。

ゲストをある程度招待する結婚式であれば、両家の控室や披露宴のテーブルは別になります。両家が不仲でも結婚式を挙げる場合、一般的な規模の結婚式がおすすめです。

会場に強いこだわりがある

結婚式場によっては、家族のみの少人数婚に対応できない会場もあります。

例えば、大人数を想定して造られている式場や披露宴会場であれば、少人数の結婚式を想定されていないので、家族婚プランが存在しないことも珍しくありません。

新郎新婦や親御さんが式場に強いこだわりがある場合、家族婚の実現が難しいケースもあります。

最後に

常日頃から気持ちを伝え合う家族もいらっしゃるでしょう。しかし、身近な人だからこそ、感謝や大切に思っていることを伝えるのは、恥ずかしいと感じる方が多いのではないでしょうか?

結婚式には、そこでしか生まれない特別な空気感があります。家族のみの結婚式は、回りの目を気にせず、親子の絆を確かめ合う素晴らしい機会となるでしょう。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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