過去に参加した結婚式の締めくくりで、「親の謝辞」は必ずと言っていいほど、取り入れられていた演出の一つではないでしょうか? 新郎新婦との思い出話や、ゲストへの感謝の気持ちが溢れる感動させられる内容のものもあれば、お決まりのフレーズのみの面白みに欠けるものや、締まりのないだらけた印象の謝辞もあったかもしれません。
ここでは、披露宴のクライマックスにふさわしい謝辞をするために把握しておきたい、親の謝辞の作成ポイントや注意するべきことをご紹介します。
目次
謝辞とは?
謝辞は誰が行なうのか?
披露宴での謝辞の書き方
謝辞における注意点
最後に
謝辞とは?
披露宴での「謝辞」とは、披露宴の終盤に新郎新婦と両親がゲストの前に並び、「感謝の気持ちを伝える挨拶」をすることを意味します。もし自分が謝辞をする立場となったら、披露宴のクライマックスにふさわしい挨拶をしたいものです。しかし、実際どのような内容でまとめればいいのか、迷ってしまう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
最近では、披露宴の演出も簡略化されていることも多く、従来の定番であった演出が省かれていることもしばしば。しかし、謝辞は披露宴の締めくくりを飾る大切なもの。謝辞に関しては省略せずに、披露宴に取り入れる新郎新婦はまだまだ多いようです。
ここでは、親として披露宴の締めに適した謝辞をするために、謝辞の書き方や注意点をご紹介します。
謝辞は誰が行なうのか?
最近の披露宴での謝辞のスタイルは、大きく分けて3つ。
・新郎のみ
・新郎の父親のみ
・新郎の父親が謝辞をした後、新郎が謝辞を行なう
のいずれかの形式で行なわれますが、「新郎の父親が謝辞をした後、新郎が謝辞を行なう」パターンが一番多い印象です。最近では、新郎のみならず、新婦も共に謝辞を述べるケースも増えつつあります。
ここでは、謝辞の定番の「父親」と「新郎」についてご紹介します。
父親
一般的に、「親の謝辞」と言えば新郎の父親が行なうことが多いですが、家庭によっては、何らかの事情で父親が不在の場合もあります。その場合「新婦側の父親」もしくは「新郎新婦どちらかの母親」、「両親以外の親族」が行なうケースも珍しくありません。
ここでは、新郎新婦を祝福してくれたゲストへの感謝や、新郎新婦へのメッセージを語ります。
新郎
新郎の行なう謝辞は、披露宴のエンディングを飾る「締めのスピーチ」のことを指します。親も謝辞を行なう場合、新郎謝辞のタイミングは、親の謝辞の後に行なわれることがほとんどです。
ここでは、改めて披露宴に参加してくれたゲストへの感謝と、これからの新たなスタートに向けた抱負などを語ります。大勢のゲストの前での最後のスピーチということで、緊張されている方も多いでしょうが、ここは新郎の腕の見せ所です。心を込めた温かいスピーチで、ゲストに感謝の気持ちを伝えましょう。
披露宴での謝辞の書き方
披露宴での親の謝辞を作成する際、大まかに分けると「自己紹介」「お礼の挨拶」「メイントーク」「新郎新婦への言葉」「締めくくり」の5パーツから構成されています。
謝辞を行なう際、暗記するのが苦手な方であれば、カンペ(カンニングペーパー)を持ち込んでも問題ありません。しかし、カンペを持ち込む場合、ずっと原稿を見続けるのは考えものです。カンペを使用するなら、目線をたまに下に落とす程度に留めておきましょう。
自己紹介
まずは、新郎新婦と自分の関係性について自己紹介します。「只今ご紹介にあずかりました、新郎の父〇〇と申します。両家親族を代表して、皆様にご挨拶申し上げます」のように、ここは手短かにすませましょう。
お礼の挨拶
忙しい中、披露宴に参加してくれたゲストへの感謝を伝えます。結婚式当日が連休の真ん中や悪天候の場合、そこにも触れて、恐縮の表現を入れるとより丁寧な印象です。
お礼を述べる前に、「本日はお忙しい中ご列席たまわりまして」と一言添えるのがベストです。
メイントーク
メイントークでは、ゲストから頂いた新郎新婦への祝福やスピーチ・余興のお礼を伝えることが大切です。他に、新郎の子どもの頃の思い出話など、親としてのエピソードを入れるとオリジナル感溢れる謝辞になります。
しかし、過度に我が子を褒めたり、けなすのは考えもの。適度なバランスが大切です。ここでは自分の子どもだけでなく、新婦についても触れるのがマナーです。
新郎新婦への言葉
親として、これから新たな家庭を築いていく子どもたちにむけた、はなむけの言葉を述べます。親として「こうなって欲しい」という、理想の夫婦像をメイントークの終盤に織り交ぜると自然な印象です。
締めくくり
謝辞の終盤はゲストに対して、新郎新婦とこれからのお付き合いやご指導を頂けるよう一言述べます。「なにぶん、未熟な二人ではございますが、どうぞこれからも皆様方のお力添えを賜り、温かく見守っていただければと思います」のようなフレーズを添えましょう。
最後に、ゲストの健康や発展を願う言葉と共に、改めて本日の感謝を伝え、結びとします。
謝辞における注意点
自分らしい言葉でまとめたい謝辞ですが、聞いているゲストを不快にさせないためにも、いくつか注意すべきポイントもあります。事前に確認しておきましょう。
忌み言葉は避ける
「忌み言葉」はおめでたい場では避けたい言葉です。しかし、日常生活でも多用している言葉が多いので、自然に口走ってしまう可能性もあります。
「切れる、別れる、たびたび、ひさびさ、繰り返し、再び、戻る」は離婚や再婚を連想する単語です。うっかり本番で出ないように、事前に原稿にして確認しておくと安心でしょう。
事前準備を念入りに
バッチリ決めたいはずの謝辞が、事前準備を怠ってしまうと、ぐだぐだの挨拶になってしまうこともあります。ネット上ではそういったパターンの謝辞は、「自分の親らしい」と「笑い」として取り上げられていることも。しかし、いざ自分の立場に置き替えると、子どもに恥をかかせないためにしっかりきめておきたいものです。
堂々と本番に臨むために、最低限の謝辞の流れや、タブーの言葉を事前にチェックし、練習しておくことをおすすめします。
誰かを下げる内容
昔と違って今は多様性の時代です。謝辞の中に、差別につながる内容が含まれていないかどうか注意しましょう。
謝辞を行なう当事者に悪意がなくても、大勢のゲストが集まる結婚式会場では、無意識に誰かを傷つけてしまう可能性もあります。「男・女はこうあるべき」や「年齢」や「国籍」についても、自分なりの考えを述べない方が無難でしょう。
新郎新婦をあえて下げる「まだまだ未熟な二人ですが」のフレーズは、使用しても問題ありません。
自慢話や過度な感傷
謝辞の趣旨は「結婚式に参加してくれたゲストに感謝を伝える」ことです。大勢のゲストの前で、父親自身や家族の自慢話をしたり、BGMと相まって深く感傷に浸る人もいるかもしれません。しかし、それではゲストはうんざりしてしまう可能性もあります。ここでは、自慢話や過度な感傷に浸ることは避けた方が無難です。
適度な時間配分を
新郎の父が謝辞を述べるタイミングは、披露宴の終盤です。既に、ゲストは色々な人のスピーチや余興を楽しんだ後。長きにわたった披露宴もお開きの時間帯なので、ゲストも「そろそろ終わりだな」と感じている頃合いです。
あまりに短かい謝辞だとゲストも物足りないと感じるものですが、長すぎるのも考えものです。ゲストに「いつ終わるのかな」と思わせてしまうの可能性もあるので、スピーチは「2~3分」程度でまとめるのがベストです。簡潔に感謝のスピーチを述べることで、披露宴の最後にふさわしいスピーチになるでしょう。
最後に
「謝辞」のテーマは「ゲストへのお礼の挨拶」です。本来の目的を忘れないよう、自分らしさを取り入れつつも、基本の流れを大切にしましょう。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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