我が子が結婚式を挙げることが決まれば、次はいよいよ準備に取り掛かります。以前であれば、結婚式は「親が取り仕切るもの」というイメージが強いものでした。しかし、近頃は子どもたちが主導権を握り、準備をすすめる方がほとんどです。
とはいえ、完全に子どもたちに任せるのは、不安な方もいらっしゃるかもしれません。親として長年の経験から、子どもたちだけでは気づかない点をアドバイスできることも多いでしょう。
しかし、親が関わるところがあるとはいえ、根底にあるのは「結婚式は親のものではなく、新郎新婦の一生の思い出になるもの」ということです。一見当たり前のように聞こえますが、準備を進めていくにつれて、親の都合や世間体を押し付けて、親子間や両家間でトラブルになることもあります。
結婚式に関して、「親はあくまで子どもを見守り、必要な時に手を差し伸べる」心づもりでいることが大切です。本記事では、結婚式前の準備で、親が関わるポイントや気を付ける項目をご紹介します。
目次
結婚式前の準備
親が関わっておきたい結婚式準備
結婚式準備で親として確認しておきたいポイント
最後に
結婚式前の準備
最近の結婚式のスタイルは、多様化してきています。親世代の結婚式とは、形式や費用のかけるポイントなど、ずいぶん異なる印象を抱く方も多いのではないでしょうか?
傾向として「自分たちらしい温かい結婚式」をと考える新郎新婦も多いので、以前では考えられなかったことがあるかもしれません。しかし、親の固定観念は払拭して、基本的には子どもたちの考えを尊重しましょう。
結婚式準備で決めていくことは、大きく分けると以下の6つです。
1:会場の決定
2:ゲスト・席次
3:料理・引き出物
4:衣装
5:披露宴の進行
6:招待状作成
基本的には新郎新婦が行ないますが、中には親の意見を求められることもあります。何でもかんでも口出しするのは論外ですが、客観的に判断し、助言できるのも親ならではの役目といえるでしょう。
まずは親子で話し合いを
以前の結婚といえば、仲人を立てて結納を行ない、結婚式は盛大なものが定番でした。その当時の考え方として、「結婚は人と人の結びつきではなく、家と家の結びつき」が重視されていました。しかし、時代の流れと共に今は「その人自身」が評価され、家柄にこだわる方は減少傾向にあります。
それぞれの家庭によって、結婚式への考え方は異なります。中にはしきたりにこだわる方もいらっしゃるでしょう。しかし、親の見栄にこだわりすぎると、親子関係がこじれる元になることもあります。
大切なことは、子どもが幸せになることです。結婚式に関して「必要な場面で親の意見を取り入れつつ、基本は子どもたち任せ」というスタンスが主流になってきています。
結婚式を開催するにあたり、気になることがある場合、解決してから準備を進めましょう。話し合いが不十分なままだと、最悪の場合、式場をキャンセルしたり、結婚式の開催自体がなくなってしまうことになりかねません。準備に取り掛かる前に、積極的に親子間でコミュニケーションを取るよう心掛けましょう。
親が関わっておきたい結婚式準備
結婚式の準備を進めていく中で、親はある程度全体を把握しておく必要があります。「新郎新婦の身の丈にあったものか」、「ゲストに喜んでいただける内容か」を重視し、ゲストに失礼のないよう親子で確認できると理想的です。
ここでは、結婚式準備で親が関わっておきたい項目を4つご紹介します。
まずは予算の確認
予算を確認する時のポイントは、主に2つあります。
1:子どもたちの経済力
以前は「親の援助が当たり前」とされていた結婚式ですが、近頃は「結婚式費用は、自分たちで負担するもの」と考える新郎新婦が多い印象です。その場合、子どもたちの経済力にあった結婚式を挙げることが大切です。
まずは、子どもたちが結婚資金として、どれくらい貯蓄があるのか話し合いましょう。「結婚式後にいくら貯金が残るのか」まで、話ができていると安心です。
親が資金援助する場合、式場決定前のこのタイミングで提案してあげると、会場選びの選択肢が広がります。
2:両家の負担割合
親世代の結婚式は「費用は新郎側が多く負担する」というような風潮がありましたが、最近は、公平に分担するご家庭が多い印象です。後々両家でトラブルにならないためにも、子どもたちを通して、事前に分担の割合を決めておきましょう。
式にかかった総額をきっちり半分に分けるのではなく、「衣装・美容代はそれぞれ自己負担」「挙式料は折半」など、項目ごとに割合を変えるケースも珍しいことではありません。
会場の決定
会場の決定は、一番最初の結婚式準備です。会場選びのポイントは「両家からの距離」「ゲストがアクセスしやすいかどうか」を重視します。
例えば、遠方からのゲストが多いのに、最寄り駅から遠い会場だと、ゲストに負担をかけるかもしれません。自分たちの希望を叶えることも大切ですが、ゲストに不便をかけないよう、配慮することも相手への気配りの一つです。
その他には、「結婚式を挙げるなら新郎側の地元で」と考える親もいます。新郎新婦としては、会場の雰囲気ややりたいことが実現できるかが重要になってくるので、意見の擦り合わせが必要な場面もあるかもしれません。
ゲストの決定
ゲストを決める時は、両家のバランスを見ながら決定していきます。例えば、どちらかが友人メインで、もう片方が親族メインになれば、お互いが気を遣う場面が出てくる可能性もあるかもしれません。そうならないよう、本決定前には、親が招待予定のリストを確認しておきましょう。
特に、親族をどの範囲まで呼ぶべきかは、新郎新婦だけで決めることが難しい部分です。また、遠方から来てくれる親族がいる場合、交通・宿泊の手配はこちらがサポートするのが基本になります。費用の負担に関しては、関係性を考慮しつつ、親子で相談してから決めましょう。
引き出物
最近の引き出物は、カタログギフトが主流になりつつあります。カタログギフトは手軽で良いという意見もありますが、年配のゲストの中には「手抜き」や「気持ちがこもっていない」と捉える方も少数ですがいらっしゃいます。
「縁起物を必ず入れる」というような風習は薄くなりつつありますが、要望がある場合、子どもたちに一言申し入れしておきます。特に、親族への引き出物に関しては、親が率先してアイデアを出してあげても良いでしょう。
中には、その地域では必須な習わしがある場合もあります。新郎新婦の出身地が異なる場合、どのようなものを引き出物に選ぶか、両家で相談することが大切です。
結婚式準備で親として確認しておきたいポイント
ここでは、結婚式の準備が進むにつれて、親として確認しておくと良いポイントをご紹介します。
両家のバランス
結婚式で両家のアンバランスさが目立ち、後々嫌な思いをしないためにも、事前に確認する項目は主に以下の2つです。
1:衣装
結婚式において、両家の親同士の衣装に格差が出るのは、あまり好ましくありません。当日、対面した際「相手側の両親の衣裳が格上だった……」というようなことにならないためにも、子どもたちを通じて、相手の親の衣装を確認しておきましょう。
2:ゲストの数
ゲストの人数は、おおまかに両家で揃えておくのが望ましいです。万が一、ゲストの数にかなり差がついてしまった場合、席表に「新郎側」などの記載を省略する方法もあります。また、円卓テーブルを選べば、両家の差が分かりにくくなるのでおすすめです。
ゲストへの配慮は十分か
結婚式の主役は新郎新婦ですが、大切なことは、今までお世話になった方をもてなすことです。「結婚式が新郎新婦の独りよがりになってないか」「皆が楽しめるものか」など、親として客観的にアドバイスしてあげることも時には必要です。
例えば、
・真冬・真夏の結婚式での外での演出は、何か対策はされているのか
・演出が高齢のゲストへの負担にならないか
・披露宴での料理や飲み物など、おもてなしは十分なものか
など、細やかな視点で冷静に判断しましょう。
最後に
結婚式前の準備期間は、親にとっては「精神的に子離れするための準備期間」ともいえるかもしれません。親が「子どもたちに任せるところ」と「親が関わるところ」を理解しておくことで、トラブルを回避できることもあるでしょう。
楽しいはずの結婚式準備で、お互いが嫌な思いをしないためにも、準備前に親子で話し合うことがうまくいく秘訣になります。そのような姿勢が、結婚後の親子関係を良好なものにしてくれるはずです。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB