投資信託は、個別の株式と比べて比較的リスクも小さく、少額の資金で投資できることから、資産運用の道具の一つとして広く活用されています。投資信託には数多くの種類がありますので、投資を始める前にどのような種類があるのかを理解しておく必要があります。今回は、投資信託の種類について、運用方針や投資の対象とする資産・地域などに分けてみていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
投資信託にはどんな種類がある?
投資対象地域や対象資産とは
運用方針の種類
まとめ

投資信託にはどんな種類がある?

投資信託は数多くの種類がありますので、ファンドを選ぶ際にはいくつかの視点から検討することになります。まずは、どのような種類があるのかを把握しておきましょう。

投資信託を大きく2つに分けると、「株式投資信託」と「公社債投資信託」に分かれます。

<株式投資信託>

株式投資信託は、株式を組み入れて運用できる投資信託です。債券なども組み入れることができるので、投資信託を設計する際の自由度が高いのが特徴です。株式を組み入れていない投資信託でも、約款において株式に投資をする可能性があると書かれているものは株式投資信託とみなされることから、ほとんどの投資信託は株式投資信託に分類されています。

<公社債投資信託>

公社債投資信託は、株式を一切組み入れず運用する投資信託です。国債や社債など、利息収入を主な目的とした投資を行うという特徴があります。公社債投資信託の一種としては、主にMMF(マネー・マネージメント・ファンド)やMRF(マネー・リザーブ・ファンド)などの種類があります。

MMFとは、公社債を中心に投資する投資信託のひとつ。現在は、証券会社から購入できるのは外貨建てのみとなっており、格付けの高い債券で運用されています。MRFも公社債を中心に投資する投資信託のひとつで、格付けの高い債券で運用されています。MMFが運用期間を決めて運用しているのに対して、MRFはいつでも出し入れができるという相違点があります。また、MRFは、MMFより利回りが低いのも特徴です。

このような大きな分類の他、投資対象地域・投資対象資産・運用方針などに分類することができます。

投資対象地域や対象資産とは

ここでは、前述の投資対象地域・投資対象資産についてその内容を詳しく見ていきます。

投資対象地域

投資信託の投資対象地域は、主に「国内」と「海外」に分類できます。

<国内>

国内の投資信託は、投資家から預かった資金を、日本国内の株式や債券などで運用している投資信託です。例えば、国内株式ファンドは、日本の上場株式などを投資対象としていて身近なため、値動きが比較的に把握しやすいことが特徴です。

<海外>

海外の投資信託は、「先進国」や「新興国」を投資対象地域とした投資信託です。

・先進国

先進国の投資信託は、アメリカや欧州などの日本を除いた先進国を投資対象地域として運用する投資信託です。先進国経済は成熟しているため、高成長は見込めない反面、比較的安定していることが特徴です。

・新興国

新興国の投資信託は、中国やインド、東南アジア、南米、東欧、アフリカなど、これから経済成長するとみられている国や地域を対象に運用する投資信託です。大幅な成長が期待できる反面、政治や経済の安定性に欠けるのが特徴です。高いリターンを期待することができますが、その分リスクも大きくなってきます。

投資対象資産

投資信託の投資対象資産は、主に「株式」や「債券」が用いられています。

<株式>

「株式」とは、会社が事業資金を調達するために発行するものです。上場企業の株式は、証券取引所で売買されることで株価は常に変動しています。

<債券>

「債券」とは、国、地方公共団体、会社等が投資家からお金を「借りる」ときに発行するものです。債券はあらかじめ返済期限を決めて発行されます。お金を借りている間は、そのお金の“使用料”として利息が支払われます。国が発行する債券を「国債」、会社が発行する債券を「社債」といいます。

株式や債券の他にも投資対象となるものがありますが、代表的なものとして「不動産」があります。

<不動産>

不動産に投資する投資信託のことをREIT(リート)と呼びます。投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、ホテルなどを所有し、賃料収入や売却益を投資家に分配するという仕組みになっています。

<図表1>投資対象地域と投資対象資産

(株式会社SMILELIFE projectにて作成)

運用方針の種類

投資信託は、運用方針によっても分類することができます。運用方針には、主に「インデックス型」と「アクティブ型」があります。

<インデックス型>

インデックス型は、ある定められた指標(ベンチマーク)に連動させたファンドで、ファンドの成果はベンチマークに左右されます。例えば、国内株式ファンドの代表的な指標は「日経平均株価」や「東証株価指数(TOPIX)」です。

インデックス型は、ベンチマークどおりの運用を目指していることで、運用にかかるコストは比較的に安くなっています。ベンチマークの動きを観察することで状況が把握しやすく、リスクがアクティブ型よりも比較的小さいのが特徴です。

一方、ベンチマークの対象となっている銘柄の中には不調なものも混在するので、それらを排除できないというデメリットがあります。インデックス型は「指標からズレていない」ことで、その良し悪しを評価します。

<図表2>インデックス型

(株式会社SMILELIFE projectにて作成)

<アクティブ型>

アクティブ型は、ベンチマーク以上の成果を上げることを目指すファンドです。アクティブ型は、インデックス型より高い成果を上げるために、ファンドマネージャーが銘柄分析や選定などで手間をかけます。その分、インデックス型よりもコストが高くなりやすいという特徴があります。

ファンドマネージャーが優良銘柄を厳選するため、ベンチマーク以上の成果を期待することになります。しかし、厳選することにより保有銘柄数が少なくなるため、リスクはインデックス型よりも大きくなる傾向があります。

アクティブ型は、高い運用成果をあげてもコストが高いので、結果インデックス型よりも得られるリターンが低くなることがあります。「コスト倒れしていないか?」でファンドの評価をすることになります。

<図表3>アクティブ型

(株式会社SMILELIFE projectにて作成)

まとめ

投資信託の種類を理解しておくことで、自分が何に投資しているのかを把握しやすくなります。投資信託を始める前に種類とその基本的なポイントを確認しておきましょう。

資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行われています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか? 

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。保険や金融商品を「販売しない」独立系のFPは、中立的かつ客観的な立場から相談に乗り、あなたのライフプランに合った正しい選択肢を示してくれます。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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