物価上昇や金利の変動などは、住宅ローンを利用している人にとって気になるところです。万一、住宅ローンが支払えなくなったらどのようなことになるのか、住み続けることは出来ないのかと不安を感じている人もいるかもしれません。今回は、住宅ローンが支払えないケースについて、詳しくみていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
住宅ローンが支払えないとどうなる?
住宅ローンの支払いが難しい場合の対処法
住宅ローンが支払えなくても住み続けたい場合
まとめ

住宅ローンが支払えないとどうなる?

住宅ローンが支払えず、やむなく滞納をし続けた場合、住宅はどのようになってしまうのでしょうか? 滞納しているからといって、直ちに売却・退去しなければならないというわけではありません。しかし、滞納状態が継続すると競売にかけられ、家が強制的に売られることになり、最終的には退去を余儀なくされることとなります。一般的な流れは以下の通りです。

1.金融機関から支払いの請求

住宅ローンを長期滞納すると、金融機関から支払いの請求があります。最初は通知書だけですが、対応せずそのままにしていると電話でも連絡が来るようになります。

2.催告書が届く

住宅ローン返済の請求があったにもかかわらず支払わなかった場合には、金融機関から「催告書」が届きます。期日までに滞納した分の住宅ローンや金利、遅延損害金を一括で返済しなければ、分割で返済する権利を失い、住宅ローンの残高を一括で支払わなければならなくなります。

3.期限の利益喪失通知が届く

催告書が届いた後も住宅ローンの返済を滞納し続けると、金融機関から「期限の利益喪失通知」が届きます。「期限の利益喪失」とは、金融機関が住宅ローンの契約者に対し、分割払いではなく、一括返済を求めることができるということを指します。

4.競売開始決定通知書が届く

住宅ローンの滞納から6〜8か月経つと、裁判所から「競売開始決定通知書」が届きます。競売開始決定通知書とは、裁判所が競売にかける手続きに入ったことや家を差し押さえたことを知らせるものです。

5.期間入札通知書が届く

住宅ローンを滞納して12〜16カ月経つと、「期間入札通知書」が届きます。期間入札の通知とは、家の入札が始まったことを知らせるものです。開札日とは、入札の結果が発表される日のことですが、この時点になると競売を取り下げることはできなくなります。

住宅ローンの支払いが難しい場合の対処法

住宅ローンの支払いが厳しいと感じる場合、滞納する前に早めに対処することが重要です。滞納しそうになる前にやるべきことは、3つあります。

金融機関に相談する

住宅ローンの支払いが難しくなったら、まずは金融機関に相談することをおすすめいたします。救済措置として、返済期間の延長や一定期間の支払い猶予、ボーナス払いの見直しなどを提案してもらえることが期待できます。

収支を改善する

収入の面では、副業を始めるなど収入を増やすことが出来ないか検討し、実行していきたいところです。支出の面では、家計を見直すことも一つの方法です。毎月かかっている保険料や通信料などの固定費を見直すことで、節約効果が上がります。無駄に支払っているものはないか、今一度確認してみましょう。

住宅ローンの借り換えを検討する

住宅ローンを借り換えるという方法もあります。現在契約している住宅ローンを別の金融機関に借り換えることで、毎月の返済額を減らすことができるケースがあるのです。

ただし、借り換えには手数料がかかるため、今よりも低い金利で借り換えても、すべてのケースで返済額を減らすことが出来るわけではありません。また、住宅ローンの審査を受ける必要がある点は注意が必要です。借り換えの目安としては、次の3つのポイントがあります。

住宅ローンの残債が1,000万円以上ある
住宅ローンの返済期間が10年以上残っている
今よりローン金利が1%以上低くなる

住宅ローンが支払えなくても住み続けたい場合

一般的には住宅ローンが支払えなくなった場合、住み続けることは困難となります。しかし、場合によっては住み続けることが出来るケースがあります。

親族間売買

親族間売買とは主に、親が購入した住宅を子どもなどの親族が買い取ることです。住宅ローンの支払いが難しくなってきたときに、親族が買い取って新たに長期ローンを組み、住宅ローンを返済してしまうという方法です。

ただし、親子売買では一般の住宅ローンを組むことはできないので、不動産担保ローンなどを利用することになります。所有権は親族に移ることになりますので、親族間で話し合って、住み続けることに同意してもらう必要もあります。

リースバック

リースバックとは、住み続けることを条件として売却して、家賃を支払うことで住み続けるという方法です。売却代金で住宅ローンを完済できない場合は、金融機関から同意してもらえないのでリースバックを利用することはできません。

リースバックの多くは、賃貸契約期間が定められている「定期借家契約」で賃貸借契約を締結します。定期借家契約では、契約期間終了時に貸主と借主の合意があれば再契約は可能ですが、運営会社の事情で再契約ができず、売却から数年後には退去せざるを得なくなるケースもありますので、注意が必要です。

まとめ

今回は、住宅ローンが支払えなくなった場合についてみてきましたが、いかがだったでしょうか? 住まいを手放すということは出来れば避けたいところです。あらかじめ返済計画がライフプランに合っているかどうか見極めて契約することも重要ですが、万一支払いが困難になる場合は早めに金融機関に相談するなどの対処をすることをおすすめいたします。

資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行われています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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