大切な人を亡くしたとき、あまりにも悲しみが深いと、なかなか新しい生活に踏み出せなくなってしまうものです。2018年にヒットした映画『リメンバー・ミー』では、生きている人の記憶から消えてしまうと消滅するという話が描かれました。もし、この説が真であるなら、悲しみは和らぎ、記憶はいつまでも心に留めるのが理想だと思います。
亡くなった方に思いを寄せて、在りし日の故人を想い出し、懐かしむーーそんな大切な供養の場が、法事です。しかしながら、どのようなタイミングに営むものなのかを、明確に理解している人は少ないかもしれません。この機会に正しく知識として覚えておきましょう。
そこで、この記事では「三回忌 」について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。
もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。
目次
三回忌とは
三回忌法要
三回忌に参列する際のマナー
まとめ
三回忌とは
法事・法要の四十九日、百箇日、一周忌は読んで字のごとく、亡くなられてから49日目、100日目、1年目にあたる日ということで比較的わかりやすいものです。ところが、年忌法要では一周忌の次は「回忌」で表現されます。では一周忌の次の年忌法要である「三回忌」とはどういうものなのかを詳しく解説します。
三回忌の意味は
回忌は、亡くなられた日を最初の忌日と数えます。亡くなられた翌年の祥月命日(亡くなられた日と同じ日)を2回目の忌日、亡くなられて2年後の祥月命日が三回忌となるわけです。
三回忌法要はいつする?
三回忌は、一周忌の翌年に執り行うことになります。年忌法要はその後、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、三十三回忌と続きます。一般的には三十三回忌をもって弔い上げとされます。これらの年回忌の中で、三回忌までは生前に付き合いのあった方、親しかった方、親族などもお招きしますが、それ以降は近親者だけでおつとめなされることが多いようです。
親しかったご友人やご親戚の方々へは最後のお招きになりますので出来る限り多くの方にお参りいただけるように、祥月命日の手前の休日などに営まれることが多いようです。
三回忌と七回忌は一緒にやっていい?
同じ年にある複数の法要を一度にまとめて営むことを「併修(へいしゅう)」または「合葬(がっそう)」などといいます。三回忌までは祥月命日に合わせて別々に執り行います。ところが三回忌を過ぎると祖母の七回忌と祖父の十三回忌は一度にやっても構わないとなっております。
三回忌法要
三回忌の法要は、四十九日法要や一周忌と内容はほぼ変わりません。準備や当日の流れなどを詳しくみていきましょう。
三回忌法要の準備
最初に場所を決めます。寺院や墓地・霊園の法要室、あるいは自宅で営むケース、また葬儀会館を利用される場合もあります。場所が決まったら、寺院に相談して僧侶の手配を致しましょう。
法事の後、お斎(おとき)と呼ばれる会食を行う場合は料理の手配を行います。ところがコロナ禍の中、会食を行わないことが多くなっており、その場合は引き出物とお酒や折詰弁当などをお持ち帰りいただきます。
引き出物は、参列いただく方のお香典返しの意味があり、相場は2000~1万円程度の日用品やカタログギフトが一般的です。
すべてが決まったら案内状を送ります。出欠の確認含めると1か月前までにはお知らせしましょう。
三回忌法要当日の流れ
おおまかに当日の流れを記載します。
・僧侶の入場
・施主の挨拶
・僧侶の読経
・焼香
・僧侶の法話
・施主の挨拶
・墓参り(お墓が近い場合のみ)
・お斎(会食)
僧侶の入場の際、故人と近い方から祭壇の方に座ります。右側が遺族、左側が友人知人の席となります。僧侶の法話はない場合もあります。僧侶に確認しましょう。
三回忌法要での挨拶
施主が行う挨拶としましては、開始の挨拶、閉式の挨拶、会食前の挨拶、会食後の挨拶となります。これといった決まりのあるものではありません。「はじめます」「終わりました」といった意味の言葉とともに、ご参列いただいた方々への感謝の気持ちが伝われば十分です。
開始の挨拶
「本日はお忙しい中、ご参列いただきありがとうございます。これより亡き〇〇の三回忌を始めさせていただきます。それではご住職、どうぞよろしくお願いします。」
閉式の挨拶
「本日はお忙しい中、ご参列いただきましてありがとうございました。お陰様でつつがなく〇〇の三回忌法要を終えることが出来ました。故人に成り代わりまして御礼申し上げます。ささやかながらこの後ご供養のお食事を用意いたしました。お時間の許す限りお付き合いいただければと思います。本日はお忙しい中お時間をいただきまして本当にありがとうございました。」
会食前の挨拶
「本日はお忙しい中、〇〇の三回忌法要にご参列いただきまして誠にありがとうございます。ささやかではございますがお食事をご用意いたしましたのでお時間の許す限りゆっくりとお過ごしいただければと思います。」
会食後の挨拶
「本日は長時間にわたりありがとうございました。故人に成り代わりお礼を申し上げます。これからもご厚誼賜れば有難く存じます。ではこれにてお開きとさせていただきます。お帰りの際は足元お気をつけてお帰りください。本日はありがとうございました。」
三回忌法要のお布施
七回忌以降は規模を小さくしていきますので、お布施の額も少なくなっていきます。ですが、一周忌と三回忌のお布施は変わらないものと考えておくと良いでしょう。ただ三回忌からお招きする方を親族や身内のみで執り行うというケースもあろうかと思います。
お布施は僧侶に対するお礼の意味のものです。金額は決まったものはありません。相場としては1万円から5万円程度とされています。それ以外にお車代として5,000円、御膳料として5,000円を目安にお渡ししましょう。
現金を入れる封筒は半紙に包んだ上で奉書紙の上包みの折り方が丁寧です。ない場合は水引のない無地の白色封筒でも構いません。ただし、郵便番号欄のない無地のものを選びましょう。
表書きは普通の濃さの墨(もしくは筆ペンなど)で、「お布施」もしくは「御布施」と書き、その下に施主の姓名もしくは●●家と書きます。
三回忌に参列する際のマナー
法要へのお招きを受けたら、出欠の予定はなるべく早くお返事をいたしましょう。特に法要に出席できないときは、ご遺族の段取りの都合がありますのでなるべく早く返事をします。
香典とお供え
施主からあらかじめ「香典を辞退する」という趣旨の意向が無い限りは「香典」は持っていくようにします。封筒の表書きは「御供」、もしくは「御供物料」「御仏前」と書かれたものを選びましょう。金額は一概に決まりはありません。故人との関係性で決まります。
服装
特に指定がない限りは、黒か濃紺の略礼装か喪服でお伺いするようにしましょう。
まとめ
三回忌は亡くなられてから3年ではなく、2年。つい勘違いしてしまうこの回忌の表現を覚えておきましょう。今回は三回忌でしたが、これ以降の七回忌から三十三回忌までの4回の法要はすべて亡くなられた日から数えた祥月命日の回数となります。1年遅れとならないようにしましょう。
●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)
京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。
●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB)