最近では、NISAやiDeCoといった税制優遇制度が充実してきていることもあり、将来の資金作りのために投資信託を利用して、資産運用をはじめる人も増えてきています。投資信託をはじめるにあたり、YouTubeやSNSなど、インターネット上の情報をもとにして、投資信託の始め方や選び方について参考にする人も多いかと思います。
しかし、情報があまりにも多いため、どれが自分に合っているのかを判断するのは難しいのではないでしょうか? そこで、初心者を対象に投資信託の選び方や、注意すべきポイントについて見ていきましょう。100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
投資信託について
投資信託の選び方
初心者が投資信託を始めるときに注意するポイント
まとめ
投資信託について
まずは投資信託とはどのようなものなのか、簡単におさらいをしておきましょう。投資信託(ファンド)は、複数の投資家が資金を集め、ファンドマネージャーと呼ばれる資産運用の専門家が国内・国外の株式や債券などに投資・運用する金融商品です。
運用して得た利益は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。
プロに任せる
投資先の選定などの運用は、プロのファンドマネージャーに任せるため、投資について初心者の方でも比較的簡単に始められる投資手段として人気があります。
分散投資できる
投資のリスクをコントロールする方法の一つとして、「分散投資」があります。投資信託では、「株式」「債券」「不動産」など、それぞれの資産で構成されているファンドがあります。例えば、株式ファンドの場合、多数の異なる値動きをする株式銘柄で構成されているため、ひとつずつの銘柄に投資をする株式投資と比べると、ファンド自体に分散の効果があり、株式投資よりも比較的リスクが低く利用しやすくなっています。
また、例えば「国内株式」と「外国株式」など、それぞれ「国内」のファンドと「外国」のファンドがあります。そのため、「資産」や「地域」を分散して異なる値動きをするファンドを組み合わせて持つことで、全体の値動きを抑えることができます。
少額からはじめられる
一般的に、株式や債券の投資ではまとまった資金が必要になりますが、投資信託は少額からでも購入できます。ネット証券を中心に、100円からはじめられる証券会社もありますので、投資初心者の方に適しているといえるでしょう。
手数料がかかる
投資信託は、主に3つタイミングで手数料がかかります。
購入にかかる手数料:購入時手数料
運用にかかる手数料:信託報酬(運用管理費用)
売却時にかかる手数料:信託財産留保額
手数料の詳細は、投資信託ごとに作成される「目論見書」で確認することができます。
投資信託の選び方
投資信託を選ぶとき、多くのファンドの中から自分に合ったファンドを選ぶことは難しく感じる人もいるでしょう。ここでは、どのような視点で選んだらよいかについて解説します。
手数料
特に信託報酬は、運用している間かかる手数料で、得られるリターン(運用益)に影響があります。そのため、必ず事前に確認して、複数の投資信託を比較する際はできるだけ余計な手数料のかからないものを選びましょう。
インデックス型とアクティブ型
インデックス型のファンドとは、日経平均などの株価指数や債券指数などを指標(ベンチマーク)として、それに連動した値動きになるように運用する投資信託のことです。インデックス型のファンドは、値動きがわかりやすく運用コストもアクティブ型より比較的低いという特徴があることから、初心者にもおすすめのファンドだといえるでしょう。
一方でアクティブ型のファンドとは、インデックス型よりも高いリターンを目指して、ファンドマネージャーなどのプロが投資判断を行う投資信託です。高いリターンが期待できるという反面リスクも大きく、また運用コストが高い点に気をつけなければいけません。ファンドの内容を吟味する必要があり、あまり初心者向けとはいえません。
ファンドの規模で選ぶ
ファンドの規模は純資産総額で表します。運用がうまくいっていたり、人気があったりすると純資産総額が増えますので、純資産総額の規模が大きなファンドは、多くの投資家から支持を集めていると言えるでしょう。
ファンドの内容がほぼ同じというケースでは、純資産総額が多い方を選ぶといった選択肢もあります。
初心者が投資信託を始めるときに注意するポイント
最後に投資信託を始めるときに、注意すべきポイントについて3つ解説します。
リスクとリターンの理解
投資信託には、リスクがあることを理解しておくことが大切です。リスクとリターンの関係を理解して、自分のリスク許容度に合った投資を行うことが重要です。
リスク許容度とは、例えば、100万円ではじめたファンドが、1年後に最大15万円値下がりして85万円となる可能性がある場合、最大下落幅のマイナス15万円を許容できるかということです。
長期分散投資の重要性
分散投資は、リスクコントロールの重要な要素です。いくつかの異なる資産の投資信託を組み合わせて持つことで、リスクを分散させることができます。しかし、分散しただけでは、一時的な市場の変動や価格の変動に影響を受けることがあり、完全に元本割れの可能性を排除することはできません。
長期間運用を続けることで、複利の効果を得ることが期待できますので、短期的な評価額の変動に左右されず、「長期分散投資」をすることが大切です。
自分のライフプランに合わせる
自分がいま持っている資金を、すべて投資に回すというのは現実的ではありません。自分の投資可能額(投資に回せる資金)はいくらなのかについて、把握した上ではじめる必要があります。
まずは、自分のライフプランを作り、目的やそのための資金を明確にしたうえで、10年以内の「目的資金」など必要な資金は確保しておき、10年以上使う予定がない資金を投資可能額として資産運用することがおすすめです。
まとめ
投資信託は株式投資などと比べ、ハードルが低く始めやすいと感じる人も多いと思いますが、始める前に自分の投資の目的や投資可能額を明確にしておくことが重要です。そのためにも、まずは自分のライフプランについて保険や金融商品の販売をしない、独立系のファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめいたします。
資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行われています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?
さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)
株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com)
●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB)