長い間、愛情を持って育ててきた子どもから「結婚したい人がいる」と打ち明けられたら、喜ばしい一方で「相手や相手のご家族はどのような人なのだろう?」と、親として気になることがたくさん出てくるものです。その後、親として結婚に賛同することができたら、次は「婚約」に向けて親子で動いていくことになります。

さて、「婚約」とはどこからが「婚約している状態」になるのでしょうか? プロポーズをしてからでしょうか? 本記事では、「婚約」について深掘りしていきます。

目次
婚約とは
婚約とはどこからの状態を指す?
婚約中に気を付けること
最後に

婚約とは

婚約とは、交際中の子ども同士が近い将来結婚することを約束し合い、それを周知することで、当事者である本人たちが自覚と責任を持つことです。

以前は「婚約」と言えば、仲人(なこうど)が男性と女性の両家の間を行き来するのが正式な婚約の進め方でした。しかし、時代と共にそのやり方も減少し、婚約も簡略化しつつあります。

婚約のスタイルは大まかに6種類に分かれます。古来からの儀式である「結納」の他に、「両家顔合わせ食事会」「婚約式」「婚約披露パーティー」「記念品の交換」「婚約通知書を出す」などの形式です。正式な「結納」を行なう場合は、それぞれの地域や家庭によってしきたりが異なるので、子ども任せにするのではなく、親がしっかりとリードしてあげることが重要です。

今は昔と違い、子どもたちの意思で結婚を決める家庭が多いでしょう。プロポーズをして相手から結婚の承諾を得たら、前もって親に相談することはありますが、婚約の段取りまでを子どもたち主導で決めていく場合がほとんどです。

親にとっては「婚約」を機に、それまでは子どもの交際相手だった相手を、未来の家族の一員として認めることになります。婚約することは子どもにとっても、親にとっても「精神的なケジメ」になるのです。

婚約とはどこからの状態を指す?

具体的に何をもって、どこからが「婚約している」状態になるのでしょうか? 婚約とは、交際中の二人が「近い将来結婚する」と約束している状態のこと。一般的にはプロポーズをして、相手に結婚を承諾してもらった後の状態を指します。

プロポーズが行なわれていなくても、子ども同士が結婚に同意していて、結納や両家顔合わせなどを済ませている場合は、「婚約が正式に成立している」という認識でよいでしょう。

婚約は結婚と違い、サインが必要などの決まりがないので、口約束であっても「婚約している」と言えます。しかし、そのようなケースの場合は、「本気で言ってはいない」や「真剣に考えていなかった」など、後々トラブルの原因になる可能性も考えられるので注意が必要です。

子どもたち同士の普段の会話で「いつか結婚したいよね」というような、漠然とした結婚の約束の段階では、正式に婚約しているとは言い切れないでしょう。続いては、婚約と結婚の違いについて確認しておきます。

婚約と結婚の違い

「婚約」と「結婚」の主な違いは、二人の関係が法律で認められているものかどうかの違いになります。

「婚約」は、「近い将来結婚しよう」と当事者同士の間で、結婚を約束している状態のことです。この段階では、法的な責任が生じません。しかし、相手側に不貞行為があったなど、相手側が全面的に悪い場合は、損害賠償請求や慰謝料請求が可能な場合があります。

「結婚」は、役所に婚姻届けを受理されることで、二人が夫婦であると見なされることです。結婚には婚約とは違い、法的な責任や拘束力があります。「同居義務」「協力義務」「扶助義務」などに見られるように、様々な責任や義務が生じるのです。

婚約中に気を付けること

残念ながら世の中には、婚約しても何らかの事情で子ども同士の気持ちが冷めてしまったり、両家の親同士が揉めてしまったりと、様々な理由から婚約破棄になってしまう場合もあります。また、婚約期間中の行為によって、相手から訴えられる可能性のあるものもあります。以下では、その具体例を紹介していきましょう。

子ども自身のこと

本人たちの問題である場合は「気持ちのすれ違い」や「性格の不一致」などのケースが多いようです。「不貞行為があった」、「借金や仕事、家庭に関することで隠し事をしていた」という場合は、婚約中なら相手から訴えられる可能性があり得ますので、注意してください。

親に関すること

交際期間中は子ども同士の付き合いがメインなので、親が介入することは少ないでしょう。しかし、婚約後に親と関わる頻度が増えることによって、トラブルが起こる場合があります。

親が子どもの幸せを願うあまり、「あれもこれも……」と結婚に関して親が主導権を握りすぎると、相手側からはよく思われない傾向があるので注意が必要です。相手のご家庭とのパワーバランスに配慮しつつ、様子を伺いましょう。

【婚約中に揉める事例】

・結婚に関する金銭の援助のことで、両家の感覚や意見が合わない。

・どちらかの親が結婚式や新居に過干渉し、悪い印象を与えている。

・親が相手と相手側家族を批判する。

最後に

婚約は、人生をかけた大切な約束です。婚約期間中は幸せなことばかりではなく、不安になることがあるかもしれません。そんな時の親の協力や励ましは、子どもにとって大きな精神的支えとなるでしょう。

大切に育ててきた子どもが婚約することになった際は、助けを求められた時は手を差し伸べて、我が子が巣立つその日まで、そっと見守りましょう。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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