我が子が、結婚式を1.5次会形式で開催するとなると、「目上のゲストや親族を招待しても良いものか」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。もしくは、「二次会の延長みたいなものでは?」というような印象を抱く方も多いでしょう。
一見、カジュアルな印象の1.5次会ですが、一口に1.5次会といってもその雰囲気はさまざま。工夫次第で、気軽な雰囲気の会にすることも、フォーマルな会にすることも可能です。
特に、親族や目上のゲストを招く1.5次会では、おもてなしが重要になります。親としては、新郎新婦の考えを尊重しつつ、ゲストに失礼がないよう、事前にある程度の内容は把握しておきたいものです。
本記事では、結婚式の1.5次会やそれに伴うご祝儀問題などのマナーについてご紹介します。
目次
そもそも1.5次会とは?
1.5次会でご祝儀はどうする
親はフォーマルな結婚式を希望している場合
1.5次会での注意点
最後に
そもそも1.5次会とは?
1.5次会とは、「披露宴より気楽で、二次会よりかしこまっている結婚パーティー」のことを指します。アレンジによっては、披露宴さながらの会にもカジュアルな会にもすることが可能です。
例えば、一般的な披露宴で行なわれる「ゲストのスピーチ」や「親への手紙の朗読」などの演出を取り入れると、フォーマルな印象になります。反対に、二次会のようにビンゴやゲームなどが中心であれば、カジュアルで気楽なパーティーが楽しめるでしょう。
1.5次会に、親族や職場の上司を招くのは問題ありません。しかし、招待予定のゲストの中に格を重んじる方がいる場合、工夫が必要になります。
多くの1.5次会では、会費制が採用されています。会費は「食事などの必要経費をゲストに自己負担していただく」イメージです。招待予定のゲストの顔ぶれや、会の内容次第で「会費制かご祝儀制にするか」を決めていきます。
一般的な1.5次会のパーティスタイルは、以下の3つです。
1:着席のコース料理
2:立食のビュッフェスタイル
3:着席のビュッフェスタイル
自由に移動できるビュッフェスタイルは、その手軽さが魅力です。しかし、ゲストによっては賛否両論があるでしょう。年配の親族や目上のゲストが多い場合は、テーブルや椅子を用意しておくなどの配慮が必要です。そのようなケースでは、フォーマル度が高い着席のコース料理スタイルが望ましいでしょう。
しかし、会費制でコース料理を取り入れると、採算が取れないことにもなりかねません。コース料理にする場合、ご祝儀制の1.5次会がおすすめです。
結婚式を1.5次会にする理由
1.5次会を開催するには、以下のようにさまざまな理由があります。
・海外などで身内だけの挙式だったので、国内でお披露目の場を設けるため
・新郎新婦のどちらかの地元で挙式を挙げ、日頃の生活圏で友人向けのウエディングパーティーをしたい
・カジュアルで個性的な結婚式にしたい
・会費制の1.5次会であれば、低価格の会費でゲストが参加しやすい
1.5次会にすることは、主催者側はもちろん、ゲストにとってもメリットがあるといえるでしょう。
1.5次会でご祝儀はどうする
一般的なご祝儀であれば、新郎新婦との関係性にもよりますが、相場は3万円です。一般的な1.5次会では、会費制を導入する方が多い印象で、相場は1~2万円程になります。前段で述べたように、会の内容やゲストの顔ぶれによって、ご祝儀制が導入されることもあります。
基本的に会費制であれば、ご祝儀はいただきません。ゲストには招待の段階で「ご祝儀は辞退すること」を伝えておきます。
しかし、親族であれば、会費制と伝えていてもご祝儀をくださる方もいらっしゃるでしょう。その場合は、一旦ご祝儀を受け取り、後日「内祝い」や「新婚旅行のお土産を贈る」などで対応します。
1.5次会がご祝儀制の場合、一般の披露宴と同様、引出物が必要です。品物の内容や品数については、地域により違いがあるケースもあります。相手の親の意見も尊重して、決めていきましょう。
親はフォーマルな結婚式を希望している場合
新郎新婦は気楽なパーティーを楽しみたいという意見でも、親としてフォーマルなものを希望される方もいらっしゃるでしょう。このような場合、どちらかの意見を押し通すのではなく、工夫次第でどちらも叶えられる方法があります。
ここでは、その問題を解決する手段である「ウエディングパーティーを二部制に分ける」という方法をご紹介します。
パーティーを二部制に
会を二部に分ける場合、以下のような流れが一般的です。
1:前半のパーティー(親族や目上の方をご招待)
2:挙式
3:後半のパーティー(友人が中心)
前半のパーティーは披露宴のようなスタイルで、親族や目上のゲストへのおもてなしを重視します。会費制ではなく、ご祝儀制でも良いでしょう。ご祝儀制の場合、着席形式でコース料理を提供し、引出物を用意するのが一般的です。
後半のパーティーは、親しいゲスト中心のカジュアルな会費制パーティです。多くはビュッフェスタイルで、引き出物は準備しなくても問題ありません。しかし、感謝の気持ちとして「プチギフト」を用意するのもおすすめです。
パーティーを二部制にすることで、親と子ども両方の希望が叶います。挙式を前半と後半の間に持ってくることで、どちらのゲストにも式に参列していただけるのも、嬉しいポイントです。
1.5次会での注意点
従来の結婚式と比べると気楽な印象の1.5次会ですが、何でもありなわけではありません。ここでは、1.5次会を行なう際の注意点をご紹介します。
ゲストには事前に詳細の説明を
親世代のゲストにとって、1.5次会はあまり馴染みのない結婚式の形式です。単に「披露宴と二次会の間のようなパーティー」だという説明だけでは、不慣れなゲストだと戸惑うこともあるかもしれません。
招待を打診する段階で、「会費」や「当日の服装」などを丁寧に説明しておくと、1.5次会に不慣れなゲストも安心でしょう。
お車代は用意するべきか
一般的なご祝儀をいただくスタイルの結婚式の場合、遠方からのゲストへのお車代は必要です。しかし、1.5次会の場合は明確なルールがありません。お車代を用意するのもしないも、主催者の気持ち次第といえます。
とはいえ可能であれば、ご祝儀制・会費制を問わず、遠方からのゲストには、お車代は用意する方が望ましいでしょう。遠方からのゲストは、来場に時間も費用もかかるものです。こちらの誠意を見せることで、相手に感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
何らかの事情で、お車代の用意が難しいこともあるかもしれません。その場合、招待する段階で相手にその旨を伝えておくと良いでしょう。ただし、そのようなケースでは「会費はいただかない」など、何らかの形で気遣いを見せる必要があります。
会費制でもそれなりの内容に
多くの方にとって、1.5次会は比較的、低価格で叶うイメージがおありではないでしょうか? しかし、予算を重視するあまり、ゲストへのおもてなしがおろそかになるのは考えものです。
おもてなしの内容が費用に伴っていない場合、「内容のわりに会費が高い。かなり節約してそうだね」と思われることもあります。そう思われては、今後の人間関係にヒビが入るかもしれません。
ゲストへのおもてなしは、料理やギフトなど、どれも会費に見合ったものを準備しましょう。親としては、満足なおもてなしかどうかなど、準備段階でしっかり確認しておくことが大切です。
親の挨拶回りはどうする
一般的な披露宴では、親がお酌しながらゲストに挨拶する「親の挨拶回り」はよく見られる光景です。カジュアルな印象の1.5次会の場合、親としては「挨拶回りをするべきか否か」は悩むポイントではないでしょうか?
結論を述べると、親の挨拶回りはなくても問題ありません。特に会費制であれば、親もゲストとみなされるため、「挨拶回りは不要」とされています。
しかし、結婚式の場は、日頃子どもたちがお世話になっている方が集う場所です。一言でも挨拶しておくと、「丁寧な親御さんだな」と好印象を残せるでしょう。
挨拶回りをしない場合、パーティー開会時のスピーチなどで、日頃の感謝を述べておくのもおすすめです。いずれにせよ、何らかの方法でゲストと接する機会は、あるに越したことはありません。
最後に
馴染みのない「1.5次会」となると、主催者側の立場であれば、不安に思われることもあるかもしれません。しかし、1.5次会はいわば「フォーマルとカジュアルのいいとこどり」ができるパーティーです。カジュアルな会でも、ゲストへの配慮をきちんとしていれば、皆が楽しめるパーティーになるでしょう。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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