日本で使われている通貨は“円” ですが、円は為替取引によって、様々な国の通貨に交換することができます。老後の資金準備をするために利用する金融商品のなかには、“円”だけに限らず外国の通貨を扱った金融商品も数多く存在します。

今回は、外国の通貨を利用した個人年金保険「外貨建て個人年金保険」について、そのメリット・デメリットを見ていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
外貨建て個人年金保険とは?
外貨建て個人年金保険のメリット
外貨建て個人年金保険のデメリット
まとめ

外貨建て個人年金保険とは?

外貨建て個人年金保険とは、外貨(ドルやユーロのような外国の通貨)で保険料の支払や、保険金・解約返戻金などの受取りを行う個人年金保険のことです。

基本的な仕組みは円建てと同じですが、円建ての個人年金保険にはない大きな特徴として、以下の3つがあげられます。

為替の変動リスクがある

通貨は為替市場で日々取り引きされていて、通貨間での為替レート(例えば、1ドルが130円といった1ドルに対する円の価値など)も日々変動しています。為替の変動リスクとは、為替レートの変動によって、外貨建ての資産や負債を自国の通貨に交換する際の金額が変動し、利益や損失が生じる不確実性のことを言います。

外貨建て個人年金保険に加入すると、1ドルが110円の時もあれば145円の時もあるといったように、外貨で支払った保険料や積立てた年金原資も、円に換算すると日々金額が変動します。

円に交換する際には、その時のレートが適用されるのが一般的ですので注意が必要です。

円建て商品とは金利や予定利率が異なる

各国の金利はそれぞれ異なりますので、当然日本と他国では金利が異なります。金利は個人年金保険の予定利率に影響があり、金利が高い国の通貨を扱っている個人年金保険の予定利率は、高めに設定される傾向があります。

外貨建て個人年金保険を選ぶ際には、どの国の通貨を選択するかで金利や予定利率が変わってきます。それぞれの通貨の金利動向を見極めた上で選択する必要があるのです。

通貨を交換する際に手数料がかかる

円を外貨に、または外貨を円に交換する際には手数料がかかります。為替取引における為替レートに、手数料を加味した「交換レート」で交換することになります。新聞やニュースなどの報道で発表される為替レートとは異なることを理解しておきましょう。

外貨建て個人年金保険のメリット

では、外貨建て個人年金保険に加入するとどのような「メリット」があるのでしょうか?

円建てよりも高い返戻率

日本では長年にわたり、ゼロ金利政策やマイナス金利政策など金融緩和政策が続けられています。その影響で世界的にみても金利が低い状況が続いています。

円建ての個人年金保険は低金利の影響を受け、予定利率が段階的に引き下げられてきた結果、支払った保険料に対する年金受取額の返戻率も低くなっています。しかし、日本より高い金利水準を維持している米ドルなどの外貨建て個人年金保険は、円建てよりも高い返戻率となる傾向があります。そのため、より効果的に老後資金を準備することが期待できるのは、外貨建て商品のメリットの一つと言えるでしょう。

ただし、この返戻率の高さはあくまでも外貨ベースでの話。円に換算するときの為替の状況によっては、返戻率の高さ以上に為替でマイナスになる可能性もあるということを、常に念頭に置いておかなければいけません。

保険料が割安

一般的に、予定利率が高いと保険料は低く抑えられる傾向にあります。外貨建て個人年金保険は、円建ての個人年金保険に比べて予定利率が高い商品が多いので、保険料も割安となる傾向があります。受取金額が同じであれば、より保険料が安い商品を選ぶことをおすすめします。

この場合も、為替リスクを考慮して判断すべきであることには変わりはありません。

資産の分散ができる

「円安ドル高」や「円高ドル安」といったように、円と外貨は相反的な関係です。そのため、外貨を併せて持つことにより、通貨の価値の上昇・下落に対してその影響を軽減できる可能性があります。外貨建ての個人年金保険に加入することで、資産を複数の通貨に分散し、通貨の価値の上昇・下落に備えることができるのも、メリットの一つと言えるでしょう。

外貨建て個人年金保険のデメリット

外貨建て個人年金保険に加入する際には、「デメリット」についても理解しておきましょう。

為替レートの変動による元本割れの可能性

年金の受け取り時に加入時よりも円高になっている場合。円換算の受け取り額は、加入時と同じ為替レートで計算した額よりも小さくなります。これにより、積立てた保険料総額よりも受け取ることができる年金総額が少なくなる、「元本割れ」をする可能性も考えられます。

加入の際には、十分なシミュレーションを行ったうえで、円換算したときに元本割れとなるレート、つまり「損益分岐点レート」を計算したうえで判断し、契約することが重要です。

様々な諸費用がかかる

外貨建て個人年金保険は、契約から年金受け取りまたは解約に至るまで様々な費用がかかります。主な費用としては為替手数料と解約控除費用があります。

<為替手数料>

保険料の払い込み時や保険金の受け取り時に通貨の交換をする際、為替手数料がかかります。

<解約控除費用>

やむを得ない事情で解約をする場合、解約控除費用がかかります。解約控除費用を差し引くと、解約返戻金は支払った保険料総額よりも少ないケースがほとんどとなります。安易に解約することができません。

この他にも、契約時にかかる契約初期費用や契約の維持・管理費用、年金管理費用などがかかるケースもあります。諸費用の内容を詳しく把握しておく必要がありますね。

まとめ

外貨建て個人年金保険は、高い返戻率を期待できる反面、為替レートや金利などの影響があります。そのため、商品選びの際には円建ての個人年金保険よりも複雑に感じることでしょう。「メリット」と「デメリット」を十分に理解するためにも、お金のプロであるFPに相談することをおすすめいたします。

資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行われています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて、色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか? さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

保険や金融商品を「販売しない」独立系のFPは、中立的かつ客観的な立場から相談に乗り、あなたのライフプランに合った正しい選択肢を示してくれます。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

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