はかなくも余韻あふれる風味豊かなモンブランクリームは和栗の真骨頂。
その質に魅せられ、個性を際立たせる各地のモンブラン喫茶をご案内。
栗の名産地・小布施にある老舗の味を気軽に味わえる
カフェ&バー ぺしゃわーる(東京・日本橋)
東京・日本橋のビル街の地下にひっそりと佇む、昔ながらの喫茶店が『カフェ&バー ぺしゃわーる』だ。店の名付け親は作家の井上靖だ。ペシャワールは、シルクロードにあるパキスタンの商業都市である。井上靖は店がオフィス街のオアシスになるようにと、この名を贈ったという。
昼間は喫茶店、夜はバーになる店であるが、店長の水野雅之さん(58歳)はこう語る。
「じつは昼間も、少しならお酒が飲めますよ(笑)。お出ししている『小布施堂』のモンブランは、白ワインともよく合うんです」
『小布施堂』といえば、栗の産地である長野県小布施町にある栗菓子の老舗。同店のモンブランのファンは全国に多く、百貨店などでの催事販売で人気を集める。それが、いつでも食べられるのだ。
老舗のケーキを通年で提供
標高約40mm 直径約60mm
「ご縁がありまして、東京の喫茶店で『小布施堂』のモンブランを常時、お出ししているのは当店だけです」(水野さん)
『小布施堂』のモンブランを通年で供する、知る人ぞ知る店が、ここ『ぺしゃわーる』なのである。
モンブランファンならば、一度は訪れ、味わってほしい。
カフェ&バー ぺしゃわーる
東京都中央区日本橋3丁目1-4 日本橋さくらビル地下1階
電話:03・3242・1212
営業時間:11時〜23時30分最終注文(19時よりバータイム)
定休日:日曜
交通:東京メトロ銀座線日本橋駅より徒歩約2分、東西線日本橋駅より徒歩約3分 28席。
取材・文/宇野正樹 撮影/多賀谷敏雄、寺澤太郎
※この記事は『サライ』2022年10月号より転載しました。