老後の資金を準備するための「道具」の一つとして個人年金保険を活用する場合、どのようなポイントで選べば良いのでしょうか? そもそも、個人年金保険に加入したほうが良いのかわからない人も、多くいらっしゃるかもしれません。
今回は、個人年金保険の選び方のポイントや、そもそも個人年金保険の加入をおすすめする人、おすすめしない人についてみていきましょう。
100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
個人年金保険の選び方
個人年金保険がおすすめの人
個人年金保険がおすすめではない人
まとめ
個人年金保険の選び方
個人年金保険を選ぶポイントについて見ていきましょう。忘れてはならないのは、個人年金保険が「長生きリスク」をカバーする保険商品であり、老後の資金準備を目的としているということです。
ライフプランを考える
老後資金とは、リタイア後の日常生活費や旅行などの目的に沿った資金のこと。いつ・いくら必要となるのかがわからなければ、適切に資金を準備することはできません。そのため、まずは自分自身のライフプランを作ってみることをおすすめします。
ライフプランが明確になることで、必要な金額と必要な時期を把握することができるので、老後の資金準備に向けてどのように個人年金保険を活用すればよいかを知ることができます。選ぶポイントを4つご紹介しましょう。
1.受取期間
受取期間は、主に「終身年金」と「確定年金」の2つの種類に分かれます。終身年金は、その名の通り一生涯受け取ることのできる年金です。それに対して確定年金は、5年・10年・15年などから受け取り期間を選ぶ年金です。目的に合わせて受け取り期間を設定しましょう。
2.返戻率
返戻率は、次の式で求めることができます。
「返戻率=年金受取総額÷払込保険料総額×100」
払い込んだ保険料に対して、どのくらいの割合で年金を受け取ることができるのかを把握しましょう。
3.運用通貨
運用する通貨は、「円建て」と「外貨建て」があります。為替差益や予定利率などを考慮して、より効率的な商品を選びましょう。
4.保険料の払い込み方法
個人年金保険の保険料控除を受ける条件を満たすためには、一時払いではなく平準払い(月払いや年払い)を選択します。10年以上の期間払込を継続する必要がありますので、保険料の払い込み方法を選ぶときは注意が必要です。
個人年金保険がおすすめの人
それでは、どのような人が個人年金保険に加入すると良いのでしょうか。ここでは「個人年金保険がおすすめの人」について見ていきましょう。
貯蓄が苦手な人
個人年金保険は、途中で解約すると解約返戻金が支払った保険料より少なくなるケースがほとんどですので、できれば解約は避けるべきです。解約できないとなると、貯蓄が苦手な人にとっては、老後に向けて強制的に貯蓄できるということが大きなメリットとなるでしょう。
老後資金を準備しつつ節税したい人
加入する個人年金保険に「個人年金保険料税制適格特約」が付いている保険は、個人年金保険料控除の対象。保険料を負担した人の所得から、一定の金額を控除することができます。「一般生命保険料控除」とは別枠での控除となるため、メリットとなります。老後資金を準備しつつ節税したい人にはおすすめです。
続いて、「個人年金保険料税制適格特約」が付いていない年金保険は、「一般生命保険料控除」の対象になります。より節税効果を得たい人は、保険会社に確認してみましょう。
資産運用はハードルが高いと思う人
公的年金の上乗せとして、iDeCoやつみたてNISAなど、自分自身で資産運用を取り入れて準備している人もいます。しかし、資産運用はリスクを伴いますので、場合によっては元本割れしてしまうケースも考えられます。そのため、資産運用はハードルが高いと思われる人にとっては、比較的リスクの小さい個人年金保険はおすすめと言えるでしょう。
しかしながら、今や資産運用は老後の資金作りには欠かせないものとなってきていることも事実です。資産運用の正しいやり方については、ファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談されることをおすすめいたします。
個人年金保険がおすすめではない人
「個人年金保険がおすすめではない人」についても見ておきましょう。
老後の資金を賄える人
公的年金以外に収入を見込めることや、預貯金が十分に準備できることで老後の生活費や旅行などの目的に沿った資金を賄える人は、個人年金保険に加入する必要がないためおすすめではありません。
家計に余裕がない人
家計に余裕がなく、積み立てる保険料の支払いが困難になる可能性がある人にはおすすめできません。基本的には老後の資金作りが目的ですので、継続的に積み立てていくことが大事だからです。
その他にも、結婚や子供の教育、住宅の購入などライフプランが大きく変化する可能性がある20代や30代の人は、保険料の支払いが困難になるケースも考えられます。しかし、若いうちから加入することで、より多くの年金原資を積み立てられることはメリットとも言えます。
個人年金保険の加入を検討する際には、自分自身のライフプランを作り、自分自身の経済状況に合わせた形で加入することをおすすめいたします。
まとめ
個人年金保険の選び方や具体的な商品設計(掛金払込期間や年金額など)を考える際には、まず自分自身のリタイアメントプランを含めたライフプランを把握することが重要です。自分でライフプランを作ることが難しい場合は、専門家であるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめいたします。
資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行われています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて、色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?
さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。 保険や金融商品を「販売しない」独立系のFPは、中立的かつ客観的な立場から相談に乗り、あなたのライフプランに合った正しい選択肢を示してくれます。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)
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