別れは突然にやってきます。心の準備をしていたとしても、別れは唐突なものです。きっと、あなたの悲しみは計り知れないことでしょう。深い悲しみの中にあるにも関わらず、追い討ちを掛けるように、対処を迫られる事柄が次々と襲ってきます。

さて、もしあなたが今、葬儀の当事者となったとして、先ず、何をしなければならないのかおわかりでしょうか? また、葬式を執り行うまでにどれだけの事を、いつ迄にすべきなのか? ご存知ですか?

葬儀参列者であったら知らなくても済むことが、葬儀の当事者となった途端に「知らない」「適当に」にでは済まされない事が随分とございます。

難しい事、厄介な事は「葬儀の専門家に全部お任せ」と考えておられるかもしれません。しかし、実はそうは参らないのです。葬儀の当事者になった時、葬儀の専門家に“任せられる事”と“任せらない事”は、予め理解しておくべきかと存じます。

そこで、この記事では葬儀の日程について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。

目次
ご逝去後の流れ
お通夜〜告別式まで
告別式後
まとめ

ご逝去後の流れ

お亡くなりになられてから、忌明け・納骨までの流れをご説明いたします。

ご臨終

まず、ご逝去後の流れですが、お亡くなりになられる場所によって対応が異なります。以下大きく3つに分けて解説します。

・病院でお亡くなりになった場合

病院にて死亡確認後、担当医師が死亡診断書を作成します。こちらは後の手続き等で必要となりますので、忘れずに受け取り保管しておきましょう。

・ご自宅でお亡くなりになった場合

かかりつけの医師に来ていただき、死亡診断書を受け取り、保管します。

かかりつけの医師が居られない場合は、救急車を手配して病院に搬送してもらいましょう。その後は同じく死亡診断書を受け取ってください。

・事故でお亡くなりになった場合

警察からのご遺体の引き取り指示に従います。場合によっては、検死に数日かかることも。検死後に死体検案書を受け取ります。

ご遺体の移送・安置

お亡くなりになられた場所から、ご遺体を安置する場所に移送を行います。移送に関しては、葬儀社か、搬送を専門に行う業者に依頼。許可を受けていない車で移送することは法律上で禁止されています。

枕飾り・神棚封じ

葬儀までの間、ご遺体が眠る元に白木の机とお膳・仏具を置いた「枕飾り」を用意します。精進の食事を供え、灯明、線香をあげます。ご自身で用意出来ない場合は、葬儀社に依頼しましょう。

ご自宅に神棚がある場合は、神棚の戸を閉め、半紙を張ります。これが「神棚封じ」です。仏教の場合、お仏壇の戸に関しては閉じる必要はないと考えられておりますが、念のため寺院に確認してください。

寺院への連絡

檀家の寺院に連絡を取り、枕経の依頼をします。檀家でない場合は葬儀社に依頼しましょう。枕経は極力地味な服装で、数珠を手にお参りをします。

葬儀内容の決定

お亡くなりなられてからお通夜までの間に葬儀内容について詳細を決めなければなりません。時間のない中、詳細にわたり決定する事柄があります。

大まかな流れとしては以下の通りです。

・喪主の決定(故人に最も近い続柄の人がつとめることになります)
・葬儀の日時、葬儀の場所の決定(関係者での日程調整と葬儀会場)
・葬儀の規模、費用の決定(会葬者の人数、葬儀の内容によってだいたい決まる)
・葬儀の段取りを行うお世話役の決定(親しい関係者にお願いする)

関係者への連絡

関係者への連絡は、お世話役の方にお願いするのがいいでしょう。以下の通りに訃報連絡をしていただきます。

・ご親戚や故人が特に親しかった方々
・故人や遺族の会社など関係先
・町内会長へお知らせし、町内会を通じて連絡
※自宅で葬儀をする場合、近隣のご迷惑をお掛けするお宅には、直接出向いてご挨拶します。

納棺

「納棺」に関しては葬儀社が執り行います。「納棺」の際にはご遺体のまわりに、故人が生前愛用されていた遺品などお納めします。

お通夜〜告別式まで

最近では「お通夜」と「葬儀・告別式」を一日で終えてしまう一日葬というものもありますが、原則は「お通夜」と「葬儀・告別式」はそれぞれ違う日を設けます。通常は亡くなられた翌日がお通夜で、その翌日が葬儀・告別式です。

日取りに関してよく言われるのが、「六曜」との関係性。じつは「六曜」とは中国の占いが元となっているもので、仏教においてはその関連や根拠がなかったりします。よって葬式の日取りで重視することではないのです。

ただし、風習として避けられている「六曜」も存在します。それは「友引」。その言葉通り、友を引くということから親しい方が故人の道連れとなるとして「葬儀・告別式」の日としては避ける傾向にあります。なお、「お通夜」は関係ありません。

葬儀

お通夜

お通夜の大まかな流れとしては以下の通りです。なお、葬儀・告別式の流れもほぼ同様となります。

・受付
・参列者着席、僧侶入場
・開式
・読経
・焼香 ※読経の後、法話がある場合があります。
・通夜ぶるまい(弔問に対する返礼と清めの意味) ※供養菓子などでお持ち帰りいただくケースもあります。
・灯明線香のお守り

葬儀・告別式

「葬儀」はご遺族、ご親戚、特に親交のあった方々が故人の冥福を祈る儀式であり、「告別式」は一般の参列者が故人との別れを惜しむための儀式です。一般的には「葬儀」と「告別式」を併せて行います。「葬儀・告別式」の流れも「お通夜」と近いものになります。

お別れ・ご出棺

告別式が終わりますと、生花などを棺の中に捧げて別れを惜しみます。その後、喪主からの挨拶となります。挨拶の内容は以下3点に触れるといいでしょう。

・会葬に対するお礼
・故人の生前中の厚情に対する感謝
・遺族に対して変わりない交際のお願い

挨拶には近親者と位牌、骨箱、写真を持つ方が喪主の横に立ちます。その後、斎場に向けて出棺となります。

火葬・お骨あげ

斎場へ到着しましたら、まず火葬手続きをします。「火葬許可書」は忘れずに。忘れてしまうと、火葬が出来ませんのでご注意ください。

火葬場での流れは下記になります。
・読経
・焼香
・着火 ※火葬には、1時間程かかりますので、斎場待合室で時間待ちをします。
・お骨上げ(収骨)
その後、収骨した遺骨を持ち、葬儀場へ帰ります。
・遺骨を中陰飾りの祭檀に安置し、灯明をつけ、線香
・読経

告別式後

告別式は火葬、お骨上げを持って終了です。最近は告別式のあとに「初七日法要」を執り行うこともあります。これを「繰上げ初七日法要」といいます。ただし、本来は亡くなられてから7日目に行います。

仕上げ

ご親戚の方などにお食事などでおもてなしをすることを、「仕上げ」と呼びます。親戚関係や葬儀で特にお世話になった方々を招きます。

お逮夜・忌明け

亡くなられてから数えて7日ごとの日を「忌日」といいます。「お逮夜(おたいや)」は、その忌日の前夜に法要として行うもの。僧侶に読経をお願いし、法話もしていただきます。

「忌明け」とは、一説では人が亡くなって次の生を得る間の期間をいい、49日間であると言われています。この49日目に「忌明け」として「四十九日法要」を執り行いますが、三十五日で「忌明け」とする場合もあります。

「忌明け法要」が終わりましたら、忌明挨拶状及び香典返しの手配を済ませましょう。

納骨

遺骨を「納骨」するのには定められた日がありません。もちろんお墓がないと「納骨」出来ませんので、その場合はお墓ができるまでの間、ご自宅などで安置します。

「納骨」を行うためには必ず市町村役場で「埋葬許可証」か「埋火葬証明書」を発行してもらい「納骨」時に霊園の管理事務所などに提出。

お墓がある場合は、「四十九日法要」と併せて行いましょう。僧侶と日程を調整して決定、納骨時にはお墓の前で読経をします。

まとめ

身内が亡くなるというのは、とてもつらいことです。そのつらい状況の中で、これだけの儀式の詳細を決めて実行していかなくてはなりません。今回は流れだけをご説明させていただきましたが、それぞれにまだまだ細かな決め事がたくさんあります。

「悲しむ暇もない」とはよく言ったもので、葬儀の「お勤め」をすることは、故人に対する善い行いで締めくくるためのものなのかも知れません。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com
京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

 

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