戒名

人間、何歳になっても知らない事は沢山あるものです。そんな知らない事の中には「今更、別に知らなくてもいいか!?」と、面倒臭く思っているようなことも随分とあります。しかし、そう思っていると突然必要に迫られるなんてこと、よくありますよね。

そんな時、慌てて誰かに尋ね聞いて事が足りるかというと、そうは問屋が卸さない。「知らなくても、恥ではない」と思っているとしても、だからと言って「適当に……」とか「省略する」なんてできないのが葬儀に関わること。

ある程度の年齢になりますと、いつ不幸が起こるかわかりません。普段必要としない「葬儀に関する作法・知識」も身に付けておきたいところです。

そこで、この記事では「戒名」について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。

目次
戒名の意味とは
戒名のつけ方
宗派別における「戒名」のつけ方
戒名をつけていただく相場
まとめ

戒名の意味とは

位牌に刻まれた「戒名」。亡くなると必ずと言っていいほど命名される、「戒名」……。あの世の世界でのお名前だということは、認識されている方も多いと思います。では、「戒名」がなぜ必要なのか? など普段あまり意識しないことについて、この記事では解説していきます。

戒名の由来

「戒名」の「戒」は「戒め(いましめ)」という意味です。仏教の世界では、修行する上で守るべき「戒律」のこと。「戒名」は仏教の教えを学び、この「戒律」を守ることを約束した証として与えられる名前です。つまり、本来は仏弟子となって仏門に入られた方が、その証として僧侶から与えられるものでした。

日本では江戸時代に檀家制度が発展し、家ごとに特定の宗派、寺院に所属するように命じられました。これが菩提寺と言われるものです。この菩提寺が、先祖供養の意味で亡くなられた方にも「戒名」を与えるようになっていきました。

このように、故人に対し「戒名」をつけるのは日本独特のものです。

そもそも戒名は必要なのか?

仏式のお葬式では、「戒名」が必要になります。特に、先祖代々のお墓が菩提寺にある方は絶対に必要です。お墓は菩提寺の土地にあります。その土地の持ち主である菩提寺には仏式のルールがありますので、それに従わなければなりません。

ただし、仏式のお葬式をしない場合は、必要ありません。他の宗教を信仰している場合は、その宗教の教えに従います。また、仏式のお葬式をするけれども、寺院のお墓に納骨しない場合も不要である場合がございます。

「戒名」をつけない場合は、公営の墓地や永代供養を使われる方もいます。

戒名のつけ方

「戒名」は、生前の故人の生き方を反映して命名されます。ただし、位づけを表すものはなく、あくまで故人の宗教に対する信仰心やご本人の人柄を表すもの。先祖代々のお墓に入られる場合や夫婦で同じ墓に入られる場合は、位を同じものにいたします。

戒名に名づけのルールはあるの?

各宗派によって違いはありますが、それぞれに名づけのルールがございます。一般的な「戒名」の構成は、「院号+道号+戒名+位号」からなります。「戒名」を構成する号の意味や、どのような文字を使うのかをひとつずつ解説していきましょう。

・院号/印殿号(いんごう/いんでんごう)

「戒名」の一番上につきます。皇族や貴族、社会的な貢献度合いが高い人に与えられるものです。「〇〇院」、「〇〇院殿」と表しますが、この号はすべての人につくものではございません。

・道号(どうごう)

道号は悟りを開いたものに与えられます。院号/院殿号がついていなければ、一番上につきます。こちらは、故人の生前の人となりを表すもの。人柄や趣味、場所などを表す文字がつけられます。

水子や幼児、未成年者に対してはこの道号はつけられません。

・戒名

号がすべて合わさったものも「戒名」ですが、道号の後に授けられる2文字も戒名といいます。お浄土の世界における仏弟子としての新しい名前を意味します。俗名(生前の名前)から取った文字や仏様、仏典から取った文字、先祖代々から受け継いでいる文字、生前の職業を連想させるような文字がつけられます。

・位号(いごう)

現代で言う敬称を意味する文字です。社会的な貢献度や社会的な地位、信仰心などによって位号のランクが異なり、さらに性別によって名称が分かれます。

男性の場合は、大居士、居士、信士の順のランク付け。女性の場合は、清大姉、大姉、信女の順でランク付けとなります。

また、水子・幼児・未成年者は、性別と年齢でおおよそ位号が決まります。15歳くらいまでの男児が童士、大童士、4~5歳以下が、幼児、嬰児、孩児、15歳くらいまでの女児が童女、大童女、4~5歳以下が、幼女、嬰女、孩女となります。水子や乳児は、水子となります。

自分で名づけるのは可能?

「戒名」は自分でつけてはいけない、という法律やルールはありません。本来は「戒名」は「受戒」といって僧侶から与えられるものです。ご自分でつけられる場合は勝手につけるのではなく、菩提寺の僧侶に相談されるほうが良いでしょう。

戒名とは

宗派別における「戒名」のつけ方

「戒名」は各宗派によって若干異なります。ですから、そのルールがわかっていれば、どの宗派に属しているかはすぐにわかるようになっています。特徴的な文字が「戒名」の中に入るからです。

真言宗

「アの梵字」がつきます。大日如来(だいにちにょらい)を意味します。真言宗では大日如来であることを表します。ただし幼児の「戒名」は、地蔵菩薩を意味する「カの梵字」になります。

梵字+院号+道号+戒名+位号

浄土宗

「誉」の文字がつきます。この文字は、念仏の教えを受けた証です。菩提寺によっては、道号をつけずにこの「誉」がつくケースも。浄土宗では白木の位牌を使いますが、その一文字目に阿弥陀如来(あみだにょらい)を表す「キリークの梵字」を使うこともあります。

院号+道号+誉号+戒名+位号

浄土真宗

浄土真宗では、「戒名」ではなく「法名」が与えられます。道号も位号もございません。その代わり法名の前に、釈(釋)の文字が入ります。以前、男性は釈(釋)で、女性が釈(釋)尼でしたが、いまは男女とも釈(釋)となります。

院号+釈号+法名

日蓮宗

日蓮宗では「戒名」ではなく、仏弟子になった証として「法号(日号)」が与えられます。法号には「日」の文字が入ります。道号は、男性は「法」、女性は「妙」の文字が使われます。

院号+道号+法号+位号

曹洞宗・臨済宗

曹洞宗と臨済宗の場合は、戒名の頭の文字として「新帰元」。「新円寂」「帰真」などとつけることもあります。これは新しく仏になったことを意味し、葬儀の際の白木位牌のみにつけるため、本位牌においては記入しません。

院号+道号+戒名+位号

天台宗

天台宗では、戒名の上に「アの梵字」または「キリークの梵字」を入れる場合があります。小児の場合は「カの梵字」を入れます。「アの梵字」は、大日如来を表し、「キリークの梵字」は阿弥陀如来、「カの梵字」は地蔵菩薩を表します。

(梵字)+院号+道号+戒名+位号

戒名をつけていただく相場

戒名をつけてもらった際にお支払いするお布施の相場は、さまざまです。菩提寺によって戒名料不要とするところもございます。一般的には戒名の位号により下記のような相場になっています。

・院号・法院号:約100万円以上
・居士・大姉:約50万円から80万円くらい
・信士・信女:約10万円から50万円くらい

※上記に示した相場は、あくまでも目安です。

まとめ

「戒名」とは、仏弟子として仏門に入られた方々に授けられるお名前。我々は死を迎え極楽浄土に向かう時に、このお名前を呼ばれるのでしょうか? 生前の人柄や職業などその人となりを理解していただける。そして我々は俗世で使っていた名前を思い出す。そう思うと生前に立派に生き切ることの大切さを、この「戒名」が教えてくれているのかもしれません。

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

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