取材・文/ふじのあやこ
家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。
今回お話を伺った友美さん(仮名・42歳)は31歳のときに4歳下の男性と結婚。現在は子どもと3人暮らしをしています。表面的には3人暮らしと言っているものの、ほぼ4人暮らしの生活だと訴えます。
「近くで暮らしている義父が毎日家に来るのです。義母が亡くなってから義実家を手放して、私たちの近くに引っ越してきたのですが、義母を亡くした寂しさもあるでしょうし、私たちには同居を断った罪悪感もあり、強く言えないままほぼ同居状態になってしまいました。もう我慢も限界なんです……」
叔母という力強い存在が家族を何度も救ってくれた
友美さんは大阪府出身で、両親との3人家族。父親は29歳のときに病気で亡くなっていますが、それまでの家族仲は良好。現在母親は独身の叔母と2人暮らしをしていると言います。
「父親は内臓疾患があって、ずっと入退院を繰り返していたので、覚悟は母も私もずっと心の片隅にありました。父はラグビーが好きで家からそんなに遠くない場所にラグビー場があったこともあり、家族で観戦によく行っていました。旅行なども好きだったし、思い出はたくさんあります。
母親は父が亡くなった直後は元気がない時期もありましたが、元々社交的で友人が多い人だったし、母は妹(友美さんから見て叔母)とずっと仲良しだったこともあり、すぐに2人暮らしを始めて、今はとても楽しそうです。叔母はずっと働いてきたキャリアウーマンで、色んなところに連れていってもらっているみたい。私と叔母も仲良しで交流があるので、私の子どもも2人のおばあちゃんにとても懐いています」
叔母のおかげで親の老後に対しての不安もなくなったとのこと。
「ずっと第一線で働いている人なので、資産は相当なものだそう。一度老後について叔母から話を振られたことがあるのですが、『私の老後はもちろん、姉のこともなんとかなるぐらい持っているから安心して』と言われました。叔母が暮らしている家は持ち家で、老後はそれを処分してお世話をしてくれる施設への入居を考えているらしいのです。私は一人っ子で、親のことは1人でなんとかしなければと思っていたので、その言葉は心を軽くしてくれました。もちろん、全部任せるつもりはなく、できる限りのことはするつもりです」
【結婚したとき義両親は40代。サバサバした雰囲気に、うまくやっていけると思っていた。次ページに続きます】