度を越さない限りは、うるさい家族の方がトク
意見を伝えるタイミングですが、「これはおかしいのでは」と思うことが積み重なって、まとめて言うのではなく、気づいたときにその都度言っておいた方がいいと思います、
言うことで、親が不利な扱いをされることはありません。というより、あってはいけないのです。制度として、不利な扱いは禁止されています。ホームと契約するときに渡される重要事項説明書にも書いてあるはずですので、読んでみてください。
では、何も言わないご家族より、物言うご家族の方が、職員が丁寧に対応するから、トクだと言えるのか? これについては、“クレーマー”といわれるほど度を越すことがなければですが、“うるさい家族”がいると職員に周知されれば、それなりに気配りはしてもらえるでしょう。
しかし、何も言わないご家族だからと、放っておかれるというのは別問題です。それはダメなホームの典型。ホームの介護の質が問われることになります。
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今回は“うるさい家族”はトクなのか、考えてみた。結論としては、常識的な範囲内なら「うるさい家族はトク」と言えそうだ。
ポイントは
1 落ち着いて、高圧的にならず
2 リーダー以上の職員か施設長に
3 気がついたことがあればその都度
意見や要望を伝えること。
最初からあきらめることなく、それでも100点は目指さず、改善してくれればもうけものくらいの気持ちで要望を伝えてみてはどうだろうか。その一言が、ほかの入居者や家族のためにもなるかもしれないのだから。
取材・文/坂口鈴香
終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終活ライター”。訪問した施設は100か所以上。20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。