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文・石川真禧照(自動車生活探険家)

端正な姿形に世界屈指の新技術を秘める。ディーゼルエンジンの技術を応用し、ピストンの圧縮による自然着火を活用。さらにモーターを組み合わせることで、燃費がよく加速性能の高い車が生まれた。

現存する五重六階の木造天守として日本最古の国宝松本城を背景に。SUV屈指の美しさを誇る。

静かに、なめらかに加速。“密”を避ける最新の移動手段

マツダ「CX-30」は昨年9月に発売された4輪駆動のSUV(多目的スポーツ乗用車)だ。全高は1550mm未満で立体駐車場に駐車でき、最低地上高が175mmと高いので不整地も走りやすい。

今回試乗したのは、今年1月に加わったマイルドハイブリッド車。ディーゼル車のような「圧縮着火」を活用した新開発の2Lガソリンエンジンに、モーターを組み合わせ、発進時や追い抜き時のなめらかな加速性能を誇る。以前から1.8Lディーゼルエンジン搭載モデルの静粛性や低回転域での力強さが高評価を得ていたが、この新動力源も魅力的だ。

全高は1550mm以下に抑え、最低地上高は175mmを確保。この数値はガソリン、ディーゼル、FF、4WDにかかわらず全モデルに共通。車体色は8色。渋い上質な色が用意されている。

マツダの最近の車づくりの特徴は、改良点や改善点を短期間で実車に反映させるところにある。1年か2年に1回の小改良というのがこれまでの日本車の習慣だったが、マツダの技術陣は実用化の目途がついたら可能な限り早期に実車に展開する。「最新の車が最良」とはドイツのスポーツカー、ポルシェの考えだが、マツダも同じ手法を採り入れている。

実際に信州松本を中心に近郊を走行してみた。新エンジン+モーターは、高速道路から山あいの峠道まで力強い。山道を走っても13.1km/L、高速走行では21.1km/Lほどと、燃費もよい。

着座位置はやや低め。中央のナビ画面は見やすい位置にあるが上下幅が狭い。変速機は欧州市場での需要が大きい手動方式も選べる。
XLパッケージの白色本革シート。おしゃれな内装だが、とくに後席は体が滑りやすく落ち着かない。布製のほうがおすすめ。

スマホで鍵のかけ忘れを防ぐ

スマートフォンと車を連動させておくと、鍵のかけ忘れや駐車場所を教えてくれ、スマホ上で鍵をかけたりナビの設定ができる。

事故でエアバッグが作動したり、万が一の時に車内の「SOS」ボタンを押せば、位置情報が車から発信され、オペレーターが警察や救急車両を手配、さらに近隣の販売店にも連絡をしてくれるという。

外観の端正なデザインは、日本の古き良き風景によく似合う。車体が大きくないので、狭い路地や山道もじつにスムーズに走ることができる。

日本遺産認定、中山道奈良井宿(長野県)で。江戸時代そのままの町並みを背景にしてもCX-30はよく映える。

車でこのような旅をしてみると、いくつか感じることがある。まず、バスや列車の出発時刻を気にしなくて済む。気に入った景色の場所や美術館などで、好きなだけ滞在することができる。重い荷物や長尺物でも、積んでしまえば難なく移動することができる。どこででも休憩できるし、状況が許せば泊まることさえできる。

しかも最近は、他人との接触を避けての移動や、充分な換気をしながらの移動を心がけなくてはならない。車であれば“密”を避けることができるので気持ちがラクになる。町の喧騒やインターネット越しの情報洪水を離れ、静かに車で移動する時間は、日常のなかの至福のひとときでもある。

運転中の車内はとても静かである。アクセルを少し踏み込むとなめらかに力強く加速する。CX-30でドライブをして、改めて車の良さを感じた。安全性、先進技術、利便性を考えると、最新の車には感心する部分が多い。

「世界で一番美しいSUVをつくる」を目標に、ヘッドライト回りの造形にも配慮が行き届く。鋭いメッキ部が美しい。
車体外板や室内だけでなく、ボンネット下のエンジンルームまでデザインされている。遮音効果も考えたカバーが全面に付く。

マツダ/CX-30 XLパッケージ 4WD
全長×全幅×全高4395×1795×1540mm
ホイールベース2655mm
車両重量1530㎏
エンジン水冷直列4気筒DOHC、1997cc
最高出力(モーター) 180PS/6000rpm(6.5PS/1000rpm)
最大トルク(モーター) 22.8kg-m/3000rpm(6.2kg-m/100rpm)
駆動方式4輪駆動
燃料消費率16.4km/L(WLTCモード)
使用燃料無鉛プレミアムガソリン、48L
ミッション形式6速手動変速機
サスペンション前:ストラット式 後:トーションビーム式
ブレーキ形式前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
乗車定員5名
車両価格371万3600円(消費税込み)
問い合わせ:コールセンター 0120・386・919

文/石川真禧照(自動車生活探険家)
撮影/佐藤靖彦

※この記事は『サライ』本誌2020年11月号より転載しました。

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