人はそれぞれの生まれ干支により、本尊が定められているという。たとえば、子年であれば千手観音菩薩、丑と寅年は虚空蔵菩薩といった具合だ。いわば、自分用の本尊というべきもので、「お守り本尊」「守護仏」などと呼ばれ、八体の本尊で十二支の生まれ年を網羅する。この本尊を日々尊び慈しむことで、さまざまな厄災を逃れ、幸運に導いてくれるとされる。
紹介するのは、八本尊を小さな厨子に納めた「手元仏像」。銅器をはじめとする金属産業が盛んな、富山県高岡市の職人が手がけた逸品だ。重量感のある亜鉛合金で象られた仏像は、どれも精緻な造りで穏やかな表情を見せる。
この厨子を家の一角に飾り、小さなお堂と見立てれば、お寺参りがかなわない時期も日々、自分を守る仏様に手を合わせることができる。
線香と香立てが付く。香の香りに包まれた本尊を見つめていると、いつの間にか心が穏やかになっていくのを感じる。
【今日の逸品】
十二支のお守り本尊 手元仏像
ナガエ(日本)
11,000円(消費税込み)