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文/石川真禧照(自動車生活探険家) 

米国シリコンバレーに本拠を置き、最先端のリチウムイオン電池搭載の電気自動車を開発する「テスラ」が、変革期を迎えた自動車界で先頭走者に躍り出ようとしている。その最新車両に試乗した。

テスラが開発した4番目の電気自動車。中型の4ドアセダンなので、日本でも使いやすい。後輪駆動と4輪駆動車がある。

テスラが開発した4番目の電気自動車。中型の4ドアセダンなので、日本でも使いやすい。後輪駆動と4輪駆動車がある。

電池とモーターの力で走る電気自動車は、走行中に排出ガスを一切出さない。そのことから環境にやさしい乗り物として注目されている。電気自動車においては、日本は日産自動車が他社をリードしているが、世界に目を向けてみると、米国のテスラが先頭を走る。2003年にカリフォルニア州で創業したテスラは、高性能な電気自動車のほか、ソーラーパネルや家庭用蓄電池も手がけている。

かつて電気自動車といえば、近距離移動用の小型車が実用化されているだけだった。しかしテスラは、パナソニックとともに高性能なリチウムイオン電池を開発し、ふたり乗りのオープンスポーツカーを生み出した。最高速は200km/h以上。加速性能はフェラーリやポルシェと同等で、一回の満充電で走行できる距離は350km以上。2008年に約1000万円で販売され、たちまち完売した。

全長は4.7m弱。日本の5ナンバー基準サイズだ。車体は鋼板とアルミニウムを組み合わせている。床下には電池が敷きつめられている。

全長は4.7m弱。日本の5ナンバー基準サイズだ。車体は鋼板とアルミニウムを組み合わせている。床下には電池が敷きつめられている。

さらに2012年には5人乗りの中型セダンを、同年、全高の高い中型SUVも発売した。どちらも最高速が時速250km/h以上という圧倒的な高性能を誇った。日本国内ではモデルS、モデルXで、現在も販売されている。

⬆⬅テスラ車の特徴のひとつが大画面のタッチスクリーン。15インチサイズの画面で、空調の調節や走行モードなどを操作できる。

テスラ車の特徴のひとつが大画面のタッチスクリーン。15インチサイズの画面で、空調の調節や走行モードなどを操作できる。

 

室内は欧州車や国産上級車とくらべると質素で味気ないが、米国車を知る人には見慣れた室内。前後座席ともに座り心地はよい。

室内は欧州車や国産上級車とくらべると質素で味気ないが、米国車を知る人には見慣れた室内。前後座席ともに座り心地はよい。

 

エンジンがないので車体の前後に荷室が設けられている。ただし前部(上)のスペースはあまり広くない。車体後部の荷室(下)は、深さ30cmの床下収納もあり、収容力は高い。

エンジンがないので車体の前後に荷室が設けられている。ただし前部(上)のスペースはあまり広くない。車体後部の荷室(下)は、深さ30cmの床下収納もあり、収容力は高い。

後席の背もたれは分割して倒せる。背もたれを前に倒すと、後部荷室と一体になる。床も均一面になり、長尺物も積める。

後席の背もたれは分割して倒せる。背もたれを前に倒すと、後部荷室と一体になる。床も均一面になり、長尺物も積める。

日本サイズの電気自動車

そのテスラが昨夏、全長4.7m以下という小さめの4ドア車を日本で発売した。マツダ3やホンダ/シビックセダンとほぼ同等のサイズの電気自動車である。日本の法規に合わせた右ハンドル仕様で、充電装置も日本の基準に適用する。気になる車両価格は、511万円~と高級国産車並み。一回の満充電で走行可能な距離は500km以上と公表されている。

モデル3の「パフォーマンス」グレードは4ドアセダンだが、スポーツモデルのため、幅235㎜の太いタイヤを装着している。

モデル3の「パフォーマンス」グレードは4ドアセダンだが、スポーツモデルのため、幅235㎜の太いタイヤを装着している。

世界中が待ち望んでいたテスラの最新型に乗ってみた

今回試乗したモデル3は、もっとも高性能な「パフォーマンス」グレード。前輪用と後輪用に電気モーターを2基搭載した4輪駆動車で、カタログ上の航続距離(満充電で走行できる距離)は530kmである(ちなみに日産/リーフ最新型の航続距離は458km)。

ドア施錠やモーター始動は、カードキーで行なう。前後扉の間の柱にカードを当てて施錠。

ドア施錠やモーター始動は、カードキーで行なう。前後扉の間の柱にカードを当てて施錠。

走り出す前の満充電状態で、推定航続距離の表示は「485km」。東京都内から関越自動車道で秩父・長瀞方面を目指した。アクセルペダルを踏むと、即座に加速。モーター音も静かで、室内は静寂を保ったまま、じつになめらかに高速巡航へと移行する。最高速261km/hの超高性能車なので、日本の高速道路では実力の半分も出すことができないが、高速道路を運転しているときには静かで、車に余裕があるのが感じられる。

給電口。車体後方左の小さなフタを開けて給電する。家庭用200Vなら8時間で80%充電可。

給電口。車体後方左の小さなフタを開けて給電する。家庭用200Vなら8時間で80%充電可。

山間路も軽快に走行。床の下一面に電池が置かれているので若干、足まわりの重さを感じることもあるが、どっしりした安定感も感じられる。車としての完成度は高い。

試乗を終え、計252kmを走行した後も、推定航続距離表示は「198km」。月に1000km走った場合の燃料代(電気代)は、4000円ほどという。生活の道具として実力は充分以上だろう。

【テスラ/モデル3 パフォーマンス・デュアルモーター】

全長× 全幅× 全高:4695×1850×1445mm
ホイールベース:2875mm
車両重量:1860kg
モーター:交流同期電動機2基
最高出力:490PS
最大トルク:67.3kg-m
駆動方式:4輪駆動
航続距離:530km(WLTP)
使用燃料:交流電力
ミッション形式:電気式無段変速
サスペンション:前:ダブルウィッシュボーン式 後:マルチリンク式
ブレーキ形式:撮影/佐藤靖彦 68
⬆モデル3の「パフォーマンス」グレードは4ドアセダンだが、ス
ポーツモデルのため、幅235㎜の太いタイヤを装着している。
テスラ/モデル3 パフォーマンス・デュアルモーター
全長×全幅×全高4695×1850×1445㎜
ホイールベース2875㎜
車両重量1860㎏
モーター交流同期電動機2基
最高出力490PS
最大トルク67.3㎏-m
駆動方式4輪駆動
航続距離530㎞(WLTP)
使用燃料交流電力
ミッション形式電気式無段変速
サスペンション前:ダブルウィッシュボーン式 後:マルチリンク式
ブレーキ形式撮影/佐藤靖彦 68
⬆モデル3の「パフォーマンス」グレードは4ドアセダンだが、ス
ポーツモデルのため、幅235㎜の太いタイヤを装着している。
テスラ/モデル3 パフォーマンス・デュアルモーター
全長×全幅×全高4695×1850×1445㎜
ホイールベース2875㎜
車両重量1860㎏
モーター交流同期電動機2基
最高出力490PS
最大トルク67.3㎏-m
駆動方式4輪駆動
航続距離530㎞(WLTP)
使用燃料交流電力
ミッション形式電気式無段変速
サスペンション前:ダブルウィッシュボーン式 後:マルチリンク式
ブレーキ形式:前後:ディスクブレーキ

乗車定員:5名
車両価格:717万3000円(税込み)
問い合わせ:テスラモーターズ 0120・982・428

文/石川真禧照(自動車生活探険家)
撮影/佐藤靖彦

※この記事は『サライ』本誌2020年7月号より転載しました。

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