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住まい

藤田記念庭園|東北有数の広壮なる庭園付き大邸宅【古き佳き日本の住まい 第5回】

写真・文/石津祐介

西洋文化を取り入れてきた青森県・弘前(ひろさき)には、明治から大正期にかけて多くの洋館が建てられた。中でも広大な敷地の日本庭園に洋館と和館、そして茶室がある「藤田記念庭園」は、国の登録有形文化財に指定されており、見所も多い。

大規模な庭園に和館、洋館、茶室が建つ藤田記念庭園

弘前公園に隣接する藤田記念庭園は、日本商工会議所の初代会頭を勤め貴族議員でもあった弘前市出身の藤田謙一氏が、大正8(1919)年に別邸を構えるにあたり、東京から庭師をまねいてつくらせた江戸風の庭園だ。総面積は6,600坪(約21,800平方m)という広大な敷地で、東北地方では平泉の毛越寺(もうつじ)庭園に次ぐ規模となっている。

藤田の死後、庭園は弘前相互銀行(現:みちのく銀行)の頭取に譲渡され、銀行の管理所有であったが、平成3年(1991)に弘前市が市政施行100周年の記念行事として整備し、公開された。

東北地方では平泉の毛越寺庭園に次ぐ規模の日本庭園

庭園は13mの崖地を挟み、高台部と低地部に分かれており、高台部には洋館と和館、そしてレンガ建て倉庫、匠館が建っており、岩木山を借景とする庭園となっている。

低地部は池泉廻遊式庭園となっており、庭園内には茶屋や水琴窟などもある。崖地を流れる滝もあり、歩きながら四季の自然を楽しむ事ができる。

四季の自然を楽しめる池泉廻遊式庭園

高台部と低地部の崖を流れる滝

茶会が催される茶室「松風亭」

弘前の代表的な洋風近代建築

高台部にある洋館は、階段吹抜け部分の8角形の塔と玄関先まで長くつけられた袴腰屋根が特徴的な大正時代の雰囲気を感じさせる木造モルタル2階建て。設計、施行は青森の近代建築の代表的な担い手である弘前市出身の大工棟梁、堀江佐吉の息子たちによるものだ。

現在、館内には「大正浪漫喫茶室」がオープンしており、名物のりんごを使ったアップルパイが人気である。また、ホールではコンサートなども行われている。

大正時代の雰囲気が残る木造モルタル2階建ての洋館

コンサートも開かれる洋館内のホール

洋館内にある美しいステンドグラス

木造平屋建ての和館は、弘前市と隣接する板柳町に藤田謙一の本宅として建てられたものを、昭和36(1961)年に移築している。母屋造りの高台庭園側の主座敷と、岩木山を借景するはなれ座敷を棟分けし 、それぞれ廊下で連結している。

入母屋造りの和館の玄関部分

主座敷と廊下で連結されたはなれ座敷

高台部の庭園が見渡せる座敷の廊下

藤田記念庭園正面入口の西側脇に位置するイギリス積み風のレンガ建ての建物は、岩木山麓の農牧場開拓を目指して設置された開発事業事務所で、軒部分の4重の軒蛇腹が特徴的だ。現在は、クラフト&和カフェ 匠館としてオープンしている。

農牧場開拓の事務所として建てられたレンガ建ての匠館

現在は、カフェやクラフトギャラリーとしてオープンしている

このように、和洋折衷の建築物と広大な日本庭園が楽しめる藤田記念庭園。有名な「弘前さくらまつり」で知られた弘前公園に隣接しているので、花見の時期に訪れてみてはどうだろうか。

【藤田記念庭園】(ふじたきねんていえん)
所在地:青森県弘前市大字上白銀町8-1
電話:0172-37-5525(藤田記念庭園事務所)
入園料:310円
開館時間:9時~17時 さくらまつり期間中は21時まで
休館日:なし
アクセス:東北自動車道 大鰐・弘前インターより車で30分。
弘前駅よりタクシーで15分。
バスで20分「市役所前公園入口」下車、徒歩3分

写真・文/石津祐介
ライター兼カメラマン。埼玉県飯能市で田舎暮らし中。航空機、野鳥、アウトドア、温泉などを中心に撮影、取材、執筆を行う。

 

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