はじめに-唐来三和とはどのような人物だったのか

唐来三和(とうらい・さんな、唐来参和とも書く)は、江戸時代後期に活躍した戯作者・狂歌師です。洒落や滑稽を巧みに操り、黄表紙や洒落本に数々の異色作を残しました。武家出身ながら町人となり、自由な発想で江戸の世相を風刺したその作品群は、当時の人々に驚きと笑いをもたらしました。

そんな唐来三和ですが、実際にはどのような人物だったのでしょう。史実をベースに紐解きます。

2025年NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、ユーモアのセンスに長けた江戸の戯作者・狂歌師(演:山口森広)として描かれます。

唐来三和

目次
はじめに-唐来三和とはどのような人物だったのか
唐来三和が生きた時代
唐来三和の生涯と主な出来事
まとめ

唐来三和が生きた時代

唐来三和が活躍した18世紀後半から19世紀初頭は、江戸の町人文化が大きく花開いた時代でした。黄表紙や洒落本などの大衆向け文芸が盛んになり、遊里文化や町人の暮らしを題材にした作品が人気を集めます。

しかし一方で、天明7年(1787)には松平定信による寛政の改革が始まり、贅沢や風刺を取り締まる厳しい政治風潮に……。唐来三和は、こうした自由と統制が交錯する時代の波を受けながら、創作活動を続けた人物です。

唐来三和の生涯と主な出来事

唐来三和は寛延2年(1749)に生まれ、文化7年(1810)に没しました。その生涯を、出来事とともに紐解いていきましょう。

武家出身から町人へ

唐来三和は、もとは武家の家柄に生まれましたが、天明初年に町人となりました。その後、版元・蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)の義弟となり、江戸本所松井町(墨田区千歳)の娼家・和泉屋の入り婿となったそうです。

蔦屋重三郎
蔦屋重三郎

戯作デビューと代表作。次ページに続きます

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