横山大観(1868-1958)、川合玉堂(1873-1957)、川端龍子(1885-1966)という近代日本画の3人の巨匠に光をあてる展覧会が、三重県にあるパラミタミュージアムで開催されています。(~~11月3日まで)

横山大観《雪「花吹雪」》〔第3回雪月花展(1954年) パラミタミュージアム蔵〕

横山大観《雪「花吹雪」》〔第3回雪月花展(1954年) パラミタミュージアム蔵〕

近代日本画の革新に努めた横山大観、清澄な日本の原風景を描いた川合玉堂、そして床の間芸術から脱した会場芸術を唱えて大作に挑んだ川端龍子。3人は、それぞれ独自の道を歩みながら、主義主張を超えた交流を図ってきました。

本展は、この3人の交流を物語る循作「雪月花」「松竹梅」を中心に、大観、玉堂、龍子の絵画と工芸作品75点を展観し、それぞれの画業を辿ります。

川合玉堂《月「月天心》〔第3回雪月花展(1954年) パラミタミュージアム蔵〕

川合玉堂《月「月天心》〔第3回雪月花展(1954年) パラミタミュージアム蔵〕

本展の見どころを、パラミタミュージアム学芸員の湯浅英雄さんにうかがいました。

「大観、玉堂、龍子の3人は、1952年からの6年間、銀座の画商・兼素洞の主催による「雪月花」「松竹梅」循作展を行いました。

循作(じゅんさく)とは、3つの画題(雪、月、花及び松、竹、梅)を3人の作家にそれぞれ割り振り、毎年順番に画題をずらして描いて3年で全体が完成するという趣向で、3人が共同出品した展覧会でした。

気心が合った3人であったから実現した試みで、画風は違ってもレベルが高い作品同士であれば調和がとれることが分かる循作です。

本展では、当館が収蔵する「雪月花」三幅対1組、「松竹梅」三幅対2組をはじめ、それ以外の当館収蔵の3人の作品に加えて、大田区立龍子記念館のご協力で出品される作品をご紹介します」

共通の組画題を三人三様の捉え方で描いた作品は興味深いものがあります。会場でご堪能ください。

【大観・玉堂・龍子展―循作「雪月花」「松竹梅」によせて】
■会期/2016年10月7日(金)~11月3日(日)
■会場/パラミタミュージアム
■住所/三重県三重郡菰野町大羽根園松ヶ枝町21-6
■電話番号/059・391・1088
■料金/一般1000円 大学生800円 高校生500円 ※中学生以下無料、一般4枚セット券3000円あり
■開館時間/9時30分から17時30分まで(入館は17時まで)
■休館日/会期中無休
■アクセス/近鉄四日市駅より近鉄湯の山線で大羽根園駅下車、西へ約300m

取材・文/池田充枝
1989年「サライ」の創刊時より歴史資料の調査や展覧会情報を中心にフリーランスで「サライ」の取材・執筆に携る。

 

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