新着記事

常滑焼黒土九十九急須|99個の茶漉し穴で、香り高いお茶を抽出できる

理想のデート

7割以上の女性が理想のデート未経験|オトナ女子の理想のデートとは?

荀彧~曹操をささえた悲劇の名参謀【中国歴史夜話 6】

荀彧(じゅんいく)~曹操をささえた悲劇の名参謀【中国歴史夜話 6】

画面ロックしないと起こる危険なこと【スマホ基本のき 第5回】

アルパカミニマフラー|ベビーアルパカの原毛を使用したマフラー。抜群の暖かさ

いまや常識「単数形のthey」をさらに正しく理解しよう|米語辞典から学ぶ新しい英語(1)【世界が変わる異文化理解レッスン 基礎編30】

いまや常識「単数形のthey」をより正しく理解しよう|米語辞典から学ぶ新しい英語(1)【世界が変わる異文化理解レッスン 基礎編30】

全国のドライバー「2019年あおり運転実態調査」

制限速度で走る、車線変更をした…「あおり運転」をされた理不尽なきっかけ

【ビジネスの極意】欧米式「モチベーション理論」が、なぜ日本社会でうまく機能しないのか?

【ビジネスの極意】欧米式「モチベーション理論」が、なぜ日本社会でうまく機能しないのか?

加重ブランケット『スラウン』|ほどよい圧力で包み込み、快眠に誘う“重たい毛布”

カクシゴトが引き金になる●●離婚とは…|離婚の原因いろいろ

「熟年離婚」「成田離婚」「マザコン離婚」|離婚の原因あれこれ

通販別冊『大人の逸品』最新号はこちら

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号(クリックで試し読み)

ピックアップ記事

  1. 設計・施工はすべて積水ハウスが担当。バリアフリーをはじめ、高齢者の暮らしやすさに配慮した設えが特徴。写真は50平方メートルの部屋。
  2. 設計・施工はすべて積水ハウスが担当。バリアフリーをはじめ、高齢者の暮らしやすさに配慮した設えが特徴。写真は50平方メートルの部屋。
  3. 写真手前が「ラム串五本セット」1000円。レバー、ショルダー、ランプ、ネックの炭火串焼き。左上「よだれラム」800円。羊のすね肉をロール状にして麻マー辣ラーのタレに漬ける。“赤の泡”と好相性。

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

サライ7月号付録「筋トレチューブ」トレーニング動画公開中!

趣味・教養

またまた作曲者は怒り心頭? ジャズの常識はミュージカルの常識にあらず【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道26】

文/池上信次

第26回ジャズ・スタンダード必聴名曲(16)「イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド」

フランク・シナトラ『イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ』

フランク・シナトラ『イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ』

前回に引き続き、リチャード・ロジャース(作曲)とロレンツ・ハート(作詞)の名コンビ「ロジャース&ハート」の名曲からもう1曲。バラードの名曲「イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド(It Never Entered My Mind)」は、ヴォーカル、インスト問わずたいへん多くの録音が残されているジャズ・スタンダードです。前回、「恋に恋して」はオリジナルが3拍子にもかかわらず、4拍子でジャズ・スタンダード化してしまったこと(そしてそれを作曲者リチャード・ロジャースが怒ったこと)を紹介しましたが、じつは、なんとこの曲もオリジナルと違う形でジャズ・スタンダード化していたのです。

この曲は、1940年に初演されたブロードウェイ・ミュージカル『ハイアー・アンド・ハイアー(Higher And Higher)』の中の1曲。ミュージカルのストーリーはコメディです。タイトルのフレーズ「イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド」は歌詞の中に何度も登場します。「そんなことは気にしなかった」「こんなことになるとは思わなかった」といった意味で、内容は失恋ソングです。

先に書いたように、この曲はジャズ・スタンダードとしては「バラードの名曲」として定着しています。ジャズ・ファンには何の疑問もないこと、ですよね? でもこの曲のオリジナルはバラードではなかったのです。ミュージカルでは、ヴァースのあとはミディアム・テンポで歌われているのです。初演同年の40年にリリースされた、ヘレン・フォレストのヴォーカルをフィーチャーしたベニー・グッドマン・オーケストラのシングル・レコードが最初の録音ですが、そこでも舞台同様、ミディアム・テンポで「ブンチャ・ブンチャ」という感じのリズムでやっています。

その後50年代半ばからジャズ・スタンダード化していきますが、そのきっかけとなったのは、おそらくフランク・シナトラ(ヴォーカル)のレコードでしょう。49年にシナトラはSPアルバム『フランクリー・センチメンタル』(コロンビア)をリリースしますが、そこに収録された「イット・ネヴァー〜」はアクセル・ストーダール・オーケストラを従えたスロー・バラードでした。その後少し間を置いて54年から60年までにマイルス・デイヴィス(トランペット)、リー・ワイリー、エラ・フィッツジェラルド、ペギー・リー、ジュリー・ロンドン、サラ・ヴォーン、アニタ・オデイ(以上ヴォーカル)、スタン・ゲッツ(テナー・サックス)らが次々に録音・発表しましたが、いずれもバラード演奏でした。つまり誰もオリジナルを意識していないわけで、まさに「スタンダード化=一般化」を表わしているだけでなく、みんな揃ってこの曲は「バラードのほうがいい」という意思表示をしたのですね。

その後現在にいたるまで、オリジナルと同じようなミディアム・テンポでの演奏を(100ヴァージョン超の中から)探しましたが、58年のジョー・スタッフォード(ヴォーカル)の『スウィンギン・ダウン・ブロードウェイ』(コロンビア)が4ビートを交えたアレンジで演奏しているくらいで、ジャズで演奏されるのはほぼ全部がバラードでした。その一方、ミュージカルのジャンルでは楽譜をよりどころにしているからでしょう、当然ながらインテンポの演奏ばかりです。ジャズの常識はミュージカルの常識ではないのです。

このように、ジャズマンが取り上げたことで「イット・ネヴァー〜」は(少なくともジャズ・リスナーに対しては)オリジナルの楽曲イメージがすっかり変わってしまったのです。前回紹介したロジャースの評伝にはこの曲についての記述はありませんが、ロジャースがどう思っていたのかは考えるまでもないでしょう。ジャズマンは無意識のうちに、作曲者が意図しない「新しい曲」を作ってしまったのですね。

「イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド」の名演収録アルバムと聴きどころ

(1)『エッセンシャル・ベニー・グッドマン&ヒズ・オーケストラ』(コロンビア)

演奏:ヘレン・フォレスト(ヴォーカル)、ベニー・グッドマン(クラリネット)&ヒズ・オーケストラ
録音:1940年

この曲を「バラード名曲」として認識している方にはちょっと驚きかもしれません。これがもとのイメージなのでしょう。リズムがあると、あまり湿っぽくならないのですね。いや逆です。バラードにすると湿っぽくなりすぎかも。本来は失恋を笑い飛ばすようなムードなのではないでしょうか。(初出当時のメディアははSPレコードのシングル盤なのでベスト盤CDを紹介します。各種サブスクリプションでも聴けます)

(2)フランク・シナトラ『イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ』(キャピトル)
フランク・シナトラ『イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ』

フランク・シナトラ『イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ』

演奏:フランク・シナトラ(ヴォーカル)、ネルソン・リドル(編曲・指揮)
録音:1955年3月4日

フランク・シナトラは1949年リリースのSPアルバム『フランクリー・センチメンタル』に、この曲をおそらく初めてバラードにして収録しました。これは51年にLP化されさらに広く聴かれることになりました。そしてバラード・ヴァージョンの決定版とすべく、55年にキャピトル・レコードでアレンジを変えて再録音しました。ここでシナトラによる「新曲化」が完成したのです。

(3)マイルス・デイヴィス『ワーキン』(プレスティッジ)
マイルス・デイヴィス『ワーキン』(プレスティッジ)

マイルス・デイヴィス『ワーキン』(プレスティッジ)

演奏:マイルス・デイヴィス(トランペット)、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)
録音:1956年10月26日

1954年、マイルス・デイヴィスはブルーノート・レコードでこの曲をカルテットで録音しました。バラードにアレンジしたのは、おそらくシナトラの演奏を聴いていたからでしょう。そして56年に再度録音したのがこのアルバム(発表は59年末)。54年と同じ編成の同じアレンジですが、トランペットにハーマン・ミュートを付け、より「マイルスらしい」演奏になりました。この曲の「決定版」のひとつです。

(4)ジュリー・ロンドン『彼女の名はジュリーVol.1』(リバティ)
ジュリー・ロンドン『彼女の名はジュリーVol.1』

ジュリー・ロンドン『彼女の名はジュリーVol.1』

演奏:ジュリー・ロンドン(ヴォーカル)、バーニー・ケッセル(ギター)
録音:1955年8月8〜9日

ジュリー・ロンドンのデビュー・アルバムの中の1曲。バーニー・ケッセルのギター1本だけをバックに切々と女心を歌います。1対1での演奏なので、緊密なやりとりの息づかいが聴き手をぐいぐいと歌の中へ引きずり込みます。美貌も彼女のアピール・ポイントのひとつでしたが、それを考えさせない深い感情表現を聴かせてくれます。

(5)キース・ジャレット『スタンダーズvol.1』(ECM)
キース・ジャレット『スタンダーズvol.1』

キース・ジャレット『スタンダーズvol.1』

演奏:キース・ジャレット(ピアノ)、ゲイリー・ピーコック(ベース)、ジャック・ディジョネット(ドラムス)
録音:1983年1月11、12日

時代はぐっと後になり、このころにはジャズマンの間では、100パーセント「この曲はバラードでなくてはならない」という認識になっていたでしょう。ここでの「基準」はマイルス・デイヴィス。3人ともマイルスと共演経験があるだけに、緊密感もひとしお。そのマイルスのお手本はじつはシナトラ。ジャズの歴史はずっと繫がっているのです。

※本稿では『 』はアルバム・タイトル、そのあとに続く( )はレーベルを示します。

文/池上信次
フリーランス編集者・ライター。専門はジャズ。近年携わった雑誌・書籍は、『後藤雅洋監修/隔週刊CDつきマガジン「ジャズ100年」シリーズ』(小学館)、『村井康司著/あなたの聴き方を変えるジャズ史』、『小川隆夫著/ジャズ超名盤研究2』(ともにシンコーミュージックエンタテイメント)、『チャーリー・パーカー〜モダン・ジャズの創造主』(河出書房新社ムック)など。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. (2)キース・ジャレット『ケルン・コンサート』 「都市」と共演するキース・ジャレットのソロ・ピアノ【ジャズを聴く…
  2. アート・テイタム『ピアノ・ソロズ』 「ひけらかし」もジャズの個性。とてつもない技術に圧倒される「ソロ…
  3. ソニー・ロリンズ『ザ・ソロ・アルバム』(マイルストーン) 自由すぎるジャズ・バンド。ひとりでも100人でもジャズなのだ【ジ…
  4. ペギー・リー『シュガー・ン・スパイス』 相次ぐ相棒の死去で巨匠作曲家が作詞家へ転身?【ジャズを聴く技術 …
  5. 『マイ・フェイヴァリット・シングス〜ライヴ・イン・ヨーロッパ1963(アフロ・ブルー・インプレッションズ)』 オリジナルを超えてスタンダードになった「改変」ヴァージョン【ジャ…
PAGE TOP