実在する作品のモデルたち
――『俺、つしま』で一番訴えたいことは何ですか?
兄:うーん、妹にも自分にも「猫ってかわいいよね!」ってことぐらいしかあんまり訴えたいことってないんですが、読者の方にそれぞれ感じ取っていただけたらうれしいです。
――2巻の出版後、環境は変わりましたか? つーさんのゴハンが豪華になったとか…
つしま:俺のメシはいつも美味いよ。
兄:妹はどんなときでも猫にだけは美味しいものをあげていました。居ついてほしかったからだと思います。お刺身もいつもあって、ニンゲンはその残りをもらっています。
つしま:俺が放浪してたときのぶんも取り返す!とか言って、ごちそうと甘やかしのサービスがすごいんだよ。ちょっとしつこいというか、愛が重すぎるのが欠点かな。
――おじいちゃん……。
兄:環境が変わったわけではないんですけど、ご近所の皆さんが自分のことのように喜んでくれたのがうれしかったですね。2巻にも登場するタナカ姉妹はテラスに招いてくれて、ビールでお祝いをしてくれました。
――あのちょっとクセのあるキャラ、タナカ姉妹は実在するんですよね。
兄:設定は少し変えていますが、実在します。ちゃーちゃんが昔からお世話になっていて、その縁で仲良くしてもらっています。
――その他の近所の皆さんも実像に近いんですか?
兄:「やさぐれ会」を世話してくれている人は知っていますし、野良猫に優しい人は多いと思います。
うちの猫がいなくなったときにビラ配りにまわったんですが、ガレージにエサや雨風がしのげる小屋を置いてくれている家もあったし、漫画に登場するズンちゃんは、近所のお宅のエアコンの室外機の上が大のお気に入りでした。お詫びに行くと「楽しいからいいのよ」って。
ちゃーちゃんはもともと地域猫なので、別宅はすごくたくさんあります。皆さん温かく迎えてくれているようです。ズンちゃんが立ち入り禁止の施錠してある空き家に入って出てこなかったときも、近所の皆さんが家の持ち主を探してくれて、持ち主さんが鍵を借してくれたこともあります。
つしま:俺、その事件知ってる。
兄:つーさんとちゃーちゃんがずっとズンちゃんのそばにいてくれたんですよ。だから居場所がわかったんです。いつか機会があれば漫画にしたいですね。
つしま:おじいちゃん、虫もオバケも怖いはずなのに、真夜中にすごい狭い縁の下に匍匐(ほふく)前進で潜っていってズンちゃんを引きずり出していたんだよ。あれはすごかったなぁ。
>> その3に続く!
『俺、つしま』と『俺、つしま2』
おぷうのきょうだい 著
定価本体1000円+税
https://www.shogakukan.co.jp/pr/tsushimacat/
「俺、つしま」公式Twitterもあるよ(@tsushimacat)