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若くしてベテラン女優のような存在感の菅井きん。黒澤明監督『生きる』【面白すぎる日本映画 第22回】

文・絵/牧野良幸

女優の菅井きんが8月に亡くなった。享年92歳だった。

菅井きんは母親やおばあさん役が多く、昔からお茶の間のテレビでおなじみの俳優だった。訃報を知らせるニュースでも、ドラマ『必殺仕置人』での「ムコどのー!」と言うシーンを多く流していたから、日本中の人がテレビの姿に親しんでいたのだと思う。

しかし昔の日本映画にハマっている僕としては、やはり映画に出ている菅井きんが印象的だ。

自身の初主演映画が2008年の『ぼくのおばあちゃん』ということからも分かるように、菅井きんの女優人生はほとんどが脇役だった。しかし「名脇役」という言葉では片付けることができないほど、それこそ主役と同じくらいの存在感があった。

黒澤明監督の『生きる』(1952年)でも、菅井きんの役どころは市役所に陳情にくる主婦たちの一人にすぎない。実はこの主婦たちの中には、黒澤映画の常連の女優が含まれているのだが、特別な映画マニアでもないかぎり見過ごしてしまうだろう。

しかし菅井きんだけは目立つのである。僕など菅井きんを発見するや、目を奪われるだけでなく一瞬映画が停止してしまうのだ。

「あ、菅井きんが出ている!(若いなあ……)」

世界に誇るクロサワ映画の流れを止めてしまうほど、菅井きんの存在感は半端ではない。その後も主婦たちは数回登場するが、どの場面でも菅井きんを探してしまう自分がいる。

とくに主人公の市民課長、渡辺勘治(志村 喬)が公園の建設現場を視察するシーン。雨に濡れるのも構わず工事の進行具合を凝視する渡辺に、後ろから一人飛び出して傘を掲げるのが菅井きんである。ここでも一瞬、脳内では映画をストップさせて感想をもらすことになる。

「さすが黒澤監督、ここに菅井きんを使ったか!」

菅井きんの映画デビューは『生きる』の前年の1951年だというから、この時点では新人だ。年齢も26歳。それでもベテラン女優のような存在感がある。黒澤明もそれを気づいていたのだろう。

ちなみに『生きる』の2年後に制作された『ゴジラ』(1954年)でも、菅井きんは端役で登場するが、これまた観る者の思考を一旦停止させてしまうほどの存在感だ。

国会の公聴会でゴジラの存在を「重大だからこそ公表すべきだ!」と声をあげる婦人代議士の役(そこで博士を演じるのは、またも志村 喬)。菅井きんに似合わぬ(?)ハイカラな服装も手伝って、ここでも思考は一旦ゴジラから離れ、心の中で声をあげてしまうのである。

「うわっ、菅井きんだ。それも上流婦人の格好で!」

『生きる』でも『ゴジラ』でもそうだが、「名脇役」と呼ばれるのはまだ先のこと、端役にすぎない菅井きんに、どうしてこうも目を奪われるのだろう?

たぶんのちに親しく見た老け役とのギャップに驚くのかもしれない。実際、同じ黒澤監督の1970年作品『どですかでん』での菅井きんは、主人公のお母さん役で今日のイメージどおり、すんなりと見ることができる。

しかし白黒画面の中で菅井きんが人を惹きつける理由は、それだけではない。『生きる』や『ゴジラ』が制作された50年代、菅井きんは確かに若かった。にもかかわらず名女優の存在感を最初から持ち合わせていたのだと思う。『生きる』は繰り返し観る映画であるが、何度観ても菅井きんの姿が薄れることはない。

【今日の面白すぎる日本映画】
『生きる』
製作年:1952年
製作・配給:東宝
モノクロ/143分
キャスト/志村喬、小田切みき、 小堀誠、 金子信雄、 千秋実、藤原釜足、菅井きん、ほか
スタッフ/監督:黒澤明、脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄 音楽:早坂文雄

文・絵/牧野良幸
1958年 愛知県岡崎市生まれ。イラストレーター、版画家。音楽や映画のイラストエッセイも手がける。著書に『僕の音盤青春記』『オーディオ小僧のいい音おかわり』(音楽出版社)などがある。ホームページ http://mackie.jp

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