新着記事

もみじ盆栽|漆器の鉢植えのもみじで四季の移ろいを楽しむ

国宝 海磯鏡 唐または奈良時代・8世紀 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)(通期展示)

正倉院宝物と法隆寺献納宝物が一堂に【御即位記念特別展 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―】

イマドキ60代独身は「気楽」「自由」を背景に約半数が老後も「1人で過ごしたい」

結婚しない60代は「気楽」「自由」に、老後も1人で過ごしたい

【娘のきもち】母親の口癖は「早く自立して」。親子の絆の呪縛から解放されたきっかけは“保証人”~その2~

【娘のきもち】母親の口癖は「早く自立して」。親子の絆の呪縛から解放されたきっかけは“保証人”~その1~

楊洲周延著 千代田の大奥神田祭礼上覧 狆のくるひ(国立国会図書館アーカイブズ)

狆と呼んだ娘と結婚した日露戦争の英雄・秋山好古

腰痛・坐骨神経痛の改善はストレッチから!痛む部位別にわかる簡単ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第28回】

腰痛・坐骨神経痛の改善はストレッチから! 痛む部位別にわかる簡単ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第28回】

IMABARI コットンスヌード|無造作に巻いても形が決まる、暖かなコットン襟巻き

【最後の恋】10年前にリストラをした、20歳年下の女性部下とのロマンス……定年退職の日の特別な出来事~その2~

【最後の恋】10年前にリストラをした、20歳年下の女性部下とのロマンス……定年退職の日の特別な出来事~その1~

通販別冊『大人の逸品』最新号はこちら

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号(クリックで試し読み)

ピックアップ記事

  1. リラックスを追求し、日々を快適にする『シンラ』。103万5000円~(工事費別)。椅子と桶は23年前の新築時に友人から贈られたもの。
  2. 幅60㎝、広い庫内空間と高い収納力で12人分84点に対応する『SMI69N75JP』。年間で水道代・電気 代が約35%節約可能(※)。34万円(ドア面材、工事費別)。 ※(一財)省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典」より
  3. リビングから0.5階上がると、『タタミスペース』が用意される。1階とは違った設えが、暮らしに豊かさをもたらしてくれる。

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

サライ7月号付録「筋トレチューブ」トレーニング動画公開中!

趣味・教養

市川崑監督『犬神家の一族』|黒々しさが味わい深い傑作ミステリー映画【面白すぎる日本映画 第17回】

文・絵/牧野良幸

『犬神家の一族』は1976年(昭和51年)公開の角川映画である。これが第1回作品。当時大変話題になり、すっかり斜陽産業となっていた日本映画界が久々に沸いたことを今でもよく覚えている。

角川は原作を書いた横溝正史もリバイバルさせた。「犬神家の一族」だけでなく沢山の文庫がベストセラーになったものである。映画と書籍は両方で相乗効果を上げ、まさに角川時代が到来したといってよかった。

ただその頃の僕は、若者特有のへそ曲がりだったからブームに反発して映画は観なかった。 映画を観たのは公開から40年以上も経ってから。つい最近だ。そのかわり極めて冷静な視点で観たつもりだ。そしたらやっぱり『犬神家の一族』も“面白すぎる日本映画”だった。

監督は市川崑である。かつて日本映画の黄金期を支えた巨匠のひとりが、70年代の大資本による娯楽映画の監督をしたということにまずは驚かされる。

しかし小津安二郎や成瀬巳喜男が、たとえ当時生きていたとしても『犬神家の一族』を監督したとは想像しにくい。かといって黒澤明が引き受けるようなタイプの映画でもない(この3人が撮ったらどんな『犬神家の一族』になったか興味深いけれども)。

となれば僕が言うのも偉そうだけど、『犬神家の一族』は市川崑にこそふさわしいと思うわけである。

しかしそれは消去法ではなく、市川崑の持ち味が『犬神家の一族』にピッタリ合うと思ったからだ。何と言っても市川崑がよく使う黒々しい画面が横溝正史の世界にふさわしい。日本の旧家の暗さが伝わる。これは同じ市川崑の作品である『おとうと』のエッセイでも書いたことである。

そしてこれまた『鍵』のところでも書いたことであるが、市川崑独特のどこかマンガ・チックな描写が『犬神家の一族』でも見事に機能している気がする(市川崑監督『鍵』|入り口はエロス、出口はブラック)。次々と起こる殺人事件や犬神家の骨肉の争いが、漫画のコマ割りのようにテンポよく描かれる。回想シーンの特殊な画面効果もどことなく漫画的と僕には思えた。

こういう技巧を駆使してこそ、あの複雑な横溝正史のミステリーを一本の映画にまとめることができたのだと思う。

それから、どこか丸っこい輪郭をたたえたキャラクターも市川崑らしいところだ。石坂浩二が演じる金田一耕助や加藤武が演じる警察署長など、まるで手塚治虫の漫画に出てくるキャラクターのようではないか。

つまるところ新興の角川映画と思っていた『犬神家の一族』は、日本映画の黄金時代から連なる市川崑作品だったということになる。

それは豪華なキャストにも感じる。かつて日本映画を支えてきた俳優が多数出演して映画に風格を与えている。そこに当時人気のあおい輝彦や島田陽子、坂口良子らが色どりを添えているものの、やっぱり圧巻は犬神家の長女を演じる高峰三枝子と、三女を演じる草笛光子だと思う。

二人ともかつて女を描くことに定評のあった成瀬巳喜男監督の作品でも活躍していた女優である。しかし今回は市川崑が成瀬巳喜男のお株を奪ってしまったかのようだ。『犬神家の一族』はミステリー映画であると同時に、女性映画としても味わい深い。

『犬神家の一族』
■製作年:1976年
■製作:角川春樹事務所 配給:東宝
■カラー/146分
■キャスト/石坂浩二、島田陽子、あおい輝彦、高峰三枝子、草笛光子、三条美紀、三國連太郎、坂口良子、加藤武、ほか
■スタッフ/監督: 市川昆、原作:横溝正史、脚本::長田紀生、日高真也、市川崑、音楽:大野雄二

文・絵/牧野良幸
1958年 愛知県岡崎市生まれ。イラストレーター、版画家。音楽や映画のイラストエッセイも手がける。著書に『僕の音盤青春記』『オーディオ小僧のいい音おかわり』(音楽出版社)などがある。ホームページ http://mackie.jp

『犬神家の一族』は神保町シアター「赤川次郎と現代ミステリーの世界」の3月17日から3月23日のプログラムで上映されます。詳細は神保町シアターのウェブサイトでご確認ください。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー 「アメリカン・ニューシネマの洗礼を受けた」映画|『ダーティ・メリ…
  2. “男の憧れ俳優”松田優作主演! 男の血が騒ぐ映画|『蘇る金狼』【面白すぎる日本映画 第33回】 “男の憧れ俳優”松田優作主演! 男の血が騒ぐ映画|『蘇る金狼』【…
  3. 海底軍艦 東宝の誇る名優集結! オトナの特撮映画『海底軍艦』【面白すぎる日…
  4. 『あなたへ』 降旗康男監督と高倉健が組んだロードムービー『あなたへ』【面白すぎ…
  5. コミック雑誌なんかいらない! 人も社会もパワーがあった80年代と内田裕也の存在感『コミック雑誌…
PAGE TOP